ヤクルト8-2DeNA
野球はチームスポーツである。1つの勝利でチームの雰囲気がガラッと変わるということはよくあることである。昨日のゲームで連敗を4で止めたヤクルトは、今日は投打ががっちり噛み合い、理想的な試合展開で勝利をものにしてみせた。吉田大喜については、プロ初登板こそ広島打線に滅多打ちに遭ってしまったが、その後のゲームでは先発として最低限の仕事は果たしてくれている。初登板後に高津監督がすぐさま「次も使う。」という主旨のコメントと「もう少しやれる部分もあるはず。」という主旨のコメントを残していたと思うのだが、そんな高津監督の期待に応える吉田大喜の投球となった。
先発の吉田大喜はよくまとまった好投手である。しかしプロの舞台で活躍するには飛びぬけた武器が見えてこないというのもまた事実である。しかし右バッターに対しても左バッターに対しても持ち球をしっかりコントロールするだけの力を持っており、1軍のマウンドで投げるための最低限のハードルはクリアしているように感じる。ここまでの3試合は、いずれも先発で2回1/3を5失点、5回を2失点、5回を2失点という数字を残してきた。打者を圧倒できるだけのボールを持っている訳ではないのだが、総合力でこれだけ試合を作れるところがいい意味で新人らしくないと感じる。
今日のゲームでも初回からボールを散らし、DeNA打線に的を絞らせなかった。6イニングで3つのダブルプレーを奪ったことからも感じられるように非常に丁寧にボールを低めに集めていた印象である。自分の思ったようなボールが投げられたとしても打たれてしまうことがあるのがプロの世界だと思うのだが、それであっても吉田大喜の投球には意図を感じることが出来る。それは意図したことを体現できるだけのコントロールを持っているからこそ出来ることなのだと思う。苦し紛れにストライクを取りに行くということが少ないのがこの吉田大喜の特徴なのかもしれない。
気になる球種はフォークである。おそらくカウントを稼ぐためのフォークとウイニングショットとして使うフォークを投げ分けているように感じているのだが、このボールの精度が上がれば上がるほど、ピッチングの幅も広がるのではないだろうか?
リリーフ陣では、地味ながら大下がいい役割を果たしてくれた。7-2と5点リードした7回からマウンドを任されたのだが、オースティン、ソトを欠くとは言え、強力DeNA打線と神宮球場で対峙するということは、5点差も決してセーフティリードではない。大下が崩れてしまえば、ベンチがバタつくのも目に見えていた。しかし大下は、7回、8回と完璧にDeNA打線を封じ、試合を決めるピッチングを見せてくれた。こういった投球が出来る投手が出てきてくれるとベンチは助かるはずである。
打線は1番坂口、2番エスコバー、3番青木、4番村上、5番塩見、6番山崎、7番宮本、8番古賀、9番吉田大喜と組んできた。昨日のゲームでは個人的に2番塩見の送りバントが気になっていたのだが、今日は2番にエスコバーを起用してきた。2番に山田哲を置いていた時とは違った形で点を獲ろうとする高津監督のマネジメントが伝わるような先発オーダーとなった。今日はこのオーダーがズバリと当たり初回はエスコバーのヒットに相手のミスが絡んで先制点を奪い、2回は山崎、宮本の連続2ベースヒットで1点、3回にはエスコバーがヒットで出ると2アウト後5番に入った塩見に2ランホームランが飛び出し、点差を広げてみせた。苦手上茶谷からあっという間に得点を重ねてみせた。
5回にはクリーンアップでチャンスを作り、宮本の2点タイムリー、古賀の犠牲フライで3点を重ね、8回にはエスコバーの犠牲フライでダメを押してみせた。若いメンバーも多く、まだまだ細かい部分でミスはあるだが、坂口、青木、村上と言った主軸以外でも得点に絡むことが出来た、今日のゲームは理想的な展開だった。村上のマークが厳しくなる中で5番の存在がキーになり始めているのだが、開幕当初5番に座っていた塩見をこのタイミングで戻してきた。その塩見にホームランが飛び出した。塩見には何とか地力で5番の座を掴み取ってもらいたい。それがチームにとっても大きな出来事になるのは間違いないはずである。
明日は小川VS今永のエース対決である。塩見、廣岡辺りが今永にどう対峙するか注目してみたい。
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コメント
チームの近未来を担う新人が勝ち投手になる、こういう試合を待ち望んでいました。今日投げ合った上茶谷が去年勝っていくのを見て、ずいぶん羨ましく思ったものです。奥川がスロー調整とかで今年上がってくるのか不透明な状況なので、吉田への期待も大きくなっていくのではないでしょうか。
このゲームで活躍した塩見は一発だけではなく足もありますから、スタメンで使われる機会も増えていくのではないでしょうか。
19年のドラフトメンバーの期待感は大きいのですが、奥川君への期待感が半端無いのはもちろんのこと、個人的には19年ドラフト組が最大成果を挙げる為のキーマンは、この吉田投手であり大西君の存在だと感じてました。(杉山君も期待してますが、奥川君同様に多少時間を要した方が大きく育つと思っていましたし、吉田大西両名が頑張ってくれれば、何より奥川君への過度な期待が軽減出来ると思っていたので。)
そんな吉田投手が、近年の燕軍新人投手の中ではかなり早い段階で先発登板初勝利をもぎ獲ってくれたのは嬉しい限りです。試合後の高津監督の表情が緩みっぱなしだったのもわかります(笑)
しかもこれまでの数字をまとめていただいて思ったのが、初登板の数字を含めて考えても、彼の今のところの成績は今シーズンの先発登板を果たした投手の中で比較しても結構優秀な成績であることに気付きました。
正直タイプ的には高橋圭司なんかと比較すると、彼はそこまで見栄えの良いタイプではないかもしれません。しかしうちには石川、小川がおり、その手のタイプの選手にとっては大変手本になると思うので、是非燕軍の誇る現左右のエース達を参考にしながら、今後も大きく成長を遂げていって欲しいと思います。そして次は大西君の初勝利に期待したいです。
あと打線は少し考え方もそれにあわせて選手起用も変えてきましたね。(近年型の2番から従来型の2番のイメージでしょうか。)高津監督の柔軟さも光った1勝だと感じました。
珍しく全てがうまく運びましたね!
私としては宮本丈が活躍して嬉しい
ずっと何故神宮でのヒーローインタビューは一人なのだ?他球団は間に透明なパネルを置くだけで二人のヒーローを呼んでるのに……
と思っていたのですが遂にこの日のヒーローは吉田だけかと思いきや古賀がゲスト?で現れましたね(笑
やっぱ2人だと華やかというか話題も盛り上がる
しかしSB長谷川に陽性とか話題の中で密問題は良いのか?水かけの時からちょっと気になってましたがヒーローインタビューは喋るからやはり間にパネル置くかマスクしたまま応えたほうがいいんじゃないかなぁ
超匿名さんへ
若手選手の活躍は嬉しいですよね。吉田大喜のプロ初勝利はシンプルに喜ばしいことですよね。
JEF九郎さんへ
19年ドラフトで獲得した4投手全員が1軍で貴重な戦力になることを願っています。まずは吉田大喜が勝ち投手になりましたね。今後の成長が楽しみです。
saboさんへ
宮本は打席で自分の役割をよく分かっていますよね。そして意外なパンチ力も魅力的ですよね。
吉田大喜は前評判と違って、阪神にいた藪みたいな総合力で勝負する感じの投手な印象と、ルーキーで仕方ないのかもしれないけど、現時点では80球が限界点なのかな?と思います。
吉田大喜はこれっていう球種ないので、どうしても球数かさんでしまう場合多いけど、ある程度のコントロールあるので、試合は壊さない。
今後大西も含め上手く休ませながら、あと10回くらいの先発で今年は計80イニングくらい食ってくれたらと思いますね。
塩見が、
打ってくれることで左の強打者ばかりのスワローズでアクセントになってくれると良いですね。
あともうちょっと頭で野球を考えることできたらって思うけどね。
タラちゃんさんへ
藪ですか。ルーキーイヤーの投球はインパクトがありましたよね。
吉田大喜にとってフォークボールの精度というものが課題になってきそうですよね。