恵みの雨。結果的に最高のゲーム。

ヤクルト１０ｘー１西武（5回裏雨天コールド）

チームとして踏ん張りたいゲームで奮闘してくれたのは20年目のベテラン石川だった。雨が降りしきる難しいコンディションだったのだが、味方打線の大量援護もあり、5回1失点で西武打線を抑え込んでみせた。その後雨脚が強まり、コールドゲームとなったため、結果的には石川が完投勝利を上げることとなった。リリーフ陣の負担が大きくなっている中で完投勝利ということで、結果的には最高のゲームとなった。

①石川雅規
・今シーズンは、シーズン前のオープン戦で打ち込まれ、2軍スタートとなり、その後甲子園の阪神戦で初登板となったのだが、藤浪に一発を浴び、負け投手となっていた。そこから登板機会に恵まれていなかったのだが、2軍で結果を出し続け、ようやく1軍の先発マウンドに帰ってきた。年齢的な衰えも多少なりともあると思うのだが、この日の石川のピッチングはいつもの石川らしいピッチングとなった。内外角にストレート、変化球を丹念に集める投球は芸術的である。西武の先発高橋が雨のマウンドに苦しんでいたのは対照的に悪コンディションでもいつも通りの投球を披露してくれた。
この日の石川の投球は、チームを鼓舞するに十分な姿になったのではないだろうか？雨の中での芸術的な投球も打席での３つの送りバントも20年間プロの第一線でプレーし続けた男の技術が詰まっていた。

②青木、山田、村上
・ここ数試合打線は湿りがちであり、特に主軸に当たりが止まっていたのだが、この日は2番青木、3番山田、4番村上にそれぞれホームランが飛び出し、西武先発の高橋から3回で10点を奪ってみせた。やはり主軸が仕事をすると打線は繋がってくる。山田はここの所絶不調であり、かなり心配をしていたのだが、この日は高橋のインコース高めのストレートを左中間スタンドへ運ぶ3ランホームランを放ってみせた。多少甘めのコースではあったのだが、山田らしい捌きを見せてくれた。おそらく一気に数字を上げてくるような状態にはないと思うのだが、メンタル的には少し楽になる部分もあるのではないだろうか？少しずつ取り戻していってもらいたい。
青木は、この日も2番での出場となったのだが、2安打1ホームランと結果を残してみせた。ホームランに関しては、高橋のインコース低めのストレートに対して最短距離でバットを走らせ、ライトスタンドへ弾丸ライナーでぶち込むという打撃技術が詰まったホームランとなった。高橋の調子が悪かったことを差し引いても素晴らしいホームランだったと感じる。こういったバッティングが出来るということは青木に関しては、ここから数字も上がってくる予感がする。楽しみである。
そして交流戦に入る前辺りから調子を落としていた村上にも一発が飛び出した。村上に関してはスイング自体はそれ程崩れているという印象はなく、そこまで心配していなかったのだが、結果が出ない試合があまりに長く続くようだとメンタル的な部分が崩れる心配もあったため、ファンとしてホッとしている部分がある。もう一度状態を上げていってもらいたい。
青木、山田、村上にホームランが飛び出し、先発野手全員安打での10得点というのはここ数試合の貧打からは想像できない結果となった。

③恵みの雨
・正直この日は、試合前から雨予報が出ていたため、試合は中止になるものだと思っていた。今シーズンはここまで中止となるゲームが多く、このまま中止が増えるとシーズン終盤のスケジュールがタイトになることが予想された反面、中止になればリリーフ陣を休ませることが出来るという考え方も出来るシチュエーションだった。
結局雨の中でゲームが行われることとなったのだが、そのことが結果として石川の完投勝利という想定外の結果をもたらした。雨に関しては人間がコントロールできるものではなく、中止になる可能性もノーゲームになる可能性もあったのだが、しっかり試合が成立した直後の雨天コールドということでヤクルトにとって「最高の雨」となった。
こういったゲームでのラッキーな勝利を今後のゲームに活かしてもらいたい。


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