ディフェンディングチャンピオンとの差

ヤクルト２－３広島

選手層の厚さ、野球の質、チームの完成度とどこを切り取っても今のヤクルトは広島には劣ってしまうのかもしれない。1点差での敗戦ではあったのだが、それ以上の実力差を感じるゲームとなってしまった。細かいミスが敗戦に直結する事がよく分かるゲームだった。それでもハフが何とか持ち堪えた事や廣岡に第1号ホームランが飛び出したことはプラスポイントである。今シーズンはチームを立て直すシーズンである。ディフェンディングチャンピオンの広島に色々と学ばせてもらう事も大事だろう。前を向いて戦っていって欲しい。

ハフは開幕してからの2試合ともに1イニングで突然ピッチングが豹変してしまい、大量失点を重ねてしまっていたのだが、今日も危うく同じ内容の投球になりかけてしまった。それでも今日は崩れかけたイニングを2失点で踏ん張り、6回を被安打４与四死球２の２失点でまとめてみせた。負け投手にはなってしまったが、毎回これくらいの投球は期待したい。
ハフはこれまで立ち上がりに関しては抜群に良いのだが、今日も２回まではパーフェクトピッチングを披露してくれた。それでも３回に美間に四球を与えると會澤につながれ、ピッチャーの中村裕に先制タイムリーを浴びてしまった。このまま上位打線に繋がるということでハフ本人も首脳陣もファンもこれまでの２試合が頭によぎったと思うのだが、その後は丸の犠牲フライのみで何とか凌いで見せた。冷や冷やの内容ではあったのだが、３試合続けての大乱調とはならずに粘れた事を評価して良いのではないだろうか？しかし一方でやはりスイスイと投げていてもランナーを出してしまうとピッチングが豹変してしまう部分はあるため、今後も注意が必要になってきそうである。
そして広島打線はやはり素晴らしい。鈴木が怪我でスタメン落ちしているのだが、アウトになるにしても球数を投げさせるし、不動のレギュラー選手以外のレベルも高い。走塁への意識も高く、常勝軍団を築きつつあるチームだという事を改めて感じさせてもらった。
結果的に決勝点となった７回の場面は、２アウトランナーなしから長打のあるエルドレッドが代打で登場し、死球で出塁すると代走の安倍が盗塁し、ヤクルトのミスを誘い、そのままホームを陥れた。中村ー廣岡ー青木というセンターラインの選手が全て絡んだ中でミスが重なってしまうというヤクルト側から見ると非常に残念なプレーとなってしまった。相手が仕掛けてくる事を察してピッチアウトしていたのだが、中村の送球が逸れていなくてもセーフのタイミングに感じたため秋吉もモーションを盗まれてしまっていただろうか？広島のプレッシャーの掛け方がチームの強さを象徴していた。それにしても中村、廣岡、青木はミスが決勝点に繋がってしまい、強く反省しているのではないだろうか？中村のピッチアウトしながらの送球ミス、タイミング的にセーフだったのに焦ってタッチに行き、ボールを取り損ねた廣岡、カバーリングが間に合わなかった青木とそれぞれが雑なプレーをしてしまった印象である。この辺りはすぐにでも修正できるプレーだけに明日以降のゲームに活かしていってもらいたい。

打線は今シーズン初先発となった中村祐の前に抑え込まれてしまった。こういった投手が２軍から上がって来て即結果を残す辺りも広島の充実ぶりを感じさせる。DeNAの京山にも感じるのだが、この中村祐も球速表示以上にストレートがキレている印象があり、ストレートがあるからこそ変化球が活きてくるタイプの投手に感じる。何とか廣岡のソロホームランで１点は返したのだが、中村祐に対してはそれ以外はほぼ完璧にやられてしまった。
それでも廣岡にホームランが飛び出したことは良かったのではないだろうか？廣岡の魅力は何と言っても長打力である。今日のホームランはチームがノーヒットに抑え込まれている中での一発であり、流れが変わるまでには至らなかったが、ヤクルトナインを勇気付ける一発にはなったはずである。外の変化球を強引に引っ張った印象もあるのだが、ああいったバッティングは廣岡の持ち味だと感じるし、相手バッテリーから見ても嫌なのではないだろうか？心身ともに疲弊しているとは思うのだが、ここまではよく頑張っていると感じる。

３連敗で借金生活に突入してしまったが、今の実力から考えればこれまでが出来すぎだった面もあるように感じる。相手チームからも学ばせてもらいながら少しでも喰らい付いていきたい。しかしこのまま広島に走られるわけにはいかない面もあるため、明日のゲームでは中５日での登板となるブキャナンに期待したい。


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