石川に勝ち付かず、最後は梅野がサヨナラ被弾。

ヤクルト２－３ｘ阪神

ヤクルト石川、阪神藤浪という対照的な先発投手がそれぞれ持ち味を出した中でのロースコアの接戦となったのだが、最後は梅野が大山にサヨナラホームランを浴びてしまった。中々上手く行かないものである。

石川に関しては、今シーズン最後となる登板で石川らしさを存分に発揮してみせた。3回に近本に先制タイムリーを浴びたものの、6回で70球を投げ、被安打３、与四死球1の1失点ということで先発としての役割を果たした。甲子園での阪神戦ということで多少割引いて考えなければならない部分もあるのだが、ストレート変化球を内外角にコントロールし、凡打の山を築く見事な投球内容だった。今シーズンの中で１，２を争う出来の良さだったのではないだろうか？今シーズンは開幕投手を務めたが、勝ちに恵まれず、2勝8敗、防御率4.48という数字に終わってしまったが、1試合平均5イニング以上は投げることが出来ており、現在のヤクルトの先発ローテの中では数字を残してくれた方である（寂しい話ではあるが…）。
スタミナという面では衰えを感じる部分もあるが、投球そのものはそこまで衰えを感じることはない。また来シーズンも技巧的な投球を見せてもらいたい。

リリーフ陣は、清水、梅野が被弾してしまった。清水に関しては、多少疲れがあるのかもしれない。終盤に来て、被弾が増えてきてしまっている。リリーフ投手であるためあまり気にする必要はないのだが、この辺りが勝ち星が転がり込んでこない理由なのかもしれない。この日の陽川のホームランはインコースのストレートをものの見事に捉えられてしまった。まだタイトル獲得のチャンスはあるためもうひと踏ん張りしてもらいたい。
梅野は大山に格の違いを見せ付けられてしまった。おそらくアウトローを狙ったストレートが高めに入ってしまったと思うのだが、バットの先でもあれだけ飛ばしてしまう大山の成長ぶりに驚いた。今シーズン一皮剥けた大山のバッティングは見事である。何かを掴んだという印象がある。あのアウトコースのストレートを甲子園の左中間に放り込む日本人バッターは阪神では久々なのではないだろうか？来シーズン以降ということを考える中で阪神にとって大山の存在は大きい。ヤクルトにとっては悔しいサヨナラ負けとなってしまった。

打線は荒れ球藤浪の前に苦しんだ。ヒットや四球で毎回のように塁上を賑わせたのだが、そこから藤浪を崩すことが出来なかった。もう一押しすることが出来れば、一気に得点を奪う可能性もあったと思うのだが、今の打線にそこまで期待することは難しいのかもしれない。藤浪降板後に塩見のタイムリー2ベースと西田のホームランで石川、清水の負けを消すことで精一杯だった。
塩見については、石川の負けを消す貴重なタイムリー2ベースを放ってくれたのだが、出来ればそのままランナーとして残り、石川に勝ちを引き寄せるような走塁も見せてもらいたかった。もちろんまずは1塁ランナーだった宮本がホームに生還するための手助けをしなければならないため決して「暴走」の類のものではなかったし、走者として難しい場面ではあったのだが、走塁でもチームに貢献しなければならない立場にある塩見であれば、ランナーとして残ってもらいたかった。この辺りはキャンプなどで鍛えて、来シーズン以降の成長を見守りたい。


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