井岡一翔VS八重樫東

WBC世界ミニマム級王者井岡一翔　VS　WBA世界ミニマム級王者八重樫東　の世界王者統一戦が６月２０日に迫ってきた。
私は、ボクシング観戦も好きで幼い頃から世界戦はテレビ観戦してきたのだが、最近の日本ボクシング界は、個性的で世界に通用するであろうボクサーが何人も存在する。黄金期と言っても間違いではない状況ではないだろうか？しかしボクシング人気は、私の幼い頃に比べて低下しているように感じる。世界戦の地上波中継も昔に比べてかなり減ってしまった印象がある。
今回の日本人チャンピオン同士による世界王者統一戦もボクシングファン以外の人達には、あまり認知されていないのではないだろうか？今回の一戦を中継するTBSでは、辰吉ー薬師寺戦と比較しているが、あの一戦は、辰吉のカリスマ性も相まって国民的行事となっていた一戦だ。その一戦と今回の一戦を同列に語るのは少し無理があるように感じる。
それでも私は、今回の統一戦を非常に楽しみにしている。両選手ともに応援しているボクサーだからだ。井岡、八重樫ともにアマチュア時代からのスター選手で、ともにプロデビューから７戦目で世界戦に挑戦している。
八重樫は、当時難攻不落の王者だったイーグル京和の前に全く歯が立たず大差判定負けを喫してしまう。ここから八重樫のボクサー人生は、苦戦の連続となって行く…
一方の井岡は、７戦目で八重樫を退けたイーグルを破ってチャンピオンとなり無敗のまま６度の防衛に成功してきたオーレドンに挑む。この頃のオーレドンは、精彩を欠く戦いが続いていたため、井岡にも充分チャンスはあると予想されていたが、予想通り、５回に見事な左ボディブローでオーレドンをマットに沈め、日本人最速のプロデビュー７戦目での世界タイトル獲得となった。その後２度の防衛に成功し、順風満帆なボクサー人生を送っている。
世界戦に敗れた八重樫は、その後不調に陥る。日本人選手に敗れたり、苦戦したりの連続で、エリートボクサーの面影は消え失せかけていた。それでも日本タイトルを２度防衛し、昨年１０月再度世界戦に挑戦する。チャンピオンのポーサワンと壮絶な打撃戦を繰り広げ、両者フラフラになりながらも１０回TKO勝利を納め、WBA世界ミニマム級王者に輝く。

そして来る６月２０日に両者は拳を交える。私の予想では、９－１で井岡有利と見る。どんな相手でもしっかり自分のペースに持ち込める井岡を崩せる選手はそういないだろう。１度目の防衛戦の相手エルナンデスは、それなりの強敵だったと思う。そのエルナンデスに対し、明確な判定勝利を納めた試合を見て、井岡の実力は本物だと感じた。まだまだ伸び盛りの２３歳。よっぽどのことがない限り、井岡有利は動かないだろう。
それでも八重樫に全くチャンスがないとも言い切れないだろう。八重樫の特徴である早いフットワークで井岡をかく乱することができるようだと面白くなりそうだ。しかし井岡もスピードがあるボクサーだけに簡単に攻略することは出来ないだろう。それほどまでに井岡有利と見ている。
個人的に１０－０ではなく９－１としたのは、訳がある。これまでの井岡の八重樫への挑発的な発言を聞いていると打ち合いに応じる可能性があるからだ。「打たせずに打つ」のが井岡のボクシングだと思うのだが、今回は、ボクシング界のことも考え、井岡自身が足を止めての打ち合いを仕掛ける可能性があると考える。打ち合いになれば八重樫にもチャンスはあるだろう。
エリート井岡VS元エリート八重樫、１ラウンドから目が離せない統一戦となりそうだ。


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