ヤクルト1-0広島
ヤクルトピーターズ、広島床田の両左腕による投手戦となったのだが、試合を決めたのはオスナの一発だった。前日の河野もそうだったのだが、今日も代わったばかりの島内から見事なホームランを放ってみせた。膠着状態のゲームを助っ人外国人選手の一発で動かすという場面は何度も見てきているのだが、今日のオスナの一発はまさしくそんなシーンとなった。
新外国人投手のピーターズはオープン戦から安定した投球を披露していたのだが、初のNPB公式戦のマウンドということで緊張もあっただろうし、不安もあったはずである。それでも先頭の菊池に大きな当たりを浴びながらもライトの内山が好捕し、1つアウトを取った所から、自分のペースで投げることが出来ていた印象である。オープン戦時に感じた印象と同様に、安定したフォームからストレート変化球をコントロール良くまとめ、広島打線に的を絞らせなかった。よい意味で日本人的なサウスポーという印象であり、フォームも綺麗だし、コントロールも安定している。右打者相手でも左打者相手でも抑えるための術は持ち得ており、ランナーを許した後の投球も大きな課題は見当たらなかった。勝ち星が付かなかったこと以外は、ほぼ満点の投球になったのではないだろうか?開幕2戦目を任された新戦力のピーターズがいきなり好投してくれたことは、チームにとって大きな収穫になったはずである。
7回からは、石山ー清水ー田口と1イニングずつ無失点に抑え、1-0という僅少差のゲームを拾ってみせた。1点をリードした直後のイニングを任された清水は、先頭の坂倉にヒットで出塁を許す苦しい投球となったのだが、続く小園の送りバントを落ち着いたフィールディングで処理し、進塁を防ぐと、続く代打田中の場面でもエンドランを阻止し、ピンチを広げずに切り抜けてみせた。この辺りは清水だけでなく、WBCで世界を制した中村の存在も大きかったのではないだろうか?特に1アウト1塁、カウント3-1からのエンドランに関しては、カウントも悪くしており、守備側としては非常に難しい場面だったのだが、上手く守り切ってみせた。四球が許されない場面で清水も中村も本来であればストレートを投げたくなる場面だと思うのだが、ストライクコースへのフォークで空振りを奪い、スタートを切っていたランナーも刺してみせた。フォークを投げ切った清水、フォークを要求し、スタートを切ったランナーも刺した中村、どちらも一流のプレーだったのではないだろうか?
9回はおそらく今日の時点では新守護神になると思われる田口が広島打線をしっかり三者凡退で片付け、今シーズン初セーブを上げてみせた。田口は昨シーズン毎試合痺れる場面での登板を経験してきた実績がある。メンタルの強さは、クローザーとしても活きてくるかもしれない。今日も1-0という厳しい場面での登板だったのだが、自分の役割をしっかり果たしてみせた。
打線は広島先発床田の前に苦しむ展開となった。昨シーズン走塁中に大けがを負い、その後シーズンを棒に振ってしまったのだが、今日の投球を見る限りでは、怪我前の状態に近いコンディションを作り上げているように感じた。前日の試合で結果を残した山田、村上のWBC組も完璧に抑え込まれてしまい、得点のチャンスすらほとんど作らせてもらえなかった。
それでも投手陣が無失点で踏ん張り、0-0というスコアのまま床田がマウンドを下りると、3番手でマウンドに上がった島内のストレートをオスナが捉え、打球はレフト最前列に飛び込む先制ホームランとなった。打った瞬間は「少し詰まらされているかな?」とも感じたのだが、打球は大きな弧を描いて、そのままレフトスタンドに飛び込んだ。剛腕タイプの島内は先発の床田とは違ったタイプであり、左右の違いもある。そんな中で島内の力のあるストレートに対して初球からスイングを掛け、しっかりコンタクト出来たということは、オスナがしっかり事前に準備が出来ていることを伺わせてくれた。代わり端の投手の得意のボールを捉えるということは簡単ではないのだが、昨日、今日と完璧に捉えてみせた。おそらくラッキーパンチという類のものではなく、しっかりデータなどを頭に入れ、整理した中で打席に入っていたからこその一発だったのではないだろうか?
投手ではピーターズ、野手ではオスナと助っ人外国人選手の活躍で勝利を拾ってみせた。今日のようなどちらに転んでもおかしくないような僅少差の競り合いをどれだけモノにすることが出来るだろうか?こういうゲームを数多く拾うことが出来るのならば、今シーズンも優勝争いには絡めるはずである。
新井新監督が就任したばかりの広島は、まだチーム作りの途中という印象があり、攻守ともに少しバタついている印象がある。チームが出来上がってくる前にしっかり勝利を重ねておきたい。
明日の先発であるルーキー吉村にも大いに期待したい。
P.S 今日は星がベンチ外でしたね。どういう理由でベンチ外だったのかは分かりませんが、戦略的なことなのであれば、今後のブルペン陣の起用法に一段と注目していかなければなりませんよね。
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コメント
このいい流れでルーキー吉村がどんなピッチングをするか注目ですね!
アームさんへ
ピーターズ、吉村と新戦力がきっちり役割を果たしてくれましたね。
ピーターズは両スアレスやハフなどチーム編成が組もうとした助っ人の先発左投手がついに当たった気がします
このままローテーションを守っていってほしいです
田口がクローザーみたいですね
剛腕タイプでは無いですがスライダーとフォークで三振取れるし良いと思います
連投の時は星か清水とスイッチになるのかな
saboさんへ
アンドリュー・スアレスも、この日のピーターズくらいはやれると見ていたんですけどね…ピーターズは私が好きなタイプなので、このままコンスタントに結果を残してもらいたいですね。
田口を基本線にしながら、休ませる時は日替わりクローザーという形ですかね?