今大会も仕事などがありほとんど見る事が出来なかったのだが、気になった選手を少しだけピックアップしてみたいと思う。昨年の記事「第89回センバツ振り返り」でも書いたのだが、春2連覇を達成した大阪桐蔭のモンスター軍団っぷりが際立つ大会となった。
それでは投手から上げていきたい。
市川 悠太(明徳義塾)は、甲子園で見るのを楽しみにしていた大型サイドハンドである。毎年のようにサイドハンドの好投手を輩出する明徳義塾なのだが、市川のような長身のパワー型のサイドスローはそんなに登場することはない(まあ全国を見渡してもこういったサイドハンドの投手は希少価値が高いのだが…)。ストレートの最速は145キロを超え、一級品の素材である事を証明してくれた。初戦の中央学院戦でもサヨナラ弾を浴びてしまった日本航空石川戦でも突如として制球を乱す場面があり、本来の投球が出来なかった部分はあると思うのだが、高卒即プロ入りを目指せるだけの逸材だと感じる。想像していたよりも総合力と言う意味では不安を感じさせたのだが、これだけのサイドハンドの投手はそうはお目にかかれないと思う。
柿木 蓮(大阪桐蔭)はこの1年で投手として着実にレベルアップしていることを感じさせてくれた。昨年までは力で押す投球に特徴のある投手だなと感じていたのだが、最上級生となって安定感が増してきた。昨年のエース徳山も安定した投球が持ち味だったのだが、ボールの力強さでは柿木に軍配が上がり、今大会では良い意味で打者を見下ろして投げている印象が残った。2年続けて優勝投手となった根尾と比べても投手らしさと言う意味では柿木の方が上だと思う。柿木も高卒即プロが狙える投手だと感じる。
増居 翔太(彦根東)は昨年の夏も甲子園で登板しており、「まとまったいい投手だな。」とは感じていたのだが、一冬越してストレートの球速、キレが格段に増しており、ストレートで空振りを奪える投手となっていた。ここまで伸びるとは思ってもいなかったため驚いた。初戦の慶応戦でも9回までノーヒットピッチングを披露した花巻東戦でも素晴らしいボールを投げ込んでいた。今年ソフトバンクに育成ドラフトで入団した大竹耕太郎の濟々黌時代を思い出した。コントロールもある程度まとまっており、夏にもう一度甲子園で見てみたいと感じさせてくれる投球を披露してくれた。
佐藤 亜蓮(由利工業)は、たまたま日大三戦をテレビ観戦できたのだが、右バッターでも左バッターでもインコースを軸に組み立てることが出来る投球スタイルに可能性を感じた。物凄い速いストレートを持っているわけでもなく、サイズがあるわけでもないのだが、強豪日大三相手にあれだけインコースを攻められるのは才能だと思う。多彩な変化球も持ち合わせており、器用な投手だと感じた。是非大学や社会人といった上のカテゴリーでも野球を続けて欲しいと感じる投手だった。
それでは野手も数名挙げてみたい。
藤原 恭大(大阪桐蔭)は大会前に足を故障したとのことだったのだが、大阪桐蔭の4番に恥じないプレーを見せてくれた。左投げの外野手と言う事で潰しが利かないなどという話しも聞くが、走攻守全てにハイレベルな素晴らしい選手だと思う。野手としての才能と言う事であればヤクルトの雄平以上のものを持っていると感じる。今年のドラフトでヤクルトが狙いを定めても良い選手だと感じる。好きなタイプのプレーヤーである。
根尾 昴(大阪桐蔭)も着実にステップアップしてきている印象である。高校入学前からスーパー中学生と言う事で注目されていたのだが、投手としても野手としても少しずつ野球選手らしくなってきたと感じる。まだまだ荒削りで才能だけで相手打者を抑え込み、才能だけでヒットを量産しているように見える事もあるのだが、抜群のボディーバランスを持った天才だと感じる。こういったタイプの高校生は、プロでは、こじんまりとした選手にまとまってしまう印象があるのだが、根尾は今までの同タイプの選手とは同列には語れない選手だと感じる。大谷翔平という歴史を変える選手のプレーを見て育ってきた世代の選手だけに根尾自身がどのような将来像を持っているのか気になるところである。球団によってはその才能を非常に高く評価しているのではないだろうか?
山田 健太(大阪桐蔭)は、大型二塁手として甲子園に戻ってきた。大舞台でコンスタントに結果を残せるところが素晴らしい。藤原や根尾の影に隠れており、打順も6番や7番に座る事が多かったのだが、打撃と言う部分では非常に高いレベルにある選手だと感じる。是非右の長距離砲として育ててみたい逸材である。私個人としては、根尾以上に魅力を感じさせてくれる選手である。今後が楽しみである。
林 晃汰(智弁和歌山)も上記の大阪桐蔭の3人同様昨年から注目されていた左のスラッガーなのだが、打席での落ち着き、威圧感があり、雰囲気を感じさせてくれる。ちょっとやんちゃな雰囲気も気持ちの強さと捉えれば面白いのではないかと感じる。昨年のドラフトでは、清宮、安田、村上と左の長距離砲が1位指名を受けているが、林もこの3人を追うような存在になれるだろうか?怪我が多い選手のようだが、その辺りをクリア出来れば高卒即プロもあり得る選手だと思う。逆方向への長打は魅力的である。
簡単に気になった選手をピックアップしてみた。ヤクルトのドラフト目線で言うと大阪桐蔭の藤原、明徳義塾の市川が気になった(個人的に好みのタイプの選手と言う部分もありますが…)。今日名前を挙げた選手は、夏の甲子園でも見てみたい選手ばかりである。
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