2017他球団のドラフト

少し時間が経ち、日本シリーズ真っ只中ではあるのですが、恒例となっていますので他球団のドラフトについても触れておきたい。
過去記事はこちらから→「2016他球団のドラフト」、「2017年　ドラ1　12人は誰だ！」

ソフトバンク　ドラフト1位　吉住　晴斗（鶴岡東）右投右打　投手
・清宮、安田、馬場とくじ引きで外してしまい、「外れ外れ外れ1位」で指名したのは、ドラ１候補としては名前が挙がっていなかった高校生右腕吉住だった。おそらくソフトバンクには高卒投手を上位指名する際の基準のようなものがあり、その基準を上回っているからこその1位指名なのだと思う。まだ石川（青藍泰斗）、山口（熊本工業）、田中（柳ヶ浦）辺りの名前が呼ばれていなかったのだが、ソフトバンクが選択したのは吉住だった。サイズがあり、ストレートにも一定の球速がある吉住が4，5年後どんな投手に成長するのか楽しみである。
2位で上級生になってから苦しんでいるアンダースローの髙橋、3位で野球小僧増田、4位で大型右腕椎野、5位で魔球チェンジアップを操る田浦とソフトバンクだからこそ出来る指名を今年も行った印象である。育成でも素材型の高校生を中心に獲得し、1位指名で３度くじを外したとは思えないような指名にまとめた印象である。

広島　ドラフト１位　中村　奨成（広陵）右投右打　捕手
・何と言っても１位で地元のスター中村を獲得できたことは大きいのではないだろうか？中日との競合となったのだが抽選で引き当てて見せた。昨年獲得した坂倉が２軍で予想以上に結果を残しているため、この中村をどう起用するのか気になるところである。個人的には中村はあくまでも捕手、バッティングセンス抜群の坂倉をコンバートかな？と思っている。広島首脳陣はどのような判断を下すだろうか？
その他の指名は広島らしく潜在能力が高く、大化けする可能性のある選手を揃えてきた印象である。薮田が大化けしたことで思いきった指名がしやすくなった部分もあるだろうか？

西武　ドラフト１位　斉藤　大将（明大）左投左打　投手
・西武は田嶋の外れ１位で同じサウスポーの斉藤を指名して来た。田嶋に比べると少しスケールダウンしてしまった感は否めないのだが、ぶれずにキレの良いボールを投げ込むサウスポーを指名したのは意図を感じる。２位以降もバッティングセンス抜群の西川やBCリーグで素晴らしい投球を披露していた１９歳の伊藤と面白い素材を指名した印象である。牧田が流出する可能性がある中でアンダースローの與座を確保できた事も良かったのではないだろうか？

阪神　ドラフト１位　馬場　皐輔（仙台大）右投右打　投手
・阪神は清宮、安田と外した中で即戦力として期待が掛かる馬場を指名して来た。地方大学の投手という事でキャンプ、オープン戦の投球を見てみる必要はあるのだが、威力のあるストレートと空振りを奪えるスライダー、スプリットを持っており、リリーフとしては即戦力で期待できるのではないだろうか？その他では個人的にヤクルトに指名して欲しいと思っていた島田を４位で抑えている。今の阪神には似たタイプの外野手が少ないだけに１年目から出場機会はあるのではないだろうか？

楽天　ドラフト１位　近藤　弘樹（岡山商科大）右投右打　投手
・楽天は清宮、村上と外してしまい、次に選択したのは近藤だった。長距離砲という事で言えば２位で岩見を獲得できたため、１位で即戦力の期待が掛かる近藤を獲得できたことは良かったのではないだろうか？近藤、岩見、山崎は１年目からどのような数字を残すのか楽しみである。また下位はBFL兵庫の田中が５位で指名されている。リーグのレベルから考えると高い順位での指名となったのだが、どんなプレーを見せてくれるか楽しみである。

DeNA　ドラフト１位　東　克樹（立命館大）左投左打　投手
・DeNAは清宮を避けて東の一本釣りに成功した。今永、濱口、東と３年連続サウスポーが１位指名となった。東は個人的には好きな投手なだけに清宮を避けての一本釣りは見事な戦略だと思う。DeNAはCS、日本シリーズでも結果を残している細川やキャンプ、オープン戦で注目された網谷などの若い長距離砲候補もいるため無理に清宮や安田、村上に向かう必要はなかったのかもしれない。東１位入札は良い選択だったと感じる。
その他にも投手、野手、高校生、大学社会人満遍なく獲得した印象である。将来性豊かな選手や一芸のある選手など昨年に続いて派手な指名になった印象である。

オリックス　ドラフト１位　田嶋　大樹（JR東日本）左投左打　投手
・オリックスはここ４，５年ドラフト終了時点では毎年良い指名だな。と感じさせる指名を続けている印象である。今年も１位で田嶋、２位で鈴木康と即戦力投手２枚の獲得に成功し、３位でも即戦力の期待が掛かる内野手福田、高校生も本田、西浦、廣澤と将来が楽しみな選手を上手く獲得した印象である。そろそろ優勝争いに絡めるチームを作ってもらいたいと感じる。充実のドラフトである。

巨人　ドラフト１位　鍬原　拓也（中大）右投右打　投手
・巨人は野球賭博問題が起きてしまってからの３年間、その影響があるかどうかは分からないのだが、おとなしいドラフトが続いている。今年は清宮、村上を外してしまった事も影響したのかもしれないが、やはり巨人らしくない地味な指名に落ち着いた印象である。それでも鍬原以外は、味のある野手を指名したと言う部分については、昨年のドラフトとの合わせ技で考えれば悪くはなかったのではないだろうか？脇役的存在として長くチームを支えそうな選手も数人獲得した印象である。

日本ハム　ドラフト１位　清宮　幸太郎（早稲田実業）右投左打　内野手
・日本ハムは何と言っても清宮を獲得できたのが大きい。大谷が今オフにもメジャー挑戦と言われている中で新たなスター候補を獲得できたことはそれだけで大きいのではないだろうか？将来的にメジャーでの活躍を目標としている清宮自身にとっても日本ハムに入団できたことはプラスに働くのではないだろうか？清宮に関しては、右肩の状態が気になるのだが、おそらくバッティングに関しては、問題ないのではないだろうか？フィジカルの部分をしっかり作ることが出来れば１年目から１軍での出場機会を得る可能性もあるかもしれない。非常に楽しみである。おそらく２軍のゲームであれば格の違いを見せ付けられるくらいのレベルにはある選手だと思う。
２位以下も即戦力の西村や好素材の高校生田中、北浦などを獲得し、７位では東大の注目左腕宮台も抑えてみせた。今年もドラフト巧者ぶりを見せ付けてくれた。

中日　ドラフト１位　鈴木　博志（ヤマハ）右投右打　投手
・中日は中村こそ獲得することが出来なかったのだが、落合GMがチームを去って以降、ドラフトにも変化が出始めている。今年は、高卒３年目の鈴木以外は、高校生を５人指名するという思い切った指名をしてきたのだが、チームを立て直そうとする意図が伝わってくる指名となった。特に１位鈴木、２位石川、３位高松という指名は非常に魅力的に映る。豪腕鈴木に将来のエース候補石川、スピードという明確な武器を持つ高松と並べてきた。昨年に続いて中日ファンが夢を抱ける指名となったのではないだろうか？

ロッテ　ドラフト１位　安田　尚憲（履正社）右投左打　内野手
・清宮こそ逃してしまったのだが、同じ長距離砲でサードを守れる安田の獲得に成功したのは大きいのではないだろうか？強烈な風が吹くZOZOマリンで長距離砲を育成することは他球団以上に難しいと思うのだが、それだけに安田は大切に育ててもらいたいと感じる。ロッテには是非安田を日本を代表する打者に育ててもらいたい。
そして１３番目の男となる２位指名では即戦力投手ではなく内野手の藤岡を指名して来た。これには少し驚いたのだが、それだけこの藤岡を高く評価していると言う事なのだろう。投手は佐々木や酒居、有吉の成長に期待していく形と言う事なのだろう。予想外の選択ではあったのだが、それだけに藤岡には注目してみたい。

ヤクルト

先日の記事にも記したのだが、今年はどのチームもそんなに悪くない指名に落ち着いたのではないかな？という印象ではある。それでも清宮、田嶋をそれぞれ抽選で獲得した日本ハム、オリックスはやはり良い指名になったかな？と感じる。その他では中日がチームを立て直そうとする意図を感じる指名になったと感じるし、ソフトバンクはやはりソフトバンクらしい指名に落ち着いたと感じる。２０１７年のドラフトは５年後、１０年後にどう語られているだろうか？


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