ヤクルト4x-3広島(延長11回)
昨日の試合は面白くないゲームだったのだが、今日のゲームは最高に面白かった。今シーズンは戦力不足は顕著であるのだが、気持ちの入ったゲームは多いように感じる。特にホーム神宮では、ヤクルトファンの声援にも後押しされて良いゲームは増えている。今日のゲームは石川がおそらく今シーズン1番良かったのではないか?と感じさせるピッチングで何とか試合を作り、リリーフ陣もよく踏ん張っていた。逆に野手陣がチャンスで1本を出せずに苦しんだが、個人的には、9回に大引の同点弾が飛び出さなくても、10回に川端の同点タイムリーが飛び出さなくても、11回に坂口のサヨナラヒットが飛び出さなくても「面白かった。」という言葉は使おうと思っていた。そんな思いでテレビ観戦している中で3選手の執念の一打を見る事が出来たため、「面白かった。」から「最高に面白かった。」という表記に変更する事とした。
4月19日の広島戦で9回2アウトランナーなしから追いつかれ、12回2アウトランナーなしからサヨナラ負けを喫したゲームがあった。今日はそのゲームの逆をやってみせた。青木を欠く中でもディフェンディングチャンピオン相手に本当に良く粘って見せた。
過去記事はこちらから→「いつか通らなければならなかったゲーム。個人的には引き分けでも御の字だったが…」
先発に石川に関しては、前回の登板時に「衰えを感じざるを得ない。」と書いたのだが、今日は立ち上がりから石川らしい投球を見せてくれた。4回にバティスタに先制2ランホームランを浴びてしまったが、これまで苦しんできた制球面に関しては、ストレートも変化球も安定しており、5回を2失点でまとめてみせた。勝ちは付かなかったし、球数から行けばもう1イニングは投げてもらいたい気持ちもあるのだが、今の石川の状況からいけば「御の字」のピッチングだったと思う。今日くらいのピッチングを続けられるようだと、もう少し先発ローテで回ってもらえるはずである。どのくらいコンスタントに今日のような投球が出来るだろうか?
石川降板後は秋吉ー近藤ー石山ー中尾と繋いでみせた。9連戦の最後と言う事もあり、秋吉、石山は2イニングを投げてくれた。石山は2イニングス目にバティスタに勝ち越し打を許してしまったが、4投手ともに気持ちの入ったピッチングを披露してくれたと思う。リリーフ陣の戦力不足は明らかだとは思うのだが、どの投手も開幕から本当によく投げ続けてくれていると感じる。前半戦からこれだけフル回転となってしまうと夏場からまた一段と厳しい状況になる事が予想されるが、現在の最下位のチームだけに勝てる試合はとにかく勝ちに行くしかないため、後先考えずにとにかくフル回転してもらう他ないのかもしれない。
打線は青木を負傷で欠く事となり、1番山田、2番上田、3番坂口、4番バレンティン、5番雄平、6番西浦、7番川端、8番中村、9番石川というスタメンで臨む事となった。投手陣の踏ん張りもある中で打線もある程度は機能していたと思うのだが、今日もチャンスで一本が出ず、苦しんだ。石川がきっちり犠打を決めた3回、西浦がきっちり犠打を決め、代打荒木がヒットで繋いだ7回、山田が出塁し、上田が送り、坂口がヒット、バレンティンが四球で繋いだ8回と得点チャンスを演出しながら得点を奪う事が出来なかった。後は選手が応えるしかない場面だったと思うので、仕方なかったとは思うのだが、それでも上記のイニングで得点を奪えていれば、もう少し楽なゲームになっていた可能性はあったのではないだろうか?結局4回に飛び出したバレンティンのソロホームランの1点に抑え込まれてしまい、9回も2アウトランナーなしという状況にまで追い込まれていたのだが、ここで代打大引にまさかまさかの同点ソロホームランが飛び出した。このシチュエーションでの同点弾は私の頭に全くなかったため驚いた。打った瞬間少し上がりすぎたようにも感じたため「どうかな?」と思ったのだが、風にも乗ってレフトスタンド最前列に飛び込んだ。今シーズン初ヒットが値千金のホームランとなった。あれだけチャンスを作っておきながら9回までの得点はバレンティンと大引のホームランのみという事で、野球の難しさや面白さを感じるゲームとなった。そしてこの大引の同点弾から試合が大きく動き始める。
10回の表に石山が2アウトを取りながら、菊池に2ベースを浴びると、バティスタには詰まりながらもセンター前に持っていかれてしまい、勝ち越しを許してしまう。今日は石山のボール自体は走っていたように感じたのだが、菊池、バティスタには上手く打たれてしまった。バティスタを歩かせると言う選択肢もあるにはあったのだが、鈴木を代打に残していたため、バティスタ勝負はやむを得ない選択だったと思う。
しかし今日のゲームはこれでは終わらなかった。10回裏はこの回からマウンドに上がった今村が大乱調で1球もストライクが入らないまま坂口、バレンティンに四球を与え降板となった。マウンドには一岡が上がり、0アウト1,2塁バッター石山という場面を迎えたのだが、ヤクルトはここまでで負傷欠場している青木以外の野手を全員使ってしまっており、代打に風張を起用し、送りバントでランナーを進める作戦に出た。しかし風張は結局スリーバント失敗に終わってしまい、ランナーを進める事が出来なかった。風張の打席での様子を見ているとバントが上手いようには感じなかったため、もしかすると2ストライクを取られるまでは待てのサインが出ていたのかもしれない。どちらにしても1アウトを無条件に与えるに等しい形となってしまったのだが、西浦三振後に今度は川端が執念の同点タイムリーを放ってみせた。今日はサード、ファーストで延長11回までフル出場となったのだが、まだスイングに力強さが感じられず、本来の川端の状態からは程遠いかな?と感じているのだが、今日はいい場面で仕事をしてくれた。決して良い打球ではなかったが、本当に執念でセンター前まで運んでみせた。これで再度同点に追いつくと、11回は2アウトランナーなしから途中からマスクを被る古賀が四球を選んで出塁し、続く坂口がサヨナラタイムリー2ベースを放ってみせた。この回の得点に関しても9回の大引の同点弾同様、田代、山田が打ち取られ、古賀も打てる気配がなかったため、12回での勝負になるかな?と思ったのだが、古賀が何とか四球をもぎ取ると、坂口の打席でカウントが3-2となり、1塁ランナーの古賀が自動的にスタートを切れる状況となった。そんな中で坂口にライト線への2ベースが飛び出した。ホームはクロスプレーになりかけたのだが、スタートを切っていた古賀がよく走って生還してくれた。
9回2アウトランナーなしから追いつき、10回2アウトランナー1,2塁から再度追いつき、11回2アウトランナーなしからサヨナラ勝ちを収めるという非常に粘り強く、また劇的な勝利となった。
私のブログでは活躍の割に坂口のことを取り上げる事が少ないと感じているのだが、今シーズンの坂口は16年シーズン、17年シーズンと比べてもそれ以上に好調を維持している。今日に関しては、3打席目までノーヒットに抑え込まれていながら、4打席目、5打席目で結果を残してみせた。見事なバット捌きで右に左にヒットを量産している。慣れないファーストでの起用が続きながらこれだけの高打率をキープしているのは見事である。ヤクルトに入団して3年目のシーズンとなるのだが、今が全盛期ではないかと感じさせるくらいの状態が続いている。出来る限りこの好調を維持してもらいたい。
GWの最後にいいゲームを見せてもらった。明日からの仕事も頑張りたい(笑)!
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コメント
現地観戦しましたが、私も生まれてはじめて観たような最高に面白い試合でした。
特に大引の同点ホームランは見事でしたし、お客さんもかなり喜んでいました。
これまでスタメンはまだなく、今期無安打でしたが、今期初ヒットがホームランとは。まだまだいてもらいたいです。
腰痛や若手育成を考えると、大引のスタメン試合は多くはないかもしれませんが、また今日みたいな活躍を期待しています。
また、井野のマスク、代打に投手といいものばかり見られてうれしかったです。
個人的に今ひとつ一軍帯同に疑問を感じていた、大引と川端がまさかの大活躍で広島にカード勝越し! 二人とも改心の当たりでは無かったですが、まさに執念でしょうか。打席に立つ前からなんとなく普段とオーラが違った気がしました。いやぁあっぱれです!
その他にも、要所で若干打たれはしたものの、投手陣も先発石川から中尾まで、よく投げてくれたと思います。
最後に坂口ですが、武士のような佇まいで常に手を抜かないプレースタイルが非常に好印象です。一昨年、昨年と微妙に3割には届かなかったですが、今年はこのまま好調をキープして頑張って欲しいです。(川端もヒーローインタビューのコメントのとおり、負けずに坂口のプレースタイルを学び、全身全霊で野球に取り組んで欲しいです。そうすれば徐々に体調も戻り、本来のバッティングが戻ってくるはず!)
年に数回あるうれしい試合の1つで勝つには勝ちましたが喜べる内容ではなかったですね(主力がチャンスを潰してますしね)。
石川が良かったのは風の影響ですかね、シンカーが低めに落ちていたのが要因でしたかね。(今年は防御率悪いのにまだ負けてないのを見るとローテは外せないかもですね)
試合は大引・川端・坂口の活躍でしたが坂口に関して調子は相当いいのであういう場面でも結果を残すのは納得ですよね(坂口は1番~3番の上位で起用して欲しい)
大引と川端は内容は良くないですね、大引は風邪の影響ですし川端は下半身が使えてないので打球に勢いがない、悩ましい起用が今後も続くのは間違いないですね(西浦や広岡も土壇場で打てるようになるとレギュラーの道も近くなるのかなと)
9連戦は3勝6敗でホームでは最低限の5分だったのですが明らかに投手力がないのが分かりますよね、先発はここにきて少しまともになってきたのでハフや原に勝ちがついて小川や山田大が戻ってくれば変わり身の要素はあるかなと、問題は開幕前から不安だったリリーフ陣でカラシティーがすぐには戦力にならない事が分かったので補強をしないとダメですね(アルメンゴはおそらく戻ってこないでしょう)それも出来なかったら二軍にも使えるリリーバーいないですから先発から誰かを後ろに回すしかないですね。
来週から苦手ビジター5試合ですが個人的にはチームが強くなったかの判断はビジターで五分の星を取れるかだと思ってます。
ナイスゲームでしたね!!
昨日神宮のグッズ売り場ですれ違った少年が父親らしき人に
「9回で追いついて延長でサヨナラになるよヤクルト」って話してるのを聞いて
(その時6回あたり)確かに延長にはなりそうだなーと思ってたら
ほんとに少年の予言通りになってしまった(笑)
長時間だったけどあの少年試合最後まで見れたかなー
> 井野ファンさんへ
最高のゲームを現地観戦出来ましたね!
井野がマスクを被る場面もあったので、井野ファンさんにはたまらないゲームになりましたね。
> JEFさんへ
坂口、川端、青木と左のアベレージヒッターが揃うと面白くなりますよね。今は坂口の調子が非常に良いですよね。
> kさんへ
ビジターのゲームでどれくらい勝てるのかは気になりますよね。ビジター5試合どのような数字になりますかね?
> hさんへ
素敵な少年に出会えましたね!その少年もきっと興奮したでしょうね!