2025年現在における男子マラソン日本と世界との差

陸上競技


今日は、東京マラソン2025が開催された。優勝したケべデ(エチオピア)は、3月2日にしては高い気温の中でのレースで2時間3分23秒というタイムで42.195キロを走破してみせた。日本勢最高順位は、市山(サンベルクス)の10位(2時間6分0秒)だった。
ここ7,8年で世界の長距離界のタイムは飛躍的に伸びてきている。これは、いわゆるカーボンシューズの出現など、新たな機能を持ったギアの登場によってもたらされているものだと考えられる。日本では、「駅伝」という独自の文化が長年人気を博しており、私自身も駅伝やマラソンなどの長距離種目をテレビ観戦することは、楽しみの1つとなっている。昔から観戦を楽しみにしていた私にとって、最近のタイムの向上にまだまだ頭が付いていかない部分があり、何となく日本と世界との差は縮まり始めているのかな?という思いも持っていたのだが、やはりタイムの飛躍に関しては、日本人選手だけがタイムを縮めている訳ではなく、世界の長距離ランナーも飛躍的にタイムを縮めている現状がある。総合的に見てみると、日本と世界との差はそれ程縮まっていないと見た方が良いのかもしれない。
今日のレースでは、太田(青山学院大)が世界記録を狙えるようなペースメイクをした先頭集団に付いていく積極的なレースを見せたのだが、36キロ付近で棄権となってしまった。おそらく現役の日本人ランナーの中で今日の太田と同様の選択をして、2時間4分台以上の記録を残せるランナーは皆無と見ている。現実的には池田(Kao)や赤崎(九電工)のように日本記録ペース辺りのペースを刻みながらタイムを狙っていく方が結果に繋がりそうである。今日は結果的には、第3集団のペースでレースを進めた市山が日本人トップの成績を残したのだが、この感じは、これまでの日本人ランナーのレース展開そのものであり、世界との壁を感じさせられるレースになってしまった。
世界のマラソン界は、主にペースメーカーが付いた中で超高速レースを演出し、記録を狙うレースとオリンピックや世界陸上などペースメーカーが付かない勝負に徹したレースの2つに分かれており、一概にタイムが早ければ、オリンピックや世界陸上でメダルが獲得できるというものでもないのだが、絶対的なスピードがなくては、戦えない時代になっていることも間違いない。レース展開によっては、日本人ランナーにも世界大会でのメダル獲得はあり得るとは思っているのだが、どうしても他のランナーの状態に左右される部分が大き過ぎると感じている。世界で通用する速さと強さを兼備したランナーは、今の日本にはいないのかもしれない。
それでもタイムが伸びる中で、日本のマラソン界も活気付いていることは確かである。今日の太田のようなアプローチも今後は必要になってくるはずである。今日の太田のチャレンジングな走りは、個人的には好きなのだが、レース結果を見ると明確な世界との差を感じさせられてしまい、多少なりともショックを受けたことも確かである。
日本では陸上長距離種目への注目度は高く、箱根駅伝や全国高校駅伝を目指して長距離種目に挑戦するこどもは、一定数確保出来ていると感じるのだが、世界のトップから陥落して30年程の月日が経過してしまっている事実もある。ここから、日本マラソン界がもう一度世界のトップに返り咲く可能性はあるのだろうか?以前に比べて選手のアプローチは多様になっており、新しい取り組みを行うランナーも増えている。今は時代の転換期だと思うのだが、今後もう一段、世界のレベルに近付いてもらいたいと願っている。

P.S 今日の太田の走りを見て、1999年、2001年の東京国際マラソンでの高橋健一(富士通)の走りを思い出しました。当時ハーフでは日本最強の呼び声が高かった高橋が世界記録を上回るペースでぶっ飛ばした99年の走りは特に印象に残っています。99年は途中棄権、もう少しペースを抑えた2001年は後半に大失速しながらも優勝を果たしたのですが、太田は今後マラソンの舞台でどういった活躍をしてくれますかね?




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