不定期でヤクルトに在籍した思い出の選手について記しているのだが、今日は高校時代から好きだった技巧派サイドスロー高橋一正について書いてみたい。私はこのブログでも記しているのだが、サイドスロー、アンダースローの投手を贔屓目に見てしまう部分がある。過去にはこんな記事も書かせてもらった。→「サイドスロー、アンダースローに魅せられて」
そこで少しだけ高橋一正に関しても触れさせてもらっている。高橋一正はいわゆる「松坂世代」の投手であり、高校時代は背番号10ながらエースの寺本との二枚看板で明徳義塾を支えた好投手だった。身体能力が高く素晴らしいストレートを中心に三振の山を築いた寺本も強く印象に残っているのだが、安定感に欠けるエースとは対照的に派手さはないが投球術で相手打者を翻弄していく高橋により強く惹かれた記憶が残っている。タレント揃いの松坂世代の中でも98年の甲子園で光り輝いた投手の一人である。その98年ドラフトでドラフト6位でヤクルトに指名された時には密かに高橋の飛躍に期待したものである。当時の高校野球を追っていた人であれば私と同じように高橋のブレイクを予想していた人もいたのではないだろうか?
そしてその期待に応えるように高橋は1年目から1軍のマウンドを踏み、度胸あふれる投球で結果を残してみせた。2年目も登板回数を重ね、順調にステップアップしていると思ったのだが、1軍の舞台で活躍する姿を見れたのもこの年限りになってしまった。3年目になると登板機会が激減し、なんと4年目のシーズン後に戦力外となってしまったのだ。当時はまだ今ほどネットも普及しておらず、何故戦力外になってしまったのか全く理解できなかった。日立製作所で野球は続けるという続報が入ってきたときには何とかプロの世界に戻ってきてもらいたいと願ったのだが、そのままプロの世界に戻ることなく野球人生に幕を閉じることとなってしまった。
高校時代から実践向きの好投手だと感じていたし、ヤクルトには同じサイドスローの大投手高津もいたため、高橋も高津の後継者候補の一人になるのでは?と当時は予想していたし、大きく成長することを期待していたのだが、プロの世界で結果を残すことは出来なかった。しかしほんの一瞬でもプロの1軍の舞台で投げることが出来たことは良かったのではないだろうか?キレのあるストレートにスライダー、シンカーを内外角に散らす「THE・サイドハンド」。いかにも明徳義塾産のサイドスローという感じで印象に残っている。
P.S どうやら高橋はヤクルト在籍中にフォームを崩してしまったようですね。実践向きの投手がストライクを取るのに四苦八苦してしまっては、ピッチングになりませんよね。でも育てなければならない素材だったように個人的には感じるんですけどね。
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コメント
いい記事ですね。わたしも当時この投手にかなり期待してました。ゲームでも作成して使うほど(笑)なんで戦力外なのか情報が少なすぎて悲しかった思い出があります。高津も好きだったので、アンダースローがまた育つのがとても楽しみでした。
アンダー、サイドの投手にはやはり専門の投手コーチがいればと思ってしまいます。
左打者が4割以上になった現状なので、厳しいでしょうが、だからこそ生きる術を持つ、バレンティンキラーって言われていた加賀みたいな生き方もあっても良いのかな?
本来は変則投手は高津監督が見るべきなのでしょうが、さすがに監督なんで、変則投手専門のコーチ。
例えば、宮本賢治氏とか川尻氏とか松沼兄やんなど雇う選択もあるのかな?と。
高橋一正も良い投手コーチに巡り合っていたらと思ってしまいます。
東北高校のダルビッシュのときの変則投手、メガネッシュさんはその後どうなりましたっけ?
> tkoさんへ
ありがとうございます。
突然の戦力外のように感じてしまい、ショックだったんですよね。どうやらそういった事情があったようです。
> タラちゃんさんへ
寺本と高橋の明徳義塾、ダルビッシュと真壁の東北高、確かに少し被る部分があるんですよね。真壁は大学、社会人とドラフト候補にはなっていましたが、指名されませんでしたね。確かすでに現役を引退しているのではないでしょうか?
凄く共感出来るコメントでした!
いみじくも夏の甲子園真っ最中で過去を思い出した流れで高橋投手を思い出して検索したら私と全く同じ感想を持っていた方と巡り会えて嬉しかったです。
ヤクルトで一軍に上がった高橋投手のピッチングも観て期待してた矢先に解雇で当時本当に驚きショックでした。
背景など改めて知る事が出来、感謝です。本当に良い投手だったんですけどねー。
長崎北陽台の松尾投手や成田の猪又投手も記憶に残る投手です。
古川力さんへ
昔の記事にコメント頂き、ありがとうございます。とても嬉しいです。やはり高橋一正に期待していたヤクルトファン、高校野球ファンは一定数いたようですね。記憶に残る好投手でした。
長崎北陽台の松尾、成田の猪股とは渋いチョイスですね。