正捕手争いが面白い

今日は正捕手争いについて触れていきたいと思う。今シーズンの個人的なポイントとして「捕手の起用法」というものを挙げさせてもらった。過去記事はこちらから→「2019年シーズンのポイントは？」
2015年のリーグ優勝の立役者の1人である中村がステップアップしてくれると信じて疑わなかったのだが、2016年シーズン以降打撃で悩んでいる様子が見受けられ、チームの成績も下降気味となり、苦しいシーズンが続いている。捕手としての総合力と言う意味ではヤクルトの捕手陣の中でも一歩リードしていると感じるのだが、オープン戦では今年も打撃に苦しんでいる様子が見られる。この打撃面でのスランプを脱出する事が出来れば不動のレギュラーとなる可能性もあると思うのだが…ここから状態を上げる事が出来るだろうか？

そんな中で中村の背中を必死に追いかけているのが松本と西田である。中村28歳、西田26歳、松本25歳と年齢も近い3人が激しく火花を散らしている。
松本はアマチュア時代からその強肩が評価されてきたのだが、今年のキャンプ、オープン戦ではその強肩を活かした盗塁阻止で評価を高めている。もちろん練習試合やオープン戦は公式戦ではないので、公式戦とは違ったシチュエーションで実験的に盗塁を企図する機会も多いのだが、それらの盗塁をことごとく刺す事が出来ているため、他の球団も「松本の肩には要注意」という雰囲気が出始めているのではないだろうか？ソフトバンクの甲斐の様に相手の盗塁の抑止力になるような存在感が出てくれば、中村から正捕手を奪取する可能性もなくはないのではないだろうか？盗塁阻止という部分は捕手にとって重要なアピールポイントになるはずである。首脳陣、投手陣、そしてファンへ大いにアピールしてくれている。松本の強肩は「実戦で使える肩」である。

西田も少ないチャンスながら打撃でアピールを続けている。2016年に一旦は長所の打撃を活かして出場機会を増やしていたのだが、中村が苦しんでいる際に西田も同様に足踏みをしてしまったため、出場機会を減らしてしまっていた。ファーストをメインとして打撃力を活かす道もあったと思うのだが、現状ではあくまでも捕手で勝負する事になりそうである。パンチ力のある打撃が戻ってくれば西田にもチャンスはあると思う。「打てる捕手」というアピールポイントばかりが目立つのだが、西田も中村同様高校時代から捕手としての佇まい、雰囲気を持った捕手であり、決して守備の評価が極端に低い選手ではない。もう一度中村、松本辺りと激しく競ってもらいたい。

現在は上記の3人が1軍でのオープン戦への出場を重ねているのだが、昨シーズン原とコンビを組み、キャリアハイの成績を残した井野も2軍でしっかり実戦でマスクを被っている。

開幕時にはおそらく上記の4人で３つの1軍枠を競い合う事になりそうである。総合力の中村、強肩の松本、打撃の西田、いぶし銀の井野とタイプの違う捕手の争いは面白くなりそうである。また中村以外の捕手が1軍である程度使えそうだと言う目処が立てば、ゲーム終盤に捕手に代打を送る事が出来るという選択肢が増えるはずである。今シーズンのヤクルトには相手に嫌がれるような野手がベンチに残っている可能性が高いため、8番、9番に連続で代打を出し、勝負に出る場面が見られるかもしれない。

小川監督をはじめとする首脳陣が捕手の起用法についてどんなプランを持っているのか気になるところである。


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