2020年戦力外選手

本日11月2日(月)、下記の選手に来季の契約を結ばないことを伝えましたので、お知らせします。

近藤一樹投手、山田大樹投手、田川賢吾投手、風張蓮投手、平井諒投手、山中浩史投手、ジュリアス投手
(東京ヤクルトスワローズ公式サイト引用)

コロナ禍における異例のシーズンの中で戦力外となる選手の数なども例年と変化があるかどうか?という部分に注目していたが、例年とそれ程変化を感じなかった。ドラフト後、70人縛りを撤廃する可能性はあるのか?という部分に言及させてもらったのだが、この段階でもまだ何とも言えないところである。
引退した五十嵐、中澤と合わせて投手9人がチームを去ることとなった。ドラフトでは育成を含めて投手は5人獲得しているのだが、今後の補強(補充)はどうするつもりなのだろうか?他球団から戦力外通告を受けた選手を拾う形になる可能性が高いのだが、本当に大丈夫なのだろうか?ドラフト後の感覚で行くと投手7人を戦力外というのは正直意外な結果だった。
それでは1人ずつ簡単に触れていきたい。

近藤一樹
・2016年シーズン途中に八木との交換トレードでヤクルトに移籍してきた。2017年シーズンからは、リリーフとしてフル回転し、チームのブルペンを支えてくれた。オリックス時代は故障が多く、右肘には爆弾を抱えていたと思うのだが、マウンドに上がれば、そんなことはお構いなしに目一杯腕を振る姿が印象的である。2018年シーズンのチームの躍進は、近藤無くしてはあり得なかった。最優秀中継ぎのタイトルも獲得し、「ヤクルトの近藤」を大いにアピールしてくれた。今シーズンもリリーフとして20試合に登板していたため、もう1年はチャンスを与えられるかな?と思っていたのだが、このタイミングでの戦力外となってしまった。チームとして重宝するタイプのベテランリリーバーのこのタイミングでの解雇は、意外といえば意外だった。本人なりにまだまだ投げられる感覚は持っているのではないだろうか?

山田大樹
・2017年シーズンオフにソフトバンクからの無償トレードでヤクルトに移籍してきた。大きな身体を持て余すことなく、スムーズなフォームから投げ込まれる姿がソフトバンク時代から印象に残っていたため、ヤクルトに移籍してきたときには個人的に嬉しかったことを覚えている。昨シーズンは、シーズン途中から先発ローテを任されると5勝を上げるなど、一時はヤクルト先発陣で最も安定した投球を披露してくれていた。今シーズンも開幕ローテを掴み、飛躍が期待されたのだが、自身2試合目の登板となった巨人戦で打ち込まれ、その後チャンスが巡ってこなかった。開幕カードの中日戦では山田大らしい投球を披露してくれていたため、ここまで調子を戻せないとは思わなかった。

田川賢吾
・「未完の大器」は、ヤクルトでは未完のままチームを去ることになってしまった。昨シーズン終盤にプロ初勝利を上げ、今シーズンは飛躍のシーズンにしたかったと思うのだが、1軍で登板することなくチームを去ることになってしまった。昨シーズン初勝利を上げた時には、「ようやくこのステージまで登ってきたか。」と感慨深いものを感じたのだが、その勝利を今シーズンに繋げることが出来なかった。ゆっくりとではあるが着実に階段を上り始めていたと感じていたのだが、成長スピードがあまりにもゆっくり過ぎただろうか?潜在能力を開花させることが出来なかった。

風張蓮
・2014年ドラフト唯一の生き残りだった風張もこのタイミングで戦力外となってしまった。2018年にはリリーフとして1軍での働き場所を得ていたのだが、その地位を守り切ることが出来なかった。ストレートの威力があり、変化球もある程度コントロール出来る投手だったのだが、中々1軍で結果を残すことが出来なかった。2軍ではほぼやることがないくらいの実力者だったのだが、とうとう1軍の壁を越えきれなかった印象である。

平井諒
・才能豊かな右腕も怪我に泣かされてしまった。コンディションが整っている時のボールは1軍で十分に通用し、特にストレートは空振りが奪える質の高いボールだった。身体さえ丈夫だったらヤクルトのリリーフの軸となり得る投手だったと思う。しかし最後までシーズン通して戦えるコンディションに持っていくことが出来なかった。才能があっても活躍できる選手は一握りであるというプロの厳しさを感じさせられた。田川同様高い潜在能力を開花させられなかった印象である。

山中浩史
・2014年のシーズン途中に川島、日高とのトレードで新垣と共にヤクルトに移籍してきた。翌2015年シーズンには先発として6勝を上げるなど、チームのリーグ優勝に貢献してみせた。シーズン通して活躍することは少なかったのだが、要所要所で好投し、チームを救ってくれた。今シーズンも初登板となった中日戦で見事な投球を披露し、8回無失点で相手打線を抑え込むなど、まだまだやれるところは見せてくれていた。ホーム神宮球場との相性という部分では苦しんだが、甲子園やナゴヤドームなどのピッチャーズパークではまだまだ投げられる姿を見せてくれている。年齢的に厳しい部分もあるかもしれないが、他球団でのプレーが見てみたい選手である。

ジュリアス
・「青田買い」でのドラフト指名という印象があったのだが、その才能を引き出すことが出来なかった。徐々に実戦でも投げられるだけのコントロールを身に付け始めており、チーム事情もあり、もしかすると今シーズンは支配下復帰のチャンスがあるのではないだろうか?と予想していたのだが、そこまでの結果を残すことが出来なかった。この手の高卒左腕の育成の難しさを感じることとなってしまった。

まだまだ現役にこだわりたい選手が多いようである。近藤や山中のベテランは、年齢という部分がネックになりそうだが、チームによっては働き場所があるのではないだろうか?コロナ禍による異例のシーズンだっただけにまだまだ燃え尽きていないという思いを持っている選手が多そうである。それにしても投手7人に戦力外通告という部分は多少驚きもあった。

戦力外となってしまった各選手には、これまでチームを支えて頂きありがとうございましたという気持ちでいっぱいである。現役続行希望を持っている選手には最後まで野球にしがみついてもらいたいと思う。陰ながら見守っていきたい。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     近藤はテンポ良くポンポン投げてくる姿勢が小気味よかったですね。ヤクルトでは投げて投げて投げ抜いてくれたという思いです。
     田川は二軍の映像は殆ど見る機会がないので、数字だけの印象からの感想になりますが、防御率が一点台なのに今年は一度も一軍に上げないままで戦力外というのは、本人からすればいささか理不尽に感じたのではないでしょうか。ここで切るのはもったいない気もします。
     風張はとうとうこの時が来てしまったかという思いです。14年ドラフトがこれで全滅なので、改めてあの年のスカウティングの不味さが浮き彫りになった形ですね。
     野手の対象者が無しというケースはありますかね?第二弾があるかもしれませんね。

  2. sabo より:

    ある程度覚悟してましたが想像より多いですね
    特に二軍で守護神の田川は意外でしたね
    一度くらい一軍でテストしても良かったのでは?
    蔵本が生き延びたのも正直意外。来季がラストチャンスだろうしケガに悩まされないことを祈る

    しかし投手は増えた数より減った数が多いので誰かしら獲得するでしょう
    期待としては楽天塩見辛島。このクラスなら「補強」と言えるでしょう

    あとは助っ人外国人の獲得。アメリカで試合がなかなか行えなかった一方で年俸の下落と出場機会を求めて日本に来る選手は多いはず。イノーアの代わりは獲得するでしょう。もしかしたらもう一人か二人更に投手を呼ぶかも。NPB全体としても助っ人の数は増える気がします

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    近藤は本当に良く投げてくれましたよね。リリーフでここまでフル回転してくれると思ってもみませんでした。怪我を繰り返しているにも関わらず、あれだけ腕を振って投げ続けてくれた近藤には感謝の気持ちでいっぱいです。

    野手陣は対象者なしもあり得ると思います。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    投手だけで7人というのは想像よりも多かったです。そういえば蔵本は残りましたね。来シーズンがラストチャンスでしょうね。

    外国人選手の獲得はどうなりますかね?コロナ禍の中でこれも読めないんですよね。

  5. タラちゃん より:

    今年のコロナ渦で近藤は割を食いましたね。
    普通の年なら高額年俸もらっている近藤にはもう1年やらせるとかできたでしょうし。

    山中は数少ないサブマリンでまだ期待したかったが、致し方なかったかな?
    ナゴヤドーム、甲子園専用投手なんで、
    パリーグかその2球場ホームにしているところなら面白いかな?
    2015年牧田とのサブマリン対決制してからの6勝は結果的に大きく優勝に貢献できましたね。

    近藤、山中などはこれを創造だけど、
    井野みたいに引退するならなんかしらの役職や引退イベントやるみたいな打診はあったと思うが、
    本人の意思を尊重したのかと思います。

    他の選手含め、
    今後の良い結果につながるよう、またスタッフなどで戻ってきたりと幸運を祈ります。
    ありがとうございました。

  6. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    そうですね。近藤に関してはそういった部分はありそうですよね。NPBのチームに拾われると良いのですが…
    山中は牧田との対決に勝利した試合が印象的ですよね。怪我で日本シリーズは投げられませんでしたが、リーグ優勝に貢献してくれた投手ですよね。

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