今後を見据えた中での引き分け

ヤクルト３－３中日

試合を見ていた訳ではないので、分からない部分はあるのだが、個人的には高津監督は今後も見据えた中でのゲームマネジメントを行い、その中で今日のゲームも勝ちを拾いに行ったのでは？という印象のゲームとなった。青木を休ませたこと、嶋を先発起用したこと、石川を5回で降板させたことなどは、今日のゲームだけを考えるのであれば、あり得なかった采配だったように感じる。特に石山が2軍で調整中であり、近藤、梅野を欠く中で6回から継投に入った部分については、今後の戦い方を強く意識した中での投手起用だったように感じた。

先発の石川は、バンテリンドームでの中日戦というシチュエーションであれば、それなりに投げてくれるのでは？と思っていたのだが、期待通りの投球を披露してくれた。5回で67球を投げ、被安打３、与四死球1の無失点ということで、先発としての役割をある程度は果たしてくれた。正直言うともう1イニングは投げてもらいたかったのだが、高津監督は6回表の石川の打席で代打を送り、5回でお役御免となってしまった。
私の予想としては、今後日曜日の先発は石川を基本線にしようという首脳陣の意図があるのではないか？と感じた。石川には中6日できっちりローテを回ってもらう代わりにイニングは5回、球数は80球程度を目安とし、その分リリーフ陣を惜しげもなくつぎ込む展開を意識しているのではないだろうか？しかし今シーズン開幕時はクローザーだった石山の不調、シーズン序盤のブルペン陣のMVO候補近藤の長期離脱、梅野の離脱とリリーフ陣が整わない状況にあるのだが、今後石川を先発ローテできっちり回すのであれば、6回以降の継投をどうするか？という部分は考えていかなければならない。
今日は6回に星、7回に今野というリレーを考えていたと思うのだが、6回に星が三ツ俣にソロホームランを浴び、結局6回を投げ切ることが出来ず、6回2アウトから今野がマウンドに上がる形となってしまった。今野はしっかり無失点で中日打線を抑えたのだが、8回にマウンドに上がった清水がビシエドに同点2ランホームランを浴びてしまった。
やはり今日だけを考えるのであれば、もう1イニング石川に任せるという考え方はあったと思う。しかし今後を見据えた中で戦うのであれば、6回は星に任せ、それでも勝ち切りに行くという戦術は「あり」だったと思う。その起用法に星が応えられなかったということになるのではないだろうか？
石川に勝ちが付かなかったのは残念だったのだが、石川に勝ち星を付けることが高津監督の仕事ではない。あくまでもチームの勝利、リーグ優勝のために働くのが監督の仕事である。そう考えると今日の高津監督の采配は間違っていなかったと感じる。

打線は苦手としている中日の先発勝野相手に、初回は村上のタイムリー、2回は塩見のタイムリーで幸先良く序盤に2点を奪ったのだが、その後は打線の繋がりを欠いてしまい、今日は結局13安打で3得点と金曜日のゲームとは正反対のようなチャンスを活かせない展開となってしまった。特に4回は1アウト2塁から塩見が右中間を破る2ベースヒットを放ったのだが、2塁ランナー嶋の判断ミスによるホームを陥れることが出来なかった。このプレーは終わってみれば非常に痛いプレーとなってしまった。嶋に走塁面で多くのモノを求めている訳ではないのだが、野球をよく知っている選手だけに「当たり前のことを当たり前にこなしてほしい。」選手である。今日の走塁ミスの場面については、相手チームが嶋を惑わすようなトリックプレーを敢行したわけでもなく、普通に冷静な判断が出来ていれば3塁で止まるような場面ではなかった。石川を巧くリードし、打撃でも2安打を放ったのだが、それだけに走塁ミスが目立ってしまった。

阪神、巨人にプレッシャーを掛けるのであれば勝ちたかったゲームではあるのだが、これだけ下手な野球をしながら負けなかったという見方も出来ると思う。次の阪神との神宮での3連戦でしっかり勝ち越してもらいたい。


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