第12回を迎えた東京マラソン(産経新聞社など共催)は25日、約3万6千人が参加して東京都庁前から東京駅前までの42・195キロで争われ、男子はディクソン・チュンバ(ケニア)が2時間5分30秒で2014年以来となる2度目の優勝を果たした。設楽悠太(ホンダ)が高岡寿成の記録を5秒更新する2時間6分11秒の日本新記録で2位に入った。
(産経ニュース引用)
私はリアルタイムで観戦する事が出来ず、ハイライト映像を見ただけなのだが、今回の東京マラソンは日本人ランナーの力走が目立つ結果となった。特に設楽悠太の2時間6分11秒という記録は素晴らしい。16年前に高岡寿成が記録した2時間6分16秒と言う数字を上回って見せた。高岡は日本人ランナーの中では突出したスピードを持つランナーであり、16年前に日本記録を更新したレースでは35キロくらいまでは世界記録を狙えるタイムで走っていたと記憶している。その高岡以降様々なスピードランナーがマラソンに挑戦したのだが、高岡の記録を破るランナーは現われず、高岡の記録に肉薄するランナーさえ皆無だった。その間に世界との差は広がり続け、世界記録は2時間2分代に突入し、タイムよりも勝負が優先されるオリンピックでもメダルを獲得出来ない時代が長く続いている。しかしようやく日本の男子マラソン界の時計が動き出す予兆が出始めている。過去記事はこちらから→「日本のマラソンは死んだのか?」、「大迫傑、衝撃の快走!」
そして今回の設楽悠太の日本新記録である。大迫の福岡での快走も衝撃だったが、今回の設楽悠太の日本新記録はそれ以上の衝撃である。ここ2年程の設楽悠太はハーフまでの距離であれば日本人ランナーではトップの成績を残し続け、今年に入ってからも駅伝でもハーフマラソンでも素晴らしい走りを披露してくれていた。しかも川内のようにレースに出る事で調子を整え、東京マラソンに挑むというこれまでの実業団に所属していたランナーとは違った調整法で結果を残して見せた。川内にも大迫にも言える事なのだが、これまでの既成概念に捉われず、自分で考えてマラソンに向けたアプローチをし、しっかりと結果を残したと言う事に大きな意味があると感じる。学生時代からスピードランナーとして名を馳せていた大迫、設楽のマラソンでの快走は、他の選手や指導者にも大きな影響を与える事になると思われる。
2020年の東京オリンピックまでにどの程度世界との距離を詰められるかは分からないが、選考方法含め、日本マラソン界が大きく動き始めようとしていることは確かである。MGCについてはこれまでなかった取り組みであり、ファンの側からしても非常に興味深い取り組みである。実力者が終結した中で争われるレースがどんなものになるのか今から楽しみである。そしてこれからもどんなランナーが出場資格を得るのか今シーズン、来シーズンのレースは要注目である。
今回の東京マラソンでは設楽以外にも井上大仁、木滑良、宮脇千博、山本憲二、佐藤悠基がMGCファイナリストとなった。それ以外にも若手の一色、神野、鈴木なども好タイムで走りきっており、今後が楽しみになる東京マラソンとなった。
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