後半戦のキーポイントはDeNA戦になるはずだ。

ヤクルト４－１DeNA

約1か月のオリンピック中断を経て、今日から残り60試合の後半戦がスタートした。セリーグは上位3チームと下位3チームとでゲーム差が大きく離れる中での後半戦となった。首位阪神は5位広島相手に2勝1敗、2位巨人は4位中日相手に3連勝と下位チーム相手にしっかり勝ち星を重ねてみせた。そんな中で3位ヤクルトも6位DeNAには取りこぼしたくないシチュエーションではあったのだが、DeNAに関しては、現在の戦力を見ると6位に沈むチームの戦力ではないというのが私の見立てである。正直簡単に勝てる相手ではないと思っている。特に今日のゲームに関しては、先発の今永が今シーズン1番ではないか？と感じるくらいキレのあるボールを投げていただけに、相当苦しいゲームになることが予想された。しかしヤクルト先発の奥川が今永に負けない投球を披露し、打線は6回にオスナの2点タイムリーで逆転に成功し、その後きっちり追加点を奪い、リリーフ陣も勝ちパターンの清水、マクガフがDeNA打線を抑え、理想的な形で勝利を手にしてみせた。
強いチームの勝ち方である。阪神、巨人と比べると選手層で劣っている部分があることは否めないが、奥川が本格化し、山田の身体がキレるようになり、助っ人外国人選手が数字を残しているため、阪神、巨人に粘り強く喰らい付いていけば、ワンチャンスありそうな雰囲気が漂い始めてきた。今後の戦いが楽しみになるような、後半戦最初のゲームとなった。

奥川はDeNAのエース今永相手に一歩も引かない素晴らしい投球を披露してくれた。7回を被安打４（被本塁打１）、無四球の1失点で5勝目を上げてみせた。開幕前の段階では、まだまだボールにキレがなく、ストライクゾーンで勝負しては打ち込まれる場面が目立っていたのだが、ストレート、変化球ともにキレが出てくるとプロの打者でも簡単には打ち崩せないのが奥川という投手である。元々完成度が高く、早い段階で1軍の戦力になる投手だと見立てていたが、昨シーズンの怪我での離脱もあり、1年目の初登板と2年目のオープン戦の投球を見る限りでは、もう少し時間がかかるのかな？と感じる部分もあったのだが、交流戦後は、4試合続けてQSを達成するなど、安定感に磨きがかかっている。とにかく与四死球の少なさは高卒2年目の投手とは思えないものである。それでいて三振が奪えるところに奥川の非凡さが表れている。今日のゲームでは９つの三振を奪ったのだが、オースティン、ソトから2個ずつ、ピンチの場面で佐野からも三振を奪っており、明らかにギアを入れ替えて投げている姿を見せてくれた。プロの世界でこういった投球が出来るということは、今後も安定感のある投球を継続できる可能性があるということだと思う。同期ではオリックスの宮城が素晴らしい成績を残しているが、ここ数試合の投球は奥川も負けてはいない。世代№1投手と言われた投手だけのことはある。今日の1勝は奥川にとってもチームにとっても大きいはずだ。

打線は今永の前に5回まで無得点に抑え込まれてしまったが、これは致し方なかったと考える。初回から今永のボールはキレていた。こういう時の今永を打ち崩すのは容易ではない。前回対戦した時は今永の復帰戦であり、ボールの走らない今永を立ち上がりから打ち崩すことが出来たのだが、その後徐々に調子を上げ、今永自身後半戦の開幕戦に向けてしっかり調整してきたことが伺える投球内容となった。マウンドからベンチまでダッシュする姿を見て、メンタル的にもノッていると感じた。
しかしそんな今永相手でも先発奥川が最少失点でDeNA打線を抑えたこともあり、じわじわとプレッシャーを掛けることに成功したのが6回の攻撃だった。1アウトから塩見がヒットで出ると2アウトとなった後の山田の打席で塩見が盗塁に成功し、チャンスメイクすると山田、村上が連続四球を選び、2アウト満塁とチャンスを広げてみせた。このチャンスで勝負強いオスナが今永の低めのストレートを捉えると打球は三遊間を破る2点タイムリーヒットとなり、逆転に成功した。
今永が好調な中でも奥川が好投し、1点ビハインドの状況で今永にプレッシャーを掛けたこと、塩見が足でチャンスメイクし、オリンピックで好調だった山田、村上が打席で今永にプレッシャーを掛けてみせた。おそらく今永はオスナに打たれたことは悔やんでいると思うのだが、それと同じくらい山田、村上への四球も悔やんでいるはずである。チームとして相手にプレッシャーを掛けた中での逆転劇ということで、本当に理想的な形のゲームを見ることが出来たと感じている。7回の塩見のタイムリー3ベース、8回の中村のタイムリーヒットに関してもエラーや四球でもらったチャンスをしっかり活かすことが出来ている。今日出来たことを阪神、巨人相手にどこまで再現できるだろうか？まずは来週の巨人との2連戦に注目である。

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