令和元年9月15日に2020東京オリンピックマラソン選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ、いわゆる「MGC」が開催される。これまでのオリンピック、世界陸上のマラソン代表選手の選考は難航することも多く、物議を醸すことも多かったのだが、今回のMGCで3枠の内の2枠を決めると言う方式は選手、関係者にとってもファンにとってもとても有意義なものになるのでは?と感じている。2017年から行なわれてきたレースの中で出場権を獲得したもの同士で争われる一発勝負はマラソンという競技の面白さを凝縮したような素晴らしいフォーマットだと感じる。
ペースメーカーのいない少人数での一発勝負、2位までに入ればオリンピック内定(3位でもオリンピックに出られる可能性は高い)という条件の元、本命、ベテラン、中堅、若手が入り乱れての代表争奪戦ということでどのようなレースが展開されるのだろうか?初めての試みであり、展開が読みづらいこともスポーツ観戦を趣味としているものからすると「ワクワク感」を増幅させてくれる。
マラソン関係(男子)の過去記事はこちらから→「日本のマラソンは死んだのか?」、「川内優輝VS中本健太郎」、「大迫傑、衝撃の快走!」、「設楽悠太が日本新記録!止まっていた時計が動き出す!」、「日本マラソン界激動の1年。大迫が日本新!2時間5分台突入!」
マラソン関係(女子)の過去記事はこちらから→「福士加代子が銅メダル獲得」、「増田明美氏の意見に賛同」、「福士加代子」、「福士は名古屋も走るのか?」、「田中智美意地の激走!」
男子(31名)
・マラソンという競技はごまかしの利かない競技の1つだと感じる。それだけに一発勝負の9月15日にしっかりコンディションを整えている事が代表切符を手にする第一条件になることは間違いないだろう。今回のメンバーの中で4強と目される大迫、設楽、服部、井上にしてもコンディショニングで失敗してしまえばかなり厳しい状況に追い込まれるのは間違いない。しかしコンディショニングの部分は私のような一ファンでは情報も入ってこないし、語りようもないためその部分は省いた中で話しを進めていきたい。
・絶対的なスピードという部分ではやはり大迫、設楽が抜けていると思う。2人とも高校時代から名の知れた存在であり、箱根駅伝でもスター選手だったのだが、マラソンへの取り組みに関しては、それぞれ自分にあった道を探しながら記録の向上に繋げた革命家でもある。ペースメーカーの付かない今回のレースは、タイムよりも勝負に徹することになるのだが、この2人には速さだけではなく強さも伴っていると感じるため、やはり本命ということになるのだろう。それでも気になるのはやはり前半から超スローペースになった場合の対応である。そうならないようなペースを設楽辺りが作り出すのではないか?と予想するのだが、スローペースに巻き込まれてしまうとレース展開は混沌としてくる可能性もある。
・「強さ、安定感」という部分で目立っているのは井上である。2位以内に入るレースという意味で最も代表に近いのは井上なのではないか?と私は予想する。2018東京マラソンでは主役の座を設楽にさらわれてしまったのだが、どんな展開になっても外さない安定感が井上にはある。スピード強化も進んでいるため、この選手が早々と脱落してしまうことは考えづらい。
・そして4強の最後の1人、服部に関しては、昨年の福岡国際のレースがあまりにも見事だった。今回もロングスパートである程度選手を振り落としにかかる可能性が高いのではないだろうか?力は申し分ない。
・4強が軸になるとは思うのだが、他の選手もしっかりと出場条件をクリアした強豪ばかりであるため、最終的にレースがどのような方向に転がるか分からない面白さがある。ベテランの佐藤、今井、岡本、中本辺りが何か仕掛けてくるかもしれないし、伸び盛りの若手が一気に代表の座をかっさらって行く可能性もある。各々が得意な展開に持ち込みたい中で最終的には優勝ランナーは地力のある4強の中から生まれるのではないか?と予想するが、2位、3位という面では意外なランナーが顔を出す可能性もあるのではないだろうか?
女子(12名)
・女子は直前になって期待の若手の1人であった関根が欠場との情報もあり、11名という少人数でのレースになりそうである。条件をクリアして大会に臨める人数の少なさが今の日本女子マラソン界の厳しさを表しているような気もするが、レース自体は男子以上に誰が代表の座を掴んでもおかしくないレースとなりそうである。
・個人的に最も楽しみなのはトラックでの実績を積んで、マラソンでの代表を狙う鈴木である。マラソンの経験値という部分ではまだ今回が2戦目ということで不安な部分もあるのだが、夏の北海道マラソンでしっかり優勝している部分は見逃せない。少人数でのレースであるため序盤の接触などのアクシデントをそれ程気にすることもないため、鈴木が走りやすい条件は整っているのではないだろうか?鈴木のレースプランによってレースが動く予感がする。どちらにしても今回のレースのカギを握る選手となりそうである。
・その他ではマラソンでの実績があり、ラストのスピードも持ち合わせている松田、前田彩辺りが面白いと感じる。2人ともスピードをマラソンに活かせているという部分で鈴木より一日の長があるように感じる。そこにマラソン実績のある小原、前田穂、安藤、大ベテランとなった福士辺りが絡んでくる展開だろうか?一山、上原、岩出の若さも侮れないし、ベテラン野上も大崩れすることは考えづらい。そうなるとやはり全員にチャンスがある展開になりそうである。やはり9月15日に万全の準備を積んでスタートラインに立てた選手にマラソンの女神が微笑みそうである(結局コンディショニングの話しになっちゃいましたね。)
私が望んでいた形式の大会だけにとにかく楽しみである。
追記
※女子は関根、前田彩、男子は一色が欠場ですね。3選手とも力のあるランナーだけに残念です。
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コメント
わかりやすく、文句をつけることがほぼないやり方で選出できる方法なんで、どういう結果になるか注目ですね。
そして東京オリンピックとほぼ同じコースになるそうなので、来年のレースの参考になるかと。
全く違ったこと。
高橋、野口と金メダリストが解説なのは理解できるが、
男子は男性の解説でもアリなのかな?
あとは大阪女子マラソン並みに全有名選手を解説にかき集める感じでやってほしかったです(笑)。
> タラちゃんさんへ
ようやくこういった形式の大会が出来て喜ばしい限りです。エンターテインメント性も高く非常に面白いフォーマットの大会ですよね。