国保陽平監督と佐々木朗希

高校野球

甲子園をかけた高校野球岩手大会の決勝戦、花巻東対大船渡の舞台にプロ注目のMAX163キロ右腕佐々木朗希の姿はマウンドにはなかった。全国の高校球児が憧れる甲子園を目前にしてのエース佐々木の温存策に対して賛否両論が渦巻いている。
先に私の意見を言ってしまうと今回の国保陽平監督の決断には賛成の立場を取りたいと思う。32歳の青年監督である国保監督は、選手の健康面をしっかり考えた中でマネジメントが出来る新時代の高校野球を担って行く指導者になるのではないだろうか?
日本の野球文化の発展ということを考えたときに高校野球、甲子園大会というものは大きな役割を果たしてきている。甲子園大会は全試合NHKで中継され、毎年非常に大きな注目を浴びる大会となっている。私も下手くそながらそんな高校野球に憧れて3年間野球部で過ごした一人である。
甲子園は少年時代にテレビにかじりついて夢中になって観戦したし、今でも毎年甲子園大会を楽しみにしている。甲子園はキラキラ輝く素晴らしい場所である。しかしその一方で選手の健康被害という大きな問題を抱えていたこともまた事実である。私が小学生の頃90年代中頃くらいまではエースが1人で投げ抜く高校が多かったと記憶している。その後複数の好投手を要する高校も増え、今ではエース一人に頼りきったチームは全国大会の舞台では減ってきてはいる。しかし昨年の吉田輝星がそうだったように選手が集まりづらい公立校であったり、突出した実力のある投手を擁す高校はどうしても1人の投手が酷使されてしまう状態が続いていた。以前から問題視されていたことではあるのだが、あまりにも華やかな甲子園大会という舞台の前に選手も監督もマスコミもファンも1人の高校生の健康を守るという当たり前のことを見て見ぬ振りをしてしまっていたのかもしれない。私自身も以前は球数制限に関しては否定的であり、燃え尽きるまで選手には頑張ってもらいたいと思っていたしそれがいわゆる「アスリートファースト」だと思っていた。しかし年齢を重ねるとその考えが変わってきた。素晴らしい才能を持った選手が甲子園という華やかな大会があるがために無理をし、故障してしまっては本末転倒である。
佐々木に関しても夏の大会が始まる前から国保監督が骨密度なども調べながら、まだ大人の身体になりきれていないので無理はさせないという主旨のコメントを残していたと記憶している。しかし流石に決勝まで勝ちあがってしまうと多少無理をしてでも佐々木を登板させるだろうと予想していた。しかし国保監督は決勝戦のマウンドに佐々木が上がることは故障のリスクが高いと判断し、佐々木の出場を見送った。甲子園は全国の高校球児の目標ではあるのだが、甲子園が全てではない。注目度が高いだけに今回の国保監督の判断については否定的な意見もあると思うのだが、未来のある選手を守るという意味では大きな意味を持つ決断だったと思う。この出来事は高校野球界に一石を投じる出来事になったと思う。

個人的には早い段階で球数制限に関してのルール化を図ってもらいたいと思う。

登板過多に関する過去記事はこちらから→「伊藤智仁とS.ストラスバーグ」、「田中将大と則本昂大はR.ジョンソンとC.シリングに成り得るか?」、「楽天が日本一
過去記事を読んでもらえば分かるように私も投手の登板過多については気持ちが揺れ動いてしまい、はっきりとした答えは出せないでいるのですが…

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コメント

  1. タラちゃん より:

    個人的には、
    秋の予選、春の選抜は、試合日程はほぼ一緒で、球数制限。イメージはWBCみたいな感じ。
    30球投げたら、中1日。50球なら中2日、80球以上中3日。100球まで。こんな感じで。
    夏は、
    基本球数制限なし。一応、投手は10イニングまで(イニング途中でも頭からも一緒)。
    試合間隔は中3日以上空ける。日程を早めにスタートで、
    春の大会は中止で、5月中旬からスタート(土日メインで予備日は月か火)。
    甲子園は、
    準々決勝まででストップして、
    準決勝、決勝は9月のシルバーウイークにやる。勿論中3日空ける感じで。

    ベンチ入り25人。監督、コーチなどのベンチ入り増やすなどもっと運営をしたらと。

    大船渡高校に抗議に電話などあるみたいね。
    ならば、
    佐々木が壊れたら、責任取れますか?
    抗議する場所間違っている。
    5日で4試合というパワハラみたいな日程を組んだ高野連。
    そして選手を使いべりして、称賛するおかしい感じの偏向報道の朝日新聞。
    この2つに抗議してください。って言いたいです。

  2. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    春の大会を止めて5月からスタートするというのは結構現実味もあるように感じますね。何らかの対策をしてもらいたいですね。

    大船渡高校への抗議については私もタラちゃんさんと同様の思いです。

  3. sabo より:

    色々考えさせられる出来事でした
    国保監督は選手の将来を考えて甲子園を諦められる、という人物では無いと思います
    でなければ延長194球も投げさせるわけありません
    予選序盤から佐々木を出し惜しまなかったのも佐々木を温存するリスクを冒しながら戦うのではなく確実に甲子園へいくという強い意志だったからでしょう
    それでも国保監督が決勝で佐々木を出さなかったのはそれだけ状態が悪かったのだと思います。そばで見て明らかに異常があったのだと思います。野手での出場もさせなかったのですから

    国保監督の最終的な判断は良かったと思います

    ただやはり監督の在り方云々よりも高校野球の制度を変えるべきですね。責任は個人ではなく制度が負うべきです

    球数制限と日程が話題にあがることが多いですが、私は加えて「転校を許可」するべきだと思ってます

    今は転校したら1年間は公式戦に出られません。この1年という長すぎる期間を3年の春の大会後に転校して夏の大会に出られるくらい短くすべきです
    そもそも転校したらほぼ大会出場できないなんて健康の前に自由を奪ってますよ。
    部活の雰囲気になじめなくて転校してもいいし、監督が学校を移るからついて行ってもいい。今の高校では甲子園には届かないから強豪校に転校(移籍)したっていい
    結果的に強い選手ほど強い高校に集まりやすくなると思いますがそれが結局は投手の投げすぎを減らせると思います

    オール気仙でという佐々木の想いは素晴らしいですが194球投げて甲子園に行けなかったことを思うと花巻東で出ても誰も文句無いんじゃないかと思ってしまいます


    今回の佐々木当番回避について大船渡には抗議の電話があるとのことですが、賛同はしないですがある程度理解はできます
    復興のストーリーを背負った佐々木。地元の人ならずっと応援していたでしょうし、それこそコストも払ってたはずです。勝負せずに負けたことをどうしても納得できない人もいると思います

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    難しい問題ですが、国保監督の佐々木温存はそこまで強く批判される案件ではないと思っています。

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