本領発揮山中浩史！度胸満点梅野雄吾！

ヤクルト３－１阪神

甲子園での3連戦は投手陣が奮起し3連勝を飾ってみせた。先発、リリーフが噛み合っての3連勝と言うことでチームの雰囲気も良くなるのではないだろうか？先発投手が役割を果たし勝ち星が付いた事、リリーフ陣も役割を果たし先発投手の勝ちを消さなかった事、共に大きかった。

先発の山中は昨日の古野同様、広い甲子園、強い浜風というアドバンテージを最大限に活かした投球を披露してくれたと思う。約1年ぶりの勝ち星とは思えないようなナイスピッチングだった。右バッターには大怪我しないような配球、左バッターにはインハイも効果的に使いながら大胆に攻める配球をしていた印象である。ピンチでの相手のミスに救われた場面もあったのだが、概ね危なげないピッチングだった。7回１／３を被安打７与四死球２の1失点（自責点０）という投球内容は、谷間の先発として十分すぎる投球内容である。フライアウトを重ねる山中らしさ満載の投球となった。

8回に雄平のエラーも重なって1点差に詰め寄られ、なおも1アウト1，3塁という場面でマウンドに上がったのは2年目の19歳梅野だった。阪神が代打に福留を送り、福留、糸井、ナバーロと左が続く場面だったため私はてっきり中澤を起用してくると思ったのだが、ベンチの選択は威力あるストレートが武器の梅野だった。この起用法を見るだけでも首脳陣の梅野への期待値の高さが伺える。梅野はストレートに本来の威力がなく、福留に四球を与えてしまい、1アウト満塁とピンチを広げてしまうのだが、糸井、ナバーロを変化球で打ち取り、このピンチを無失点で脱してみせた。正直直近の登板の中では最もボールが走っていなかった印象もあるのだが、捕手の中村が変化球も駆使して上手くリードしたと思う。そして梅野自身もおそらくボールが走っていない事を感じていたと思うのだが、そんな事はお構いなしに表情を変える事もなく相手の中軸と対峙する事が出来ていた。まだまだ幼い顔も残った19歳なのだがいい面構えをしている。打者に向かって行けるハートの部分はやはりリリーフ向きではないだろうか？度胸満点の投球だった。
9回は5連投となった石山がしっかり試合を締めくくり、チームを5連勝に導いてみせた。この5試合毎回苦しい投球だったのだが、それでもしっかり試合を締めくくれているのだから石山はクローザーの役割を果たしてくれていると言える。苦しい時期だが良く粘ってくれている。

打線は阪神先発才木の前に苦しんだ。初回のチャンスでバレンティンがダブルプレーに倒れてしまうとその後は才木が見事な投球を披露し、攻略の糸口もつかめないような状況が続いていたのだが、5回に四球とエラーで1アウト1，3塁のチャンスをもらうと坂口が犠牲フライを放ち、ノーヒットで先制する事に成功すると7回にも四球とエラーでノーヒットで2アウト満塁のチャンスを作ると青木が追い込まれながらもレフトにタイムリーを放ち、貴重な2点目を奪ってみせた。才木の前に全くタイミングの合っていなかった青木だったのだが、大事な場面でしっかりアジャストしてみせた。「流石」の一言である。
9回には坂口にタイムリー2ベースが飛び出し、３－１で逃げ切りに成功してみせた。正直今日のゲームは阪神のミスに助けられた印象なのだが、そのミスをしっかり得点に繋げる事が出来たという意味では良いゲームが出来たのではないだろうか？

P．S　３－１というロースコアのゲームではあったのだが、両チームにミスもあり、今のセリーグが広島1強であることを感じさせるようなレベルのゲームであったとも思う。それでもヤクルトの梅野、阪神の才木、望月とまだ20歳そこそこのパワーピッチャーがそれぞれ存在感を示すゲームとなった。こういった潜在能力の高い若手ピッチャーをしっかり育てていかなければパリーグとの実力差は中々縮まらない。梅野や才木や望月は数年後チームやリーグを代表するような投手に成長する事が出来るだろうか？


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