第96回箱根駅伝ポイント

大学駅伝

最近は大学駅伝の話題をチェックする時間が少なくなり、情報不足の中ではあるのだが、やはり楽しみなイベントであることに変わりはないため個人的なチェックポイントを記しておきたい。

①東海大学の充実
・前回大会で初の総合優勝を飾った東海大学が充実の時を迎えている。ここ数年スカウティングと言う部分で他の大学を大きく引き離し、高校長距離界のトップランナーが数多く集結して来ていたのだが、それでも中々箱根駅伝で結果を残す事が出来ていなかった。しかし前回大会で絶対王者青山学院大を破って優勝したことによって、一気に王者の風格が出てきたように感じる。黄金世代と呼ばれた世代が最上級生となる今大会も当然優勝しなければならない大会となるだろう。
・高校時代世代№1とも言われた關、山下りのスペシャリスト中島を欠くことになったのだが、それでも選手層の厚さは他の大学の追随を許さない。往路復路に主力を満遍なく配置できるのが東海大の強みである。今日のエントリーを見ても、他チームの様子を伺うだけの余裕が感じられるエントリーとなった印象である。そして5区山上りという特殊区間に実力者西田を擁している部分も大きなアドバンテージになっていると感じる。1区間が長い箱根駅伝は1つのミスで大きく展開が変わってくる難しさがあるのだが、それでも普通に走れば東海大が優勝するのではないか?と思わせるほどに充実したメンバーが揃っている。

②往路の展開
・東海大学に一泡吹かそうとしているチームは往路で主導権を握りたいと考えているチームが多いのではないだろうか?特に東洋大、国学院大辺りは、往路優勝を目指して選手を配置し、復路は先頭でレースを進められるアドバンテージを目一杯活用する展開に持ち込みたい。
・東洋大は1区西山、2区相澤と超強力なランナー2人でロケットスタートを狙う形を取ってきた。正直相澤以外に2区を走れるランナーを準備し、相澤は前回大会のように4区に配す事が出来れば、東海大学をはじめとする他大学からすると嫌がられると思ったのだが、今回は正攻法で来た印象である。個人的には相澤が2区でどの程度のタイムを出すか見てみたい気持ちも強かったため、前回大会で塩尻が更新した日本人最高記録を更新するかどうか?と言う部分は大いに注目してみたい。出来れば2区終了時点で東海大を2分~3分引き離したいというのが酒井監督の願いなのではないだろうか?
・出雲駅伝を制した国学院大も2区土方、5区浦野という2枚看板が順当にエントリーされてきている。特に前回大会の5区で区間賞を獲得し、チームを上位に押し上げた浦野の存在は非常に大きい。今大会ではこの5区浦野で往路優勝を狙う形を目論んでいるはずである。そのためにも大切になってくるのは1区になると思われる。普通に考えれば藤木を投入すると思うのだが、スローペースになると考えるのであれば敢えて他のランナーに任せるという戦略も「あり」なのかもしれない(もちろん大きなリスクを負うことになるが…)。1区と藤木、茂原の使い方がポイントとなりそうである。
・ここに総合力で勝負したい駒大、帝京大、青山学院大辺りがどのように絡んでくるか注目したいし、留学生を擁する東京国際大、創価大、拓殖大、日大、国士舘大辺りがどのようにレースを掻き回すかにも注目してみたい。

③総合力で優勝を狙うチームに東海大を崩すチャンスはあるか?
・具体的に名前を上げると駒大、帝京大、青山学院大辺りである。おそらく2区以降はハイペースになるであろう往路でどの程度の位置に付けるかによって総合優勝の芽も出てくる可能性がある。3大学ともにポイントになるのは3区になると思われる。駒大はおそらくスーパールーキーの田澤、帝京大は前回大会で好走した遠藤、青山学院大は経験豊富なスピードランナー鈴木が走る可能性が高いのではないだろうか?3大学ともに「大砲」という意味では東洋大や国学院大、留学生を擁するチームに劣っていると考えられるため、2区終了時点で10位前後を走っている可能性がある。そうなった場合でも3区である程度巻き返したいというのがこの3大学の思惑なのではないだろうか?逆に3区終了地点で上位に顔を出し、尚且つ東海大をリードする事が出来れば、その先の展開が面白くなりそうである。
・それでも東海大とがっぷり四つで戦うにはどのチームも厳しいかな?という印象はあるのだが、ノーミスで走る事が出来ればワンチャンス訪れるかもしれない。

④高速駅伝となるのか?
・ここ数年ナイキの厚底シューズが長距離界を席巻している。これまでは軽量化された底の薄いシューズが一般的だったと思うのだが、ここにきて大きな「シューズ革命」が起きている印象である。思い出すのは水泳界を揺るがした高速水着問題なのだが、今回のナイキの厚底シューズに関しても多くの選手の記録が飛躍的に伸びている印象がある。このことによって、箱根駅伝もこれまで以上に高速化が進むのではないか?と予想する。大きな出遅れは避けなければならない1区は別かもしれないが、悪天候でなければどの程度のタイムが叩きだされるか注目してみたい。特に復路に関しては、これまでの大会の常識が通用しないような好記録や激しい順位の入れ代わりなどがあるかもしれない。

⑤一応シード権予想
東海大、駒沢大、国学院大、帝京大、青山学院大、東洋大、東京国際大、早稲田大、法政大、中央学院大としてみたいと思う。7位~15位辺りまでは相当荒れるかもしれませんね。

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コメント

  1. 中国地方のスワローズファン より:

    東海が優勝候補の1番手ですが、青山学院、東洋、駒澤、國學院も侮れないと思います。

  2. FIYS より:

    > 中国地方のスワローズファンさんへ

    往路は超高速レースとなりましたが、青山学院の出来は想像以上でした。

  3. タラちゃん より:

    終わってから見たのですが、
    だいたい書かれている展開に。
    帝京や国際学院、東京国際の躍進当てている。
    解説者になれる(笑)。

    でも東洋とか怖いですね。
    往路優勝狙っていたと思うが、
    1人がブレーキ気味になると、それを取り返そうとしてそこも不発っていう負の連鎖が出てくるって。

    駒沢、東洋にはもうちょっと頑張ってほしかったなとの印象。
    名門校は、
    OBもいっぱいいたり、OB会とかいろいろな絡みあって監督なども大変だろうなっていうのもあるので、青学もそうだが、躍進したところはそういうしがらみなさそうなので、監督としてはやりやすいのでしょうね。

    あとはナイキの厚底シューズ履いている選手多く、高速化していますね。
    もう薄底、厚底っていう次元でなく厚底をナイキ以外のメーカーも考えるのかな?

  4. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    振り返りの記事も書いて見ました。興味があれば読んで見てください。

    ナイキ以外のメーカーも試行錯誤しているようですね。

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