曲げて曲げて落として曲げて。苦心の投球で古野1161日ぶりの1勝!

ヤクルト4-2阪神

前回の登板では結果は出なかったがまずまずの投球内容だった古野が、今日は苦心の投球で5回を2失点に抑え、1161日ぶりに勝ち投手となってみせた。バッテリーを組んだ中村も先制3ランに苦心のリードにと古野の勝利に貢献してみせた。

古野は元々球威で抑え込むタイプでも鋭い変化球を武器にする投手でもなく、精密なコントロールを持っているわけでもない。どちらかというと「ないない尽くし」の全てにおいて平均点くらいにまとまった投手である。正直プロの世界で生きていくには最も厳しいタイプの投手と言っても良いのかもしれない。それでも古野は2年に渡るリハビリ生活を終えて、1軍のマウンドに戻ってきた。綺麗なストレートの投球割合は低く、ファストボールでもシュート、カットボールなどでボールを動かし、バットの芯を外しつつスライダー、カーブ、フォークなどで目先を変え何とか相手打者を抑え込んでみせた。最終的には5回で84球を投げ、被安打6与四死球1の2失点でゲームをまとめてみせた。初回以外は毎回ランナーを許し、いつ崩れてもおかしくない投球内容だったのだが、4回に味方のエラーも絡んで失った2点以外は何とか無失点で切り抜けてみせた。迫力不足にある阪神打線、広い甲子園という投手にとってのアドバンテージを目一杯活かした中での勝利だったと思う。タイトルにした通り「曲げて曲げて落として曲げて」掴まる前に何とか5回を投げ切ってみせた。古野ー中村のバッテリーはある程度のピンチ、失点は覚悟しながら上手く試合を組み立てたのではないだろうか?

リリーフ陣は6回から中澤ー梅野ー近藤ー石山と無失点で繋いでみせた。6回を任された中澤は左打者を完璧に抑え込んだのだが、梅野、近藤、石山はピンチを招いてしまい、冷や冷やする場面ばかりだったのだが、最終的には無失点でリレーしてくれた。梅野に関しては、ストレートの質は素晴らしい。まだ高卒2年目でこれだけのストレートが投げ込めるのはそれだけで魅力的である。1つ空振りの奪える変化球をマスターすれば難攻不落のリリーバーに成長するだけのものを持っていると思う。
近藤、石山は開幕からフル回転してくれているだけに打ち込まれてしまっても責める事は出来ないと感じている。近藤も石山も疲れは目に見えており、大量失点をしてしまってもおかしくない状況の中での登板が続いているが、今出来る投球の中で強い気持ちを持ってマウンドに上がり、出来る限り丁寧に投球しようとしている様子が伺える。ここの所石山の状態が良くないのだが、まだストレートは死んでいない。何とかシーズン終了までフル回転を続けてもらいたい。
古野に勝ち星を付けるためにリリーフ陣が気持ちのこもった投球を披露してくれた。

打線は2回に中村の3ランと青木のタイムリーで4点を奪ったのだが、お世辞にも繋がったとは言えず、昨日に続いてスカッとしない展開となってしまった。しかしそれだけに2アウトランナーなしから奪った2回の4得点が大きかった。この回は先頭のバレンティンがヒットで出塁したのだが、雄平がダブルプレーに倒れてしまい、チャンスを逸したと感じたのだが、ここから西浦2ベース、宮本四球で2アウト1,2塁とチャンスを作り直すと中村がメッセンジャーの初球のストレートを狙い打ち、打球はレフトスタンドに飛び込む先制3ランホームランとなった。ヤクルトは上位打線と下位打線の力の差が大きく、下位打線のつながりが大きな課題なのだが、今日はその下位打線で試合を動かしてみせた。中村の狙い打ちは見事だった。
メッセンジャーはこれで動揺したのか、続く古野、坂口が連続四球で歩き、青木のタイムリーでもう1点追加する事が出来た。おまけのような形で奪えたこの1点が終わってみれば大きな1点となった。
正直2回以降は、チャンスで中軸に回っても1本が出ず、重苦しい試合展開となってしまった。リリーフ陣が何とか踏ん張ってくれたから良かったものの、現在のヤクルトの投手陣の状況を考えるとどうしてももっと打線に奮起してもらいたいと感じてしまう。今日ブレーキとなってしまった山田哲には是非明日奮起してもらいたいと思う。

5割に戻すと連敗が続いてしまっていたのだが、今日は勝利を手にする事が出来、ようやく貯金1となった。この貯金を明日以降守って行けるだろうか?

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コメント

  1. 南国燕 より:

    お疲れ様です。
    曲げて曲げて落として曲げる。
    言葉古いですが管理人さん!ナイスチョイスですね。まさしく3年ぶりの勝利投手古野にはピッタリの言葉です。
    この二日間お互い点が入りそうで入らず、歯がゆいゲームが続いていますが明日もこの流れで頑張ってもらいたいですね。
    私自身昨年96敗での成績で今年は5割で御の字と思っております。ペナントレースも終盤になる頃に貯金1をマークしたことを嬉しく思います。
    忙しく大変かと思いますが、このブログファンの一人として応援しています。
    管理人さん明日かも宜しくお願いいたします。

  2. sabo より:

    古野は本当によく頑張った!もともと実績はあまり無いので復帰には焦ってたと思いますが古野自身の頑張りに加え高津2軍監督やスタッフも良く支えてくれました
    最終回の廣岡の好守備はさりげなく大きかったし前日の西浦もそうですが守備がここにきて大きな役割果たしてますね
    今年は近藤石山はこのまま行きそうなのでとにかく野手が攻撃と守備で盛り立てて行きたいです

  3. k より:

    この試合もまさかの展開でしたね、相手のエースと谷間の古野で、しかも中村の3ランで勝つとは流れが良すぎますね。
    古野は前回に比べたら球が低く集まっていたのが2失点に済んだのでしょうね(内容は古野らしく左右高低で何とかしのぐって感じでしたね)
    古野・近藤・石山もランナー出していましたが広い甲子園だから勝てたもので、これが広島なら失点していたでしょうね。
    あと、この2試合は西浦・バレンティン・廣岡・宮本と良い守備で守りきった内容でしたね。宮本はスローイングに不安がある感じなのでサードの守備力は廣岡の方が肩が強くいいですね(ヤクルトも川端・畠山から世代交代が始まったかなと)
    次は山中ですが甲子園では相性が良いですし阪神は左を並べてくると思いますが浜風の甲子園で左打者がライトへの本塁打は難しいのでゲームは作ってくれそうですね、相手の才木はヤクルトは打ててないので四球からチャンス作って適時打が出るかですね(いつもの残塁の山になるかならないかで勝敗が左右されそうですね)

  4. 井野ファン より:

    あの古野が戻ってきたって感じる試合でしたね。また抹消ですが、次の登板も楽しみになりました。
    なんと言ってもあの難敵メッセンジャーに勝利できたのが大きいですね。チームとしても少しはメッセンジャーに対して苦手意識は薄れたのではないでしょうか。
    他にもヤクルトが苦手な投手はまだまだいます。(広島のジョンソン、大瀬良、神宮でない場合の巨人菅野など)これらをどんどん倒すのを目標に頑張ってほしいと思いました。

  5. FIYS より:

    > 南国燕さんへ

    シーズンの中で何度かこのままズルズル借金を重ねてしまうかな?という時期もあったのですが、8月終盤に貯金が出来たことは嬉しい出来事ですよね。

  6. FIYS より:

    > saboさんへ

    古野はよく戻ってきてくれましたよね。球団もよくここまで我慢しましたよね。

    廣岡の守備は私はまだ危なっかしく感じています。9回のプレーもグローブに「入った」という印象です。

  7. FIYS より:

    > kさんへ

    甲子園だからこそのゲーム展開と言う部分はあるでしょうね。

    30日のゲームの推察どんぴしゃですね!kさんの野球ファンとしての分析力の高さを感じます。

  8. FIYS より:

    > 井野ファンさんへ

    古野でメッセンジャーに勝ったことはチームにとっても大きいですよね。

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