2020年戦力外選手(2)

本日11月11日(水)、下記の選手に来季の契約を結ばないことを伝えましたので、お知らせします。

藤井亮太選手、上田剛史選手、田代将太郎選手
(東京ヤクルトスワローズ公式サイト引用)

過去記事はこちらから→「2020年戦力外選手

2011年シーズンの途中からこのブログを書き始め、毎年のように戦力外通告を受けた選手のことを取り上げてきたのだが、今日の上田の戦力外通告はこれまでで最も衝撃的だった。昨日の最終戦まで普通に1軍のゲームに出場していた選手が翌日にはクビを切られているのだから厳しい世界である。これは田代にも当てはまるし、ベンチ入りしていた藤井にも当てはまるのだが、ヤクルト一筋14年の上田がこのような形で戦力外となった衝撃が非常に大きい。
このタイミングで戦力外通告を行ったことに関しては、おそらくコロナ禍によるシーズンとなり、スケジュールが大幅にずれたことが要因になっているのではないだろうか?11月2日に7名の投手が戦力外となっているのだが、野手に関しては、11月2日のタイミングで戦力外にしてしまうと、その後の1軍のゲームに使い辛くなってしまうという事情があったのではないだろうか?まさしく今シーズンまでは戦力として考えているが、来シーズンからは構想外ということなのだろう。これまでのヤクルトは良く言えば「アットホームな球団」と呼ばれており、こういった形での戦力外は少なかったように記憶しているのだが、今回は非常にシビアな判断をした印象である。
それでは1人ずつ簡単に触れていきたい。

上田剛史
・このブログを書き始めた頃にネクストブレイク候補としてこの上田の名前を数多く挙げさせてもらった。私の中では「ポスト青木」として山田哲以上に期待値の高かった選手である。スピードを活かしたプレースタイルでヤクルトを引っ張る選手になると想像していたものである。しかし怪我もあり中々レギュラーに定着することが出来ず、ここ数年はベンチを温めることの方が多くなっていた。冷静に数字だけを見れば、年齢的にも戦力外はあり得るのだが、それでも代走や守備固め含め、ベンチには欠かせない存在にはなっていただけに、このタイミングで戦力外には驚きしか感じていない。
一時上田を強く推していたファンの一人として、9月16日のゲームでのフェンスにぶつかりながらもファールフライをキャッチし、勝利を掴み取ったゲームで、このプレーをブログ記事として書かなかったことを強く後悔している。
年齢的にもプレースタイル的にもここ数年のスタッツ的にもヤクルト以外のNPB球団に興味を持ってもらえるかどうか微妙なラインだと思うのだが、好きな選手だけに何とか働き場所を得てもらいたい。

藤井亮太
・走れる捕手としてプロ入りし、プロでは内外野を守れるユーティリティープレーヤーとして存在感を放ってみせた。チームが歴史的大敗を喫した2017年シーズンには三塁手として身体能力の高さを活かした派手な守備で私達ファンを魅了してくれたのだが、2018年シーズン以降に出場機会を増やすまでには至らなかった。上田同様身体能力の高い選手だったのだが、最後まで野球というスポーツにアジャスト出来なかった印象である。ユーティリティープレーヤーだけにもう1年はチャンスを与えられるのかな?と感じていたのだが、このタイミングで戦力外となってしまった。

田代将太郎
・田代については、2017年に西武を戦力外となり、その後ヤクルトに移籍してきた選手であり、正直シーズン前からかなり厳しい立場にいる選手の一人ではあったのだが、今シーズンは1軍での出場機会を増やしていたためてっきり来シーズンも契約を結ぶものだと思っていた。上田同様昨日のゲームに出場しながら翌日には戦力外となってしまった。

それにしても身体能力の高い30代前半の3選手を同じタイミングで戦力外にするとは思わなかった。上田は報道陣に「頭の整理が出来ていない。」とコメントしているようだが、私自身もちょっと頭の整理が追い付いていない。ドラフトで育成契約含めて10名を指名していたため、てっきり70人縛りをやめるのかな?と思っていたのだが、この様子だと来シーズンも70人以内の選手で戦うことになりそうである。

最後にはなりましたが、今回戦力外となった3選手にはありがとうございましたの声を掛けたいと思う。

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コメント

  1. sabo より:

    まさか上田も!と驚きました。とにかく今年の上田は印象が良かった。他人のホームランでパフォーマンスしたり、決死の大ファインプレーもあった。成績はヤバかったですが。

    ただ私はフロントから三人ともあくまで最終戦まで来季の戦力になるか見極められていたと信じたいですね。来年いないことが決まってるならフェニックスに参加してない雄平を一軍招聘するのが筋だと思うし。

    その上で上田はやはりケガがまだ癒えてないのがプレーに出てしまったと思います
    あの伝説的ファインプレーが命取りになったなら上田らしいかも

    私としては中澤や井野含め引退を決めた選手については来年のオープン戦でセレモニーがあってもいいんじゃないかと思うんですよね

    ところで三人の戦力外が意外だったのは既に10人退団が決まっていたこともありますよね。70人縛りにしてもこのままだと育成含め70人わりますよ。確か助っ人除く育成含めて61人じゃなかったかな。

    これでヤクルト2014ドラフト以前の選手は石川、雄平、青木、川端、中村、荒木、山田、西田、石山、小川、西浦だけ(結構いた)
    あとは2015ドラフト以降の選手。小川さんがSDになってからのドラフトです。そろそろ悪名高き2011や2014ドラフトは過去の話かと。今の選手はほぼ小川チルドレン。そろそろ小川淳司の真価が問われる。(私は小川さん贔屓なのですがそろそろ結果を)

  2. iraca より:

     管理人さんの考えを聞いて、「正しい答えなんか絶対にないんだな」というのを改めて考えさせられました。
     上田が戦力外だと知ったとき、私は「やっぱりな」という感想を持ちました。
    それは上田と藤井が11/1に昇格してきたときに「若手と入れ替えてまで二人を上げる理由は何だろうか?」と考えて、「きっと田代も含めて誰を戦力外にするか決めるつもりなんだろうな」って思っていました。しかし、蓋をあけてみると三人ともクビだったので、謎は深まるばかり。デイリースポーツの記事に多くのファンの方々がコメントしているのを見て、「ああ、上田は記憶に残る愛された選手なんだな」と感じました。それなら最終戦まで使っていた理由は何なんだろうか?絶対にスワローズ側も功労者とまでは言えないまでも、上田がファンから愛されていたのはわかっていたはずです。それで私は考えました。

     以前、CS放送でドラフト会議の直前特番があった折に槙原寛己氏が「プロ野球の親会社も企業だから、高卒よりは大卒のほうがいい」というような発言をされていました。さらに言ってみれば、球団職員を打診することは「引退してくれ」と言っているようなものだと思います。だから、上田のためにしてあげられることはないかと編成も少しは悩んだのではないでしょうか?私は今年のトライアウトがコロナウイルスの影響で12/7(月)だということに違和感を覚えました。今年の予定は遅れているのに、来年のキャンプインが2/1だとするならば……今年中に編成が決まっていないといけないのではないかと。そうすると、トライアウトが一度きりだとすれば他球団への移籍は高い確率でないも同然。そこで少しでも記録や映像に残って、わずかだったとしても他球団のスカウトの眼に止まってくれるならと、シーズン終盤での起用をした。私はそう解釈しました。私の見方は多くのスワローズファン、プロ野球ファンから見たら異質かもしれません。でも田代も藤井も起用していたのを考えると、野手の戦力不足というよりそういうことだったんじゃないかなと思いたいですね。(ただ、青木や坂口を休ませる意味合いもあったのかもしれませんね)
     ベテランの青木、坂口、雄平が上田よりも実績がある。左打ちである。若い外野手に足の速いのが増えた。様々な要因が重なってしまった結果です。でもパフォーマンスにかける比重が少し多かったのかもしれません。現に青木のいない間にレギュラーを取れなかったのが最大の要因だと言えるでしょう。ですが功労者の定義を「チームの戦力として支えてくれた人」だとすれば、上田はファンの心を支えていたのでないかなとも思うのです。どうかこの一件で球団側とファン側の溝が深まらないことを切に願います。

  3. 超匿名 より:

     なんと言っても上田ですよね。レギュラーとしては物足りなくても、バント、代走、守備固めなど脇役としてのチームを支えてくれたことが印象に残っています。賛否両論あるみたいですがカメラパホーマンスなんかもしていましたね。チームに対して監督がエスコバーを評した言葉を借りれば、数字以上の貢献がある面もあったと思います。上田の戦力外が、連続最下位に対するフロントの危機感の表れならまだ救われますかね。ある意味でヤクルトスワローズのチームカラーを表している選手だと思っていたので、こういう形で退団することになったのは残念です。

  4. パイン より:

    今年も連日の更新お疲れ様でした。あまりの弱さに書きにくい時もあったと思いますが、深い洞察と優しい考察に変わらぬヤクルト愛を感じることが出来ました。さて、3人の戦力外ですが、上田の反応から事前の打診もなく問答無用で告げられたようで、驚きました。これまでのファミリー的対応を変えたのか、説明不足なのかはわかりませんが。上田は、青木の後釜と言われながらポジション掴めなかったですね。その青木より先に戦力外通告とは思いませんでした。藤井は、下位指名で初めから便利屋的に使われていた印象です。1軍に上がってポカが続いた時も、しっかりとプロの野球を指導されてないと残念に思いました。田代も球際に甘い所はなかなか改善されませんでしたね。その意味では1軍での経験、実績のある上田は別格でしたが、青木、坂口、雄平のベテランに代わるのは彼等ではなく、次の世代ということでしょう。もう一つ、斎藤コーチの辞任は意外でした。終盤にきて高津のやり方が少しわかってきた気がしたのですが、これは誤算だったでしょうか。何か行き違いがあったか、何処かに引き抜かれたか、その両方かでしょう。この先も目が離せませんね。

  5. タラちゃん より:

    まずわかったこと。
    最下位になったことで高津監督が使おうとしている選手でも容赦なくフロント小川GM主体でチームつくりしていて、高津監督の発言権がほぼ無いこと。

    上田にしてもエスコバーにしても、高津監督としては来年も使うつもりで最終戦で起用していたいみたいだが、
    上田に最終戦終了翌日に戦力外通告。それもチームスタッフの打診さえなかった。
    エスコバーには「サードでこの成績では厳しい」と。

    となっており、
    今シーズンオフはフロント重視でいろいろと動いているのだろうね。

    上田に関しては肯定も否定もしない。
    コロナ渦もわかるし、かと言って生え抜きでここまで活躍したのでチームスタッフで残したら、1年育成でとかもありなのか?っていうのもある。もしくは早めに戦力外通告しておいて、引退ならイベントするとかね。もっと上手い対応できたのかな?って思うところもあるね。

    正直NPBでは厳しいとは思う。
    ただ、独立リーグなどでコーチ兼任などで独立リーグの選手に良い影響を与えてくれて、スワローズからコーチなどで帰ってきてくれ!って、
    大松コースで戻ってくるところ祈ります。

    今後もいろいろな情報よろしくお願いします。

  6. sabo より:

    ストーブリーグがにわかに熱くなってきましたね
    コーチの退団に新コーチの発表
    そしてやはりFA

    私としては球団フロントの考えに共感もしくは納得があります
    FA3人への提示は最大限の評価だと思うし、特に山田への大型提示は誠意(お金)を超えた(山田哲人と心中する)覚悟を見せたと思います
    無論、SBや楽天や巨人は更に高い金額を提示できるでしょうが、ヤクルトではホントにギリギリのギリというか小川GMはどこからこの金額を引き出せたのかなと思う。

    決断してもらうまでもどかしいところですが、しばらくはかかるでしょうからフェニックスリーグ楽しみます(笑)

  7. FIYS より:

    saboさんへ

    上田は冷静に考えると数字は残せていないんですよね。それでもこのタイミングでの戦力外には驚きましたが…

    結局70人縛りを続けそうですね。

  8. FIYS より:

    iracaさんへ

    どんな経緯で戦力外になったのか?という部分は気になってしまいますよね。しかしこういった話は表に出る話でもないし、出すべき話でもないと思うので、深追いしないことが一番ですかね。

    iracaさんの見立ても鋭いと思います。

  9. FIYS より:

    超匿名さんへ

    ムードメーカー的な役割は果たしてくれていましたからね。このタイミングでの戦力外は驚きです。

  10. FIYS より:

    パインさんへ

    上田も藤井も田代も年齢的に伸びしろがなく、働き場所がないと判断されましたかね。

    高津監督と斎藤コーチの間には多少の考えの相違はあったのではないかと予想します。どちらが正しいとかそういった話ではないのですが…シーズン終盤になっての配置転換もありましたからね…

  11. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    GMと監督の方向性がズレると不安な部分もありますが、多少の緊張関係も必要ですよね。

    しかし高津監督の場合、やりたい野球と選手の駒が合っていないのではないか?という部分は多少感じています。

  12. FIYS より:

    saboさんへ

    FAの3人は必要な人材ですからね。報道を見ていると引き留めようとする球団の意思は伝わってきました。ファンとしては待つのみですね。

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