4番とエース。明暗分かれる。阪神VS村上かよ！

ヤクルト５－６阪神

4番村上とエース小川の明暗がはっきりと分かれるゲームとなった。それにしても小川はどうしてしまったのだろう？9月20日の広島戦の9回から突如として打ち込まれるようになってしまった。発熱での登板回避などもあったのだが、それにしても調子の落ち方があまりにも急過ぎる。

初回に村上のタイムリー2ベースが飛び出し、1点のリードを持ってマウンドに上がった小川だったのだが、1アウト後から板山、糸井、大山に3連打を浴び、あっという間に逆転をゆるしてしまうと、2アウト後にはボーアに2ランホームランを浴びてしまい、この回だけで4点を失ってしまった。続く2回も2アウトから近本、板山に連打を浴び、ここでマウンドを降りることとなってしまった。1回２／３での降板はあまりにも早過ぎる。しかし高津監督とするとここの所同じような投球が続いていたため、ここで代えないと歯止めが効かなくなってしまうと判断したのだろう。
先発投手が立ち直るのは難しいと判断して早めにマウンドから下ろすという采配は、今シーズン何度か目にしてきた。高橋であったり高梨であったりといった自分のボールを制御しきれないタイプの投手が早めに見切りを付けられることが多い印象があり、個人的にもやむを得ないと思っていたのだが、今日の小川の降板のタイミングは最低でも糸井までは小川で勝負してもらいたかった気持ちが強い。小川は曲がりなりにも現在のヤクルトのエースであるし、今日はボール自体は走っていなかったかもしれないが、コントロールに苦しんで、四苦八苦していた訳ではない。そう考えると糸井に打たれてから交代ということでも良かったように感じる。高津監督としては、小川の状態を総合的に判断して降板させたと思うのだが、あまりに負けが込んだことで高津監督自身が冷静さを失っていなければ良いのだが…只単に、同じような試合展開のゲームが続く中で我慢できずに投手交代に踏み切ってしまったという理由ではないことを願いたい。
小川に関してはもう一度何とか立て直して、2桁勝利にチャレンジしてもらいたい。

エースは結果を残せなかったのだが、4番村上は素晴らしい仕事をしてくれた。初回は2アウト1塁という場面で打席が回るとチームが苦手としている秋山からライト線へのタイムリー2ベースを放ち、先制点を奪ってみせた。チームに勢い、勇気を与えるような先制タイムリーとなった。しかしそのタイムリーも小川の乱調により、すぐに逆転を許してしまい、リリーフ陣も追加点を奪われ、試合の流れが一旦は完全に阪神に傾いてしまった。ここでもう一度流れを引き寄せかけたのも村上のバットからだった。5回に1アウト1，3塁のチャンスで打席に入ると秋山のアウトコースのシュートを上手く捉え、レフトスタンドに飛び込む3ランホームランを放ってみせた。村上にはこの技術がある。外角のボールを逆らわずにレフト方向に運ぶバッティングは甲子園というピッチャーズパークでも効果的である。技術的にも評価の高い一発になったのではないだろうか？そして2点ビハインドの9回2アウト1塁の場面では阪神のクローザースアレスから右中間を破るタイムリー2ベースを放ち、その差を1点まで縮めてみせた。結局後続が打ち取られて追いつくことは出来なかったのだが、今日の村上の打撃は数字的にも内容的にも文句の付けようのないものとなった。5打数4安打（1本塁打、3ツーベース）5打点とチームの全得点を村上のバットで叩き出してみせた。「阪神VS村上かよ！」状態である。

チームは最下位に沈み、打線では山田哲が欠場する中で、これだけ奮闘できる20歳に只々脱帽である。この所不調気味で打率も落としていたのだが、そんな中でも気持ちを立て直して、これだけのバッティングが出来るのだから末恐ろしい。どんなチーム状況でも自分のバッティングが崩れないのが村上の凄さである。2年連続でチームは最下位に沈んでいるのだが、村上については是非優勝争いの中で戦ってもらいたいという気持ちがある。村上はチームのために闘う意識が非常に強い選手のように感じる。そういった環境の中でより一層集中力を高められる選手のように感じる。
それにしても今日のバッティングは出色の出来だった。タイトル争いは首位打者争いは佐野がトップ、ホームラン王争いは大山がトップ、打点王争いは岡本がトップとなっている。この3選手に村上や鈴木、ビシエドなどが絡んでいく状況になっている。若き日本人選手達のタイトル争いは非常に見応えがある。村上にもタイトル獲得のチャンスはまだありそうである。


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