安心できる展開に持ち込んだと思ったのだが…

ヤクルト4-5広島

村上の2本のホームランと元山のホームラン、青木のタイムリーで5回まで4-0とリードを奪い、完全に主導権を握ることに成功していたし、先発の田口も安定していたため、正直負ける要素が見当たらないように思えた。しかし6回裏に守備のミスも重なる中で一挙に5点を失い、試合をひっくり返されてしまった。17日の巨人戦の振り返り記事でミスが重なると大量失点に繋がることがあると書かせてもらったのだが、今日はまさにそんなゲームになってしまった。

初回から5回までは完全にヤクルトペースで試合が進んでいった。2回は先頭村上が九里の初球を左中間スタンドに運んでみせた。決して甘いコースのボールではなかったと思うのだが、外角低めでもストライクゾーンのボールであればスタンドまで持っていけるのが、村上である。3回の元山のソロホームランも九里の外角のボールをレフトポール際に運ぶ逆方向への一発となったのだが、この一発は元山の成長を感じることが出来る一発となった。ルーキーイヤーながら、ここまで多くの出場機会を掴んでいるのだが、逆方向にこれだけ飛ばす打撃はあまり見た覚えがない。同じようなバッティングがコンスタントに出来る状況ではないと思うのだが、「こういった打撃が出来た。」という事実が大切である。また一つ成長した姿を見せてくれた。4回の村上のソロホームランは広島バッテリーが内外角にボールを散らした中でインコースにカットボールを投げ込んで来たのだが、このボールに村上が上手く反応してみせた。こういったバッティングを見せられると、今後ゲームで広島バッテリーは村上の勝負し辛くなるのは間違いないだろう。2本のホームランともに村上の高い技術を証明するようなホームランとなった。
5回のチャンスでは塩見のヒットでホームを狙ったサンタナが刺されて、一旦は流れが途切れたかのように思えたのだが、続く青木がしっかりタイムリーを放ったため、これでかなり優位になったと感じたのだが…

ヤクルト先発の田口は初回のピンチをしっかり無失点で切り抜けると、その後は積極的にスイングを掛けてくる広島打線を巧く交わすように危なげなく5回まで無失点の投球を披露してくれた。球数も少なく、ある程度長いイニングを投げることも視野に入ってきたのだが、6回に流れが一変してしまった。正直先頭の菊池涼にソロホームランを浴びたことは、試合の流れにはそれ程影響はないと思っていたのだが、続く代打中村奨にボテボテの内野安打を許したところから、嫌な雰囲気が漂い始めた。これも野球というゲームの面白味の一つではあるのだが、ここからアウトが取れなくなってしまう。続く野間にもヒットで繋がれると、長野のショートゴロを元山がエラーし、1点を失うと完全に流れ自体も失うことになってしまった。小園にもタイムリーを浴び、1点差となった所で田口から大下にスイッチするのだが、その大下も鈴木にタイムリーを浴び、同点に追い付かれると、その後のピンチで松山に犠牲フライを浴び、この回一挙に5点を奪われ、試合をひっくり返されてしまった。
5回までは積極的にスイングを掛けてくる広島打線の戦略がどちらかというと裏目に出ており、田口ー中村のバッテリーを楽にしているようにも見えたのだが、6回はその積極性の前にヤクルトバッテリーが成すすべなく飲み込まれてしまった。ラッキーなヒットやミスが重なると試合の流れが一変してしまう怖さを感じるゲームとなった。

阪神、巨人が敗れていただけにしっかり勝っておけば、大きな1勝になると思ったのだが、嫌な形での逆転負けとなってしまった。こうなると21日のゲームが大切になってくる。とにかく勝ちが欲しいところである。

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