高津監督の決意伝わる開幕戦。結果は×。

ヤクルト7-9中日(延長10回)

無観客試合での開幕となった異例のシーズンは、いきなり雨天の中でのゲームとなった。かなりの雨が降っていたのだが、無観客であること、タイトな日程となっていることもあってか試合は開催された。悪コンディションの中でも両チームの選手達が集中して戦っていることを感じることが出来るゲームとなった。

今日のゲームの切り口としては、高津監督の新監督らしい船出という部分を切り取ってみたい。前日のスタメン発表についてもそうなのだが、高津監督はある程度選手を信じて戦うタイプの監督なのだろうなと察することが出来た。試合直前に中村が急遽スタメンを外れるという予想外のアクシデントはあったのだが、高津監督がこだわった1番坂口、2番山田哲、3番青木、4番村上という並びは見事に機能した。
2点を追う初回の攻撃、1番坂口が内野安打で出塁すると2番山田哲がいきなりの2ランホームランで試合を振り出しに戻し、青木、村上の連打で勝ち越しに成功してみせた。中日の開幕投手大野雄の出鼻を挫く、見事な4連打だった。その後も坂口が猛打賞、山田哲、青木がホームランを含む2安打、村上がタイムリー2本と1番~4番で全7打点を稼いで見せた。高津監督の思惑が見事に当たる形となった。

投手陣に関しては、石川が悪天候の中で苦しみながらも5回3失点でまとめ、最低限の仕事は果たしてくれた。ここ数年書き続けているのだが、40歳の石川にこれ以上を求めることは酷だと思っている。試合展開的にも5回3失点でまとめてくれたことは十分役割を果たしてくれたと言えるのではないだろうか?
6回からは継投に入ったのだが、ここからの継投も6回を長谷川と清水、7回は梅野と期待の若手を惜しみなく投入してみせた。長谷川は1点を失い、梅野は3点のリードを吐き出してしまい、1イニング持たずに降板となってしまったのだが、この投手起用も高津監督の「君たち若手が奮起しなければ今年のヤクルトが浮上することは難しいよ。」との思いが伝わってくるような継投に感じた。オープン戦、練習試合でも長谷川、清水、梅野は安定感に欠ける部分があった。いい時は抜群に良いのだが、波があり、悪い時にはごまかしが利かないと感じる投球内容が多かった。それでも8回マクガフ、9回石山までの繋ぎを若手投手の潜在能力の高さに託したのである。選手層が薄いと言ってしまえばそれまでなのだが、長谷川も清水も梅野も高津監督の思いをしっかりと受け取ってもらいたい。そして明日以降はその期待に結果で応えてもらいたい。
そして同点のまま迎えた10回のマウンドを託されたのは新戦力の今野だった。この起用も新監督らしい起用だと感じた。私はてっきりマクガフか石山に2イニング投げさせると思っていたのだが、長いイニングを投げられる先発投手の不足と今後のタイトな日程を考えて1イニング限定起用と決めていたのであろう。ここにも高津監督の意思を感じることが出来た。最後は今野が自らのミスもあり、2点を失い、ゲーム自体も失ってしまったのだが、高津監督の采配を通しての意思表示はしっかり選手に伝わったはずである。8回マクガフ、9回石山という形は作れそうであるため、何とかリードしてマクガフ、石山を投入できる試合を増やしていきたいところである。

話しを野手陣に戻すと1番~4番が結果を残す一方で、昨日の記事でキーになるのでは?と書かせてもらった見が5タコと例年通りの躓きっぷりを見せてくれた。他の先発野手がヒットを重ねる中で蚊帳の外となってしまった。悪い意味での期待を裏切らない姿に少し笑いが出そうになってしまう。それでも塩見は試合に出続けなければならない。今の野手陣の選手層の薄さを考えると塩見が打線にいるかいないかで相手チームに与えるプレッシャーも変わってきてしまうはずである。何としても結果を残してもらいたい。

開幕戦からの「神宮劇場」、最後の最後に満塁で村上に打席が回った時には大逆転劇への期待もあったのだが、そこまで上手く事は回らなかった。開幕戦からこれだけ長時間の乱戦を落とし、明日はデーゲームということで選手にとっては厳しい環境なのだが、とにかく早く2020年シーズンの白星が欲しいところである。勝てるゲームを落としただけにファンとしても堪える開幕戦となってしまったのだが、高津監督の「色」を感じることが出来る開幕戦となった。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    大変ご無沙汰しております。ようやく2020シーズンが開幕しましたね。まずはなんとか大きな事件もなく、無事に1年シーズンが終えられること、そしてみなさまのご健勝を願っております。

    さて、昨晩の開幕戦についてですが、色々な見方やご感想があろうかと思いますが、私としてはなかなか見応えある開幕戦だったと思ってます。

    手記にも書かれてある通り、主軸は塩見以外機能しましたし、代打宮本、途中交代で試合に入った廣岡もヒットを放ちました。
    投げる方では、石川、近藤、マクガフ、石山も仕事をしました。

    結果は若い投手陣が緊張からか総崩れで試合を落としましたが、充実の時を迎えた中日相手に中々に奮闘した事で、将来性を感じることが出来ました。

    今まだ半数の選手が経験不足なので、今年は今日のような敗戦が続きそうな気もします。また、一方でベテランも多いので、試合を重ねて屁貼ってきた折にまた大型連敗もあるような気もします。

    優勝を争うには山田世代の中心選手が少ないので今は中々厳しいのが現実かもしれませんが、継続出来れば2年後あたり楽しみな選手が沢山いることを感じることが出来た試合でした。コロナ禍にも耐え、苦しいシーズンにも耐えながら、私はそう遠くない気がする日の出を待ちたいと思います。

    では今シーズンもよろしくお願いします。

    ※ ラスト、観客が居ればわからなかったですね。相手の岡田投手もかなりの逸材な感はありますが、まだまだ経験不足っぽかったので。

  2. タラちゃん より:

    今日の試合は、
    6回のエスコバーがボール滑ってのゲッツー崩れによる、ここで清水を使ってしまったこと。
    それ無ければ、結果は別にして、梅野が打たれたあとの近藤か清水が10回に残っていた。
    守備期待の選手だけにこういう単純ミスは避けていただきたい。
    2安打打ったけどね。

    梅野ね。
    打たれるときは、ある。
    だからそこは責めない。
    問題は3点リードでランナー1人いて、ビシエド。
    HR食らってもまだ1点差。
    ストライクで勝負しないといけないのに、歩かせる。
    確かに足下不安あって投げづらいのあったけど、状況判断できていれば、ストライク勝負できたはず。
    点差考えて、逃げずに投げてほしい。

    今日は詰みですね。
    大西と今野だけになった時点で。
    ただ、若手にどんどんチャンス与えるシーンはでてくるのは悪くはない。
    明日も試合あるしね。
    中村ベンチで使える状況ならば、
    6回途中清水を8番に入れて、裏の攻撃が9番から打順だったので、ここで古賀か中村をキャッチャーで使い、清水を7回も使う回またぎできたけどね。

    良かったのは、
    村上の守備ね。1塁いたときからリーグ平均よりも守備範囲広い選手だったわけで、
    3塁にいって送球不安だったけど、5回のピンチで雨の中難しい打球をキャッチして、冷静にワンバウンド送球でアウトに。
    このまま我慢して3塁起用継続してほしい。

    そして坂口ね。
    いきなり3安打ね。
    手の調子も雨で痛くなりそうだが、それも無かったし、今後外野との併用もありそうですが、
    上手い事青木や雄平、中村などもそうですが、休養日つくりながら、起用してもらいたいね。

    本日、
    NHK総合の全国放送の日。
    滅多にない機会。
    目立とう精神で頑張ってほしいもの。

  3. taka より:

    初めてコメントします。
    いつも拝見させていただいております。

    今年は異例中の異例のなかでのペナントとなりますが、これ以上感染が拡大し影響が出ないよう、そして各選手が無事にシーズンを過ごせるよう願いたいです。

    さて、こんな中でも開幕試合の雰囲気は練習試合とは全く別ですね。
    要所で光るものをあり盛り上りましたが、残念な結果となりました。

    主な敗因は、1回裏に畳みかけられず、5回で石川投手の交代ですかね。
    初回から安定しない大野投手。3点取って、まだ1死満塁。8番、9番とはいえ、もう1、2点取っておけば、もっと早く降板したはずで、有利に進められたでしょう。
    そして、石川投手は開幕戦で9安打を浴びたとはいえ、まだ90球にも達しず。どうせ中6日空けるのだから、投げさせないと。。中継ぎ陣がたくさん登板せねばならず、だんだん疲労がたまり、パフォーマンスが下がっていく。。去年と同じです。
    目先の勝ちにこだわりすぎて、ペナント中盤から沈んだ去年のようにならないよう、高津監督頼みますよ!

  4. sabo より:

    開幕するだけで感動するつもりはなかったのですが、いざ高津、与田監督の挨拶(宣誓?)を聴いて野球に限らず全てのスポーツ関係者がどんな想いで過ごしてたかを想像して胸に込み上げるものがありました。私の知る限り弱音や泣き言を言うアスリートを知りません。ヒーローとしてコメントや動画で勇気づけ続けてくれた。やはりスポーツは素晴らしい。改めてスポーツとアスリートを見直しました

    勝てばもっと素晴らしかったのですけどね(笑)

    私も感想は管理人さんとほぼ同じです。継投も高津監督が示したかったパターンでしょう。采配は良かったと思います。勝てばもっと良かったけど(笑)

    私としては嶋の印象が良かったです。心配な打撃もあわやホームランの長打が出たし、キャッチングは上手いように見えます。キャッチャーなら当たり前ですが荒れ球をしっかり前に落として進塁させなかったし。何よりイニング終わりに大雨の中、笑顔で投手を迎えるのは良かった。ガンガンリーダーシップとってほしい。あとは盗塁阻止出来るかですね

  5. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    ご無沙汰しております。見応えのある開幕戦でしたね。

    希望と課題がそのまま開幕戦1試合の中で全て見られたようなゲームでしたね。

    ラストは確かに観客がいれば雰囲気は違ったでしょうね。

  6. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    6回のダブルプレーを取れなかった場面はこの試合のポイントの1つでしたね。清水を投げさせざるを得なくなってしまったこと、長谷川に失点が付いてしまったこと、ともに痛かったですね。

    村上の守備は見事でした。今後も同様のプレーに期待したいです。

  7. FIYS より:

    takaさんへ

    初めまして。よろしくお願いします。

    takaさんは「石川はもっと投げられる派」の考えですね。そういった見方もありますよね。

    初回の攻撃は中村不在が響いた部分もありましたかね。

  8. FIYS より:

    saboさんへ

    このコロナ禍で多くの人が苦しんでいるのですが、アスリート、スポーツ関係者も例外ではありませんからね。私もスポーツとアスリートを改めて見直すきっかけになりました。

    アクシデントによる緊急事態でも堂々とプレーしてくれる嶋の存在はチームに安心感を与えますね。嶋に担ってもらいたいのはこういった役割ですよね。

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