私は、毎年シーズン前に私なりのヤクルトのポイントを挙げさせてもらっている。以前は、オールスター休み期間に振り返り記事を書いていたのだが、ここ数年は振り返り記事を書いていなかったはずである。しかしFIYSなりにポイント記事を書いている以上は、出来ればシーズン後に振り返り記事を書いてみたいと思っていた。おそらくシーズン前に挙げたポイントをシーズン後のタイミングで振り返ったことはなかったと思うのだが、今年は、このタイミングで振り返ってみたい。
まずは過去記事に目を通して見て下さい。
「2024年シーズンのポイントは? | ヤクルトファンの日記」
それでは、ポイントごとに振り返ってみたい。
①村上、山田、塩見のスタッツ
・21年、22年の連覇に大きく貢献し、代えの利かないこの3選手の活躍がヤクルトの優勝には欠かせないと思っていた。やはりこの3選手が機能すれば、他球団にとっては脅威になるはずだったのだが、そう簡単に3人が揃うということはなかった。それぞれの数字を振り返ってみよう。
村上
143試合 500打数122安打 打率.244 33本塁打 86打点 10盗塁
山田
110試合 385打数77安打 打率.226 14本塁打 39打点 1盗塁
塩見
31試合 101打数27安打 打率.267 3本塁打 8打点 3盗塁
上記の通りである。
村上に関しては、昨シーズン大きく数字を落としてしまい、そこからの復調を願っていたのだが、前半戦は、前年と同じようなバッティングを繰り返してしまう姿が目立った。素人目には、しっかりボールを選ぶことが出来ており、強いスイングも出来ているように感じるのだが、とにかくバットにコンタクトしない場面が目立ってしまった。もがきながら最終盤にようやく安定感を感じさせ始めたのだが、21年シーズン、22年シーズンのようなチームを救う4番の姿は見られなかった。それでも「投高打低」と言われたシーズンで33本のホームランを放ち、本塁打王のタイトルを獲得したこと、最終戦で足を怪我してしまったものの143試合出場し続けたことは立派である。
山田に関しては、今シーズンはシーズン前の練習試合、オープン戦から下位打線に配置されることがあり、高津監督をはじめとする首脳陣の山田に対する期待値にも変化が起こり始めていることを感じながらシーズンが始まることとなった。山田自身は、おそらくそういった首脳陣の評価を理解しながらも、結果で見返してやろうという思いは持っていたはずである。開幕戦の第1打席での2ベース、その後の走塁に今年にかける思いが伝わってきた。しかし、その積極的な走塁を見せた直後に下半身のコンディション不良を訴え、開幕戦でいきなりチームを離脱することになってしまった。ベンチ裏で涙を流していたとの報道もあり、山田自身大きなショックを受けていたことが伺えた。復帰後は、本来の姿ではないものの何とか1軍に帯同し続け、最終的には110試合に出場したのだが、最後まで打率は上がってこなかった。「本来の姿ではない」という言葉を使わせてもらったのだが、この姿が「今の山田の姿」であることも確かである。年齢的にもここからコンディションを整えて、数字を上げていくことは簡単ではないはずである。来シーズンの山田にも大きな期待を掛けることは危険なことだと考える。
塩見は、腰痛から復帰した直後に左膝の前十字靭帯と半月板を損傷してしまい、そのままシーズンを終えることとなってしまった。塩見も山田同様、年齢的にもここからどこまで復調できるか不透明な部分がある。全力プレーの中で怪我を負ってしまったことは仕方ないことなのだが、塩見が31試合しか出場出来なかったことは、チームにとっては大きな痛手となってしまった。
終わってみれば、23年シーズン同様かそれ以上に3選手にとっては苦しいシーズンとなってしまった。やはり今年のヤクルトに関しては、この3選手の活躍がなければ、上位進出は難しいチームだったということになるのだろう。
②投手陣のやり繰り
・投手陣のやり繰りについては、ある程度計算出来ると見ていたサイスニード、小川、清水、田口の状態が上がらなかったことが、まずは誤算となってしまった。
サイスニードは開幕投手を務めたものの中々結果が残せず、後半戦は打ち込まれる姿が目立ってしまったし、小川もコンディション不良もあり、先発ローテを守ることが出来ず、イニング数自体も伸ばすことが出来なかった。
リリーフでは、清水、田口という制球力に優れた大崩れしない投手が2枚揃っていることはヤクルトのストロングポイントであると考えていたのだが、田口はコンディション不良、清水は勤続疲労もあったのか、これまでの安定感のある投球が影を潜めてしまった。個人的には、この2人の不振が非常に痛かったと感じている。清水、田口の2枚を中心にその他のリリーバーは高津監督お得意のやり繰りで何とか形を整えれば、ある程度のリリーフ陣が出来上がると思ったのだが、清水、田口の両者が思うような投球が出来ないとなれば、リリーフ陣の役割固定も出来ず、苦しいシーズンとなってしまった。それでもロドリゲスや丸山翔などの飛躍、リリーフに転向した小澤の奮闘、山本の2年続けての好投、実績組の大西、木澤、石山などの粘りもあり、最終的には、来シーズン以降に希望を見出せる状況でシーズンを終えることは出来たのではないか?と感じている。
シーズン前は、計算出来るとは言い切れなかった山本や小澤、丸山翔らが結果を残したことで、来シーズンは今シーズン以上にある程度計算出来る投手の枚数は増えそうである。この辺りの運用は、高津ヤクルトの特徴の1つだと感じている。
先発陣でも吉村がエース格に成長したこと、高橋が苦しみながらも何とか後半戦で状態を上げ、イニングを稼いでくれたことは来シーズンに繋がりそうである。
投手のやり繰りについては、様々な意見があると思うのだが、私は、あくまでも選手個人の登板過多を避けながら継投を考えている高津監督のやり方には賛成の立場を取っている。これだけ苦しいシーズンになりながらも目先の1勝に捉われずに采配をふるう高津監督は、ヤクルトとNPBに新しい風を吹き込んでくれている。
③若手野手の突き上げはあるか?
・この部分に関しては、一気にレギュラー奪取を狙えるのは、捕手の内山かな?と見ていたのだが、内山はコンディション不良に苦しみ、1年通して苦しいシーズンとなってしまった。
その他の選手では、丸山和、赤羽が惜しかった。丸山和は、守備範囲の広さとスローイングの強さという特徴を存分に発揮し始め、守備で結果を残すと打撃面でも成長した姿を見せてくれた。コンディション不良もあり、レギュラー奪取までは至らなかったのだが、自分の色を出し始めた印象がある。
赤羽は、打撃面で結果を残し、「さあ、ここから。」という時に死球で手を骨折してしまい、おそらくNPB入り後最大のチャンスを逃してしまった。死球で骨折する直前には、スタメン出場が増え、打撃面でもヒットを重ねている最中だっただけに、この怪我は痛かった。
結局、若手が現在の主力を脅かす場面をほとんど見ることが出来なかったのは残念だった。丸山和、赤羽にとっては来シーズンは「勝負の年」となりそうである。
④対阪神
・2023年のリーグチャンピオン、日本一に輝いた阪神との対戦は、ヤクルトにとって一つのポイントになると感じていた。
結果は、10勝15敗と5つの負け越しとなってしまい、今シーズンも苦しむこととなってしまった。昨年よりは、勝ち星を増やすことが出来たとという部分もあるのだが、これはどちらかというと阪神側が昨年に比べてチーム状態が上がらなかったことが要因だったのかな?と感じている。打線がそれなりに厚みを増してきた阪神相手に甲子園で勝ち星を重ねることは、簡単なことではなくなっている。完全アウェーの甲子園やマツダスタジアムでどう戦っていくか?という部分に関しては、来シーズンも課題となりそうである。競り合いのゲームでもう少し勝ち切れるようになれば、対戦成績も変わってくるはずである。
⑤2番長岡
・この部分に関しては、長岡の打撃センスからすれば、2番に入れば収まりが良いのではないだろうか?ということを昨シーズンも感じていたのだが、長岡自身がスランプに陥ってしまい、高津監督をはじめとする首脳陣も上位打線に抜擢することが出来なかったという部分があったと思う。今シーズンも開幕は、8番打者としてスタートしたのだが、結果を残す中で徐々に打順を上げ、最終的には、1番~3番のいずれかを任されることが多くなった。首脳陣が無理やり抜擢したのではなく、長岡自身が結果を残した中で上位打線を任されるようになったという過程の部分が素晴らしいと感じる。そして自力で「最多安打」のタイトルも獲得してみせた。こうなると「2番」という打順に拘る必要はなくなってくるのだが、個人的には「打って繋げる2番打者」という役割を長岡が担えるようになれば、チームにとっても大きいのではないか?と感じている。今シーズンは、中々チーム状態が上がらない中で、3番や1番を任されることの方が多かったのだが、他の選手が復調してくるようであれば、1番はスピードのある選手、3番は長打力も兼ね備えた選手に任せ、技術の高い2番打者として、長岡がどっしり座るようになれば、打線の繋がりは良くなるのではないだろうか?
今シーズンの長岡の成長は、ヤクルトファンにとっては数少ない「光」の部分になったのではないだろうか?
シーズン前に挙げたポイントの割には、まずまず良い部分を挙げられたと思っている。やはり①のポイントとして挙げさせてもらった「村上、山田、塩見のスタッツ」という部分が、今シーズンのヤクルトが浮上するためには最も欠かせない部分だと感じていたため、この3選手が期待値程の結果を残せなかったことがあまりにも痛かったと感じている。しかし来シーズン以降(特に村上がヤクルトから離れると思われる26年シーズン以降)は、この3選手に依存することは出来なくなってくることは間違いない。その中で他球団と互角以上に戦えるチームを作っていかなければならない。簡単なことではないのだが、もう一度チームを浮上するさせるために新たなチーム作りが必要になってくる。
皆さんは、今シーズンのヤクルトに対してどういった振り返りを行っていますか?
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コメント
自分的には、村上の調子があまりにも悪い時は思い切ってファーム調整させるほうがよかったのかなと思います。
二軍に下げたからといって一軍に戻ってきたときに打てるかと言われれば分からないですけど、村上は責任感も強いですし、あの若さでチームを引っ張っていく存在なので、少し気持ちをかるくするためにも二軍に落とす勇気をもってもらいたかったです。
年俸6億円も貰っている選手を二軍に落とすなんてあり得ないかもしれませんが、それは3割56本134打点の村上の評価なわけで、今の村上の評価ではないというのが自分の考えです。
そして、他の若手選手達が村上がいなくなったから俺が頑張らないといけないと思わせる。
村上に依存したくなる、せざるをえない選手なのはわかりますが、村上の調子が悪いまま一軍にいると他の若手選手達は今日も出番がないなと思ってしまうので、村上の調子が悪い時に二軍にいけば、三塁で出番があるぞと思わせるのも大事かなと思いました。
まぁ来年は日本でプレーするのは最後なのでどんなに調子が悪くても一軍に帯同させますね。
赤羽、丸山は調子が良い時にデットボールやフェンス激突でもったいなかったですけど、来年どんなプレーをしてくれるのか楽しみですね!
アームさんへ
私は、逆の考えで、もし村上が登録抹消されていたとしたら、このブログで反論記事を書いた可能性が高いです。
しかし、答えは分かりませんよね。一旦2軍で気持ち的にも切り替えることで、復調するということもあり得ますもんね。
人それぞれ様々な考え方があって正解が明確にわからないのも面白いですね!
アームさんへ
そうですね。ファンどうして自分の意見を語り合うことが面白いですよね。
振り返ると長岡の成長以外は管理人さんのシーズン前に挙げたポイントがほぼ全部上手くいかなかったという…順位も納得の有様です
もちろん予想以上の活躍をしてくれた選手もいますが足りない。せめて攻撃(山田塩見)か防御(サイスニード、小川、清水、田口)どちらかが期待値に足りる活躍をしてくれないと。
振り返ると野手なら丸山和、赤羽、西川、松本直。投手なら大西、小澤、丸山翔。期待を上回ってくれたかな。ほかにも吉村、高橋奎二も(期待値が高いため)まあまあ良かったか。
まあでも一番の収穫はサンタナのレフトコンバートですね。サンタナの負担も減ったしライトに動ける選手を置けたので守備が固くなった。そしてケガをしないサンタナの打撃開眼。youtubeでスワローズスタッフの座談会で語られてましたがサンタナは研究熱心で理論派らしいですね。サンタナは日本の野球にどんどんアジャストしているのを感じてこれは毎年首位打者争いできますね。ケガさえなければ。
早い話ですが村上がメジャー挑戦したときには三番長岡、四番はサンタナという形は見えました。山田塩見は不確定要素が大きいのですが二人のどちらかが良い状態で五番に入れば打線は線になりそうです。不調ならオスナが五番…かな。打線を組むのも難しいな
saboさんへ
サンタナのコンバートは、正直かなり不安でしたが、ライト時代から大きくマイナスになったという印象はないので、成功したということになりますかね?
村上流出後に打線に関しては、他のメンバーの高齢化もあるため、現時点での予想は難しいと感じています。