プロボクシング主要団体の王者らが参戦して階級最強を決める「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)」が7日、横浜アリーナで開幕。バンタム級トーナメント1回戦でWBA世界同級王者の井上尚弥(25=大橋)が、元WBAスーパー王者でWBA同級4位のフアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)に初回1分10秒でKO勝ちし、準決勝進出を決めた。また、WBA世界同級王座の初防衛にも成功した。井上尚の通算戦績は17勝15KO無敗。
(スポニチアネックス引用)
これまでも井上の強さに触れた記事はいくつか書いてきた。→「井上尚弥をどう見る?」、「井上日本人最速王者に!八重樫はロマゴンと!」、「ボクシング界にスーパースター誕生!その名は井上尚弥!」、「井上尚弥圧巻のV’7」
正直強過ぎて何を書いて良いのか分からないレベルのボクサーである。バンタム級に階級を上げてからのマクドネル、パヤノ戦の連続1ラウンドKO勝利には戦慄が走った。「戦慄が走る」という体験はスポーツ観戦が趣味である方にとってはよくあることだと思うのだが、応援している選手の相手選手だったり、応援しているチームの相手チームに対して抱く事が多い感情だと思っている。しかし井上に関しては、ここ2試合、圧倒的な勝利を飾ってくれたのだが、その勝利に興奮するという感情よりも「恐ろしいボクサーだ。」という恐怖のような感情が先走ってしまった。こんな経験は中々出来るものではない。
「WBSS」という大舞台に日本人ボクサーが名を連ねているだけでも凄い事なのだが、井上の場合はこの舞台の主役となっている。8人のボクサーはバンタム級では名の通ったボクサーばかりであり、井上が本当に勝ち抜けるのか?という思いも持っていたのだが、パヤノを一撃で粉砕するとは恐れ入った。こういったトーナメント形式の舞台がなければ、井上の相手選びが難航するというのもよく分かる勝ち方であった。
少しだけ今日の試合を振り返りたい。パヤノはアテネ、北京でオリンピックに出場しているオリンピアンであり、プロでもバンタム級で世界王者になっている実績十分のボクサーである。アマ実績があり、ボクシング技術が高く、それでいて泥臭いボクシングも出来る曲者である。井上が実戦経験の少ないサウスポーと言う事もあり、井上が苦戦する事だって考えられた中での試合だった。
パヤノは初回から右ジャブで距離を取りながら、ボディを放つなど、試合の主導権を握りに行った。私の序盤の印象は「やっぱりサウスポー相手という事もあって距離が遠いな。井上も慎重に立ち上がったから少し長引く可能性もあるかな。」というものだった。しかし1ラウンドも1分が過ぎたところで試合は唐突にフィナーレを迎えた。井上の左ジャブからの右ストレートが物の見事にパヤノの顔面にヒットし、パヤノはそのままキャンバスに沈んでしまった。「距離が遠いな。」と感じていたのだが、その距離をあっと言う間に潰して、強烈な右ストレートをヒットさせてみせた。こんな綺麗に決まるワンツーは中々お目にかかれるものではない。全く立ち上がれそうにないパヤノを見た瞬間、私には戦慄が走ったのだ。
負ける姿が想像できない日本人ボクサーが現われる事自体を想像する事が出来なかった。日本人歴代№1ボクサーは井上尚弥で間違いないだろう。
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