消化試合ではあるがオープン戦ではない。

ヤクルト０－２巨人

タイトルの通りの印象である。巨人のリーグ優勝が決まり、ヤクルトのリーグ最下位も決まっているため、完全な消化試合という形ではあるのだが、それでも公式戦である。オープン戦ではないのである。しかしヤクルトの試合内容はオープン戦と何ら変わらないと感じてしまった。消化試合のようなゲームが長らく続いてしまった弊害が出ているのだろうか？選手も首脳陣も「巨人を倒してやろう。」という強い気持ちが伝わってこない。残念である。

高津監督のカラーの1つとして選手のコンディションという面を重要視しているという部分がある。もちろんコロナ禍でのシーズンであったことやベテラン選手が多いことも影響しているとは思うのだが、リリーフ陣の運用方法、野手陣の休養日の与え方など、かなり慎重に選手を起用していた印象がある。開幕直後はこういった起用法でも勝ちを拾うことが出来ていたため、長いシーズンを通して考えれば、この起用法には賛同できると考えていた。しかし山田哲の不調や選手層の薄さからチームが機能していた時期は非常に短かった。チームが勝てなくなると選手を慎重に扱う高津監督の起用法に賛否の「否」の意見を多く聞くようになったように感じる。CSが無い異例のシーズンの中で、首位から大きく離されてしまい、例年になく早い段階で消化試合のようなゲームをこなすほかなかったこともあり、いつしかチームの勝利を最優先するよりも様々な選手にチャンスを与えながら、経験を積ませる方向に舵を切ることとなった。こういう起用法で一気に殻を破る選手が表れれば良いのだが、そんな虫のいい話は中々ないものである。実力で突き抜けられる選手が出て来なければ、ある程度平等にチャンスを与えながらゲームをこなすこととなるのだが、そうなるとチームとしての今シーズンの目標は見えなくなってしまい、試合前からビハインド状態でゲームに入っていくような錯覚にとらわれることも私の中では増えてきた。
最下位が決定した中で高津監督がこのような選手起用法を行っていることが正解なのか不正解なのかは来シーズンや来来シーズンに分かってくることだと思うのだが、あくまでも公式戦を戦っているということを考えるとファンとしては非常に苦しい野球観戦になってしまう。特に私のような野村ヤクルト時代を身近に感じながらヤクルトを応援してきた世代のファンには、巨人戦で今日のようなゲーム展開を許してしまうことに違和感のようなものを感じている人も多いのではないだろうか？

今日のゲームでは先発スアレスが素晴らしいピッチングを披露してくれたのだが、村上のタイムリーエラーで失点し、相手先発畠の前にプロ入り初完封を許してしまった。今のヤクルト打線では、中々得点を奪う雰囲気すらなくなってきているのだが、優勝した巨人でもバリバリの先発として活躍した投手ではないだけに、これだけ簡単に抑え込まれてしまうとショックは大きい。相手にプレッシャーを掛けることが出来る打者が青木と村上しかいないという状況では正直厳しい。それでも残り7試合、どんな選手を起用しても良いのだが、とにかく「勝ち」には拘ってもらいたい。このようなゲームが続いてしまえば来シーズン以降にも尾を引きそうで心配である。首脳陣も選手も目標が見出せなくなっているため、難しいことは理解しているのだが、最後の最後はファンのために気持ちを込めて戦ってほしい。そんな気持ちが伝わるゲームを希望する。


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