2023ヤクルトのドラフト(1)

ドラフト


今年もドラフト会議が迫ってきている。今年は、10月26日に行われる予定になっているため、後1か月と少しである。このブログでは、毎年ドラフトに向けての事前記事を書いてきているため、今年も記しておきたいと思う。私なりに今年のヤクルトのドラフトのポイントをいくつか挙げてみたい。
昨年の記事はこちらから→2022ヤクルトドラフト指名選手 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)

2023年ヤクルトのドラフトのポイント
①山田、塩見、村上の後継者候補の指名
②嘉手苅、竹山、坂本の競争相手(将来の先発候補)
③即戦力リリーバー
④捕手の指名はあるか?

上記の4つに絞ってみたい。

①については、昨年西村、澤井、北村という打撃に特徴のある選手を3名指名したように、フロントも危機感を持って手を打っていることが伺える。チーム力の向上という意味で即効性が高いと思われるのは、即戦力投手の指名ではあるのだが、山田の年齢的な衰え、塩見の怪我の多さ、村上のメジャー移籍というものが現実的になっている中で、野手の主力候補を育てていかなければならないという大きなミッションが球団に課せられている。もちろんドラフト以外にも外国人選手の補強やFA補強、トレードなどといったことも合わせて考えていかなければならないのだが、チームを作っていく際にドラフトが非常に重要になってくることは間違いない。
個人的に注目している選手は、度会(ENEOS)である。昨年のドラフト記事を読んでもらえば分かるのだが、私は昨年のドラフトの1番のポイントに「1位入札は矢澤?蛭間?浅野?それとも…」というものを挙げさせてもらった。昨年は、珍しく外野手のドラ1候補が3人いたため、ヤクルトもこの3人のいずれかに入札しても良いのではないか?ということを書かせてもらった一方で、2023年に度会を狙うのであれば、即戦力候補の投手への入札を考えても良いのではないか?ということも書かせてもらった。実際には、昨年のドラフトでは即戦力候補の投手として吉村に入札し、見事一本釣りで獲得した経過がある。その時点で私は、今年は度会を優先してもらいたいという希望を持っていた。
度会は、父親が元ヤクルトの度会博文であることも有名であり、このブログでも1度取り上げている。
元気印!度会博文 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
この記事の中で当時横浜高校に在籍していた度会隆輝のことにも触れている。横浜高校時代からそのバッティングセンスは注目を集めていた。この年のドラフト時にもプロ志望届を提出していたのだが、度会がプロの球団に指名されることはなかった。しかし社会人の名門ENEOSでライトのレギュラーを獲得すると昨年は都市対抗野球で橋戸賞を受賞するなど、パワーアップした姿を見せてくれている。プロに入るとおそらく守備、走塁は平均レベルであり、抜きん出たものはないと思われるのだが、それでもその打撃は魅力的である。個人的には1位入札は、この度会か、もしくは佐々木麟太郎(花巻東)の2択だと考えている。将来の野手の主力候補への入札を希望する。

②については、22歳以下の投手(市川や奥川まで加えても良いが)で良い意味での競争を促してもらいたいと感じている。ここ3年という括りでは、20年は嘉手苅(育成で下)、21年は竹山、22年は坂本と本ドラフトの中では、高卒投手の指名は1名に留まっている(19年も奥川のみ)。高卒という部分に拘る必要はないと思っているのだが、切磋琢磨する良いライバル関係を作るという意味では、今年のドラフトでの高卒投手の指名は必須だと思っている。上記の指名選手に関しては、嘉手苅は6位指名、竹山は5位指名、坂本は4位指名といずれも下位での指名である。どちらかというと素材を評価されて指名された選手である。この3人に刺激を与えるためにも、実力派の高校生投手の指名があっても良いと感じている。前田(大阪桐蔭)、東松(享栄)、坂井(滝川二)、木村(霞ヶ浦)辺りが高く評価されている印象だが、ウェーバー順が早く回ってくる2巡目で高校生投手の獲得に向かっても良いと個人的には考えている。
今年は、大学生に実力派投手が複数人存在しているため、そちらを指名したい誘惑にも駆られると思うのだが、現有戦力である高橋、吉村、奥川、山下辺りに期待して、将来性を見込んだ指名を優先するという手もあると思っている。

③については、来シーズンも高津監督が指揮を執ることになったため、これまでの高津監督の投手運用を考えると、リリーフの枚数を増やしたいという思いがあると思っているため、ポイントに挙げさせてもらった。リーグ優勝を果たした昨シーズンに関しては、上手く回っている時期は、勝ちパターンとそれ以外のリリーバー合わせて高いレベルで8枚の投手が揃っていた時期がある(マクガフ、今野、清水、石山、田口、大西、木澤、コール)。高津監督は、高いレベルで投げられるリリーバーを揃えることによって、リリーフもある程度ローテを組むような感覚で負荷を減らすマネジメントを理想としているように感じている。そうなるとどういったタイプであっても即戦力でリリーフがこなせる投手は獲得したいという現場からの希望が出ているのではないだろうか?
現状外国人投手3名が全員先発要員となっている部分も見逃せないと感じる。個人的には外国人投手にはリリーフを担ってもらった方がチームが安定するという印象を持っているのだが、サイスニード、ピーターズ、ロドリゲスともにもし来季もヤクルトでプレーするようであれば、タイプ的には3名ともに先発起用の可能性が高いと感じている。そういう意味でも1人は即戦力リリーバー候補の指名があるのではないだろうか?

④については、現在ヤクルトに在籍している捕手の中で、シーズンオフにチームを離れる選手が出てくるか、出て来ないかで状況は変わってくると思っている。もしチームを離れる捕手がいないようであれば、今年のドラフトでは、捕手を指名せずにその分を別の枠に使うという手もあると思っている。ドラフトの指名人数は、現在在籍している選手がどの程度退団するかによって変わってくるのだが、個人的には、今年のドラフトも昨年同様、5~6名の指名になってくると思っている。その中に1名捕手の指名を考えるかどうか?という部分は今年のヤクルトのドラフトのポイントの1つになってくると思われる。捕手を獲得するということであれば、高校生を指名する可能性が高いだろうか?よく名前を聞くのは、堀(報徳学園)、鈴木(常葉大菊川)辺りなのだが、どうなるだろう?

一応今日の時点でのヤクルトのドラフトの注目ポイントは上記の4点とした。正直大学生投手で楽しみな選手が多いため、そちらをポイントとして挙げたい気持ちもあったのだが、冷静にチームを見てみると主軸候補の野手、将来のエース候補の育成の方を優先するべきかな?という結論になった。
今後も随時ドラフト関連の記事は書いていきたいと思っている。このブログの読者の方は、ドラフトの記事を楽しみにしている方も多いようなので、皆さんからのご意見も頂き、皆で議論が出来れば面白くなるのかな?と感じている。ブログのコメントでもX(旧Twitter)でも良いので、ドラフト関連のコメントもお待ちしています。

P.S 今年のヤクルトのドラフトを考えた時に、「長岡の存在は大きいな。」ということを感じることが出来ました。①のポイントを考えた時に、今年のドラフトだけではどうすることも出来ない部分があると感じるのですが、まだ大学4年生の年代にあたる長岡がしっかり守れるショートとしてレギュラーを確保してくれていることで、今後野手の指名については、思い切った指名が出来るのでは?と感じています。個人的には、来年は宗山(明大)が№1候補なのですが、色々と幅は広がるのかな?と思っています。




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コメント

  1. sabo より:

    もともと野手の当たり年ではと言われてましたが1位候補と呼ばれる投手がズラズラ現れてきて改めて投手は毎年出てくるものだなと感じました
    そういう意味でも1位は野手行ってほしいし、個人的にも渡会(ENEOS)推します
    走塁と守備が未知数な部分がありますが50m6秒フラットと遠投105mというカタログスペックを信じるならばフィジカル面では全く問題ありません。優秀な部類です。練習さえ積めばセンターでもセカンドでも十分。
    あと橋戸賞といえば最近なら阪神近本がいますから期待大です。あと最近で都市対抗で賞をもらって活躍した野手といえば楽天小深田やオリックス福田でしょうか。即戦力の可能性を感じますね。
    しかも渡会には若さがあるし、期待しかありません

    佐々木(花巻東)はあのスイングスピードを見ると村上のあとを任せたくなりますが、個人的にはフォームが好みでなかったりします。足ひねり過ぎじゃないかなと。あくまで趣味の問題なので1位指名でも全く問題ありません

    個人的には上田希由翔(明治)が良いと思ってます。ポイントが後ろにあって外角も苦にしない感じが良い。スっとバットが出る感じがプロっぽい気がします。あの体格で盗塁出来る足(50m6秒フラット)があるのも良いですね

    • fiys より:

      saboさんへ

      度会、佐々木、上田希辺りは、1位候補として名前が挙がってきそうですよね。ヤクルト関係の記事で度会の名前をあまり見ない印象なのですが、1位入札の可能性はありますかね?もう少しドラフトが近付いてくれば、情報も出始めますかね?

      • sabo より:

        ヤクルトのスカウト記事で度会が出てきてませんが私は七割以上の確率で度会を一位指名すると思ってます。やはり縁故は強い……というより人間心理的に指名見送りして活躍されたときの心理的リスクがあまりに大きすぎると考えます。オリックスが太田椋を一位指名したのも同様です。勿論、本人の素質がドラフト一位レベルと評価されてることが前提ですが、度会は結果も残したし今年のドラフト一位候補のメンツは結局突き抜けた選手はいなかったと思うので心理的リスクは大きく働くと考えます。

        ここまで言って常廣選手など投手指名したら(笑)

        そういえばリリーフ投手の指名もありそうですよね。特に大学社会人の即戦力期待はありそう。
        都市対抗野球でENEOSと対戦したバイタルネットの江村投手とか良さそうではないですか?左で速いしカットとスライダーのキレを見るとリリーフなら左殺しだけでなく右打者でも通用しそう

        • fiys より:

          saboさんへ

          太田椋の1位指名は確かにそういった面もあったかもしれませんね。面白い見方だと思います。度会自身が今年目立った活躍をしていないので、報道量が少なくなっている部分もありますかね?もう少しドラフトが近付いてくれば色々と情報が入ってくるでしょうね。
          江村はピンポイントの指名という意味では面白いですね。年齢と制球力という部分をスカウトがどう見るか?という所ですかね。

  2. 超匿名 より:

     相変わらず投手力が足りないチーム状況ではありますが、私もfiysさんとsaboさん同様に今年は野手の指名に向かってもらいたいと思っていまして、その候補は度会であって欲しい。しかし私のいい加減な予想では、野手指名の場合は村上を獲得した年に清宮を指名したので、その清宮以上のホームランを放った佐々木をスルーして度会を選ぶ気がしません。仮に佐々木の交渉権を得た場合、三位指名の順番が遠いことから二位は度会が残っていても投手でしょう。度会と縁があるならばおそらく競合となる佐々木の抽選を外した場合かなと思っています。果たしてどうなるか一月の後を楽しみに待ちたいと思います。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      佐々木がプロ志望届を提出するかしないかで、今年のドラフトの流れは大きく変わりそうですよね。
      saboさんや超匿名さんも野手への入札を希望しているということは、そういった考えのヤクルトファンは多いのかもしれませんね。

  3. sabo より:

    渡会の視察記事が出ましたね。ヤクルトは4人体制とのことで最有力だと思われますがさてどうなるでしょうか

    • fiys より:

      saboさんへ

      この手の情報は、今後増えてきますからね。この報道だけで最有力とは言えないのではないでしょうか?

  4. sabo より:

    そうですね。情報戦が始まるのもこれからですし、秋に伸びる選手調子崩す選手含めてこれからですね

    ここにきて佐々木麟太郎の海外留学説も浮上してきましたね。佐々木の動向は全球団に影響するのではないでしょうか

    今年のドラフトはヤクルトにとって指名順を考えれば2位までが自由度が高い(ポジション、年齢)。逆に言えば2位までがドラフト評価の一つになるでしょう。
    個人的には野手が欲しいですが、高津監督としては左のリリーフが喉から手が出るほど欲しいと思うのでサウスポーを探しました。
    正直今年のドラフトは投手豊作と言われてますが左腕があまり出ませんね。(素人意見ではありますが)圧倒的な即戦力に見える左腕は細野(東洋大)だけかと。あとは古謝(桐蔭大)と武内(国学大)は1年目から出てこれそうな完成度は感じます。滝田(道都大)と高(大商大)はポテンシャルは素晴らしいですがちょっとクセのある感じでリスキーに思えます。
    ①佐々木や渡会を諦めても細野を1位で指名するか
    ②または残りの4人は誰か2位までに残って獲得チャンスがあると思うので「そこで他の高評価の右投手を諦めてでも」左投手を獲得するか
    この辺り、希少な上位指名を使って左投手を獲得するか注目してます。2位で古謝か武内ならベストですけど……そんなに上手くいくかどうか

    ただ本音を言えば上位は野手優先で下位指名で社会人左腕狙ってほしい。
    一番獲得してほしいのは森田駿哉(Honda鈴鹿)。球は速いし制球は良いし年齢以外弱点無い。年齢がネックですけど今のヤクルトにとって目標は来年の優勝であり5年後花開く投手より今活躍してくれる投手が至上命題なのだから獲得してほしいですね
    続いては藤村哲之(東芝)。大卒社会人3年目ですけど吉村の成功が後押しになれば。制球が良いのが良いですね

    もちろん尾崎(法政大)や石原(明治大)なども良いと思います(ただ指名順がなぁ)

    • sabo より:

      載せ忘れましたが即戦力候補狙いに絞って高校生は除きました。前田や東松を(上位)指名する余裕は無いかと

      • fiys より:

        saboさんへ

        高校生投手の獲得に向かってもらいたい気持ちはあるのですが、どうなりますかね?

        • sabo より:

          高校生投手は近年同様3位以下で獲得がありそうですが、ただ今年は5位か6位ということで焦りもあって少し優先順位を落ちる気がします。

          ただヤクルトにとって3位4位は指名順的にポジションや即戦力よりも運よく残ったリストの一番上を指名することになりそう。内山指名の時のように強運が舞巡るかもしれない位置ですね

          • fiys より:

            saboさんへ

            個人的には2位で高校生投手という指名を期待している部分もあるのですが、確かに現実的ではないのかもしれません。ドラフトは生き物なので当日の流れによっても選択肢が変わってくる可能性はありますが、どうなるでしょうね。

    • fiys より:

      saboさんへ

      佐々木の動向は、気になりますよね。プロ志望届を出しますかね?

      私は、ブログで書いた通り、将来主軸となる野手、投手の獲得を優先してもらいたい気持ちがありますが、次回のドラフト記事には、即戦力投手を1位、2位で獲得するパターンもあるのか?という部分に焦点を充てて書いてみたいと思っています。やはり魅力的な投手が多いですよね。

      • sabo より:

        次の年に佐々木 泰(青山学院大)か西川 史礁(青山学院大)を指名するつもりなら今年ダブルで投手も考えられますね

        あとヤクルトは編成上指名は無いと思いますが宮崎 一樹(山梨学院大)の評判がえらい良いみたいですね。他のドラ1候補の野手を退けて12人の中に入る可能性を感じます

        • fiys より:

          saboさんへ

          宮崎の評価が上がっている要因の一つに塩見のプロでの成功という部分があると思います。高い身体能力を野球に活かせるかどうか?という部分が宮崎の課題になりそうですよね。

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