日本ハムと巨人は20日、日本ハム中田翔内野手(32)のトレード移籍について合意したと発表した。
中田は同僚選手への暴力行為で無期限出場停止処分となっていた。11日に野球協約第60条(1)項を適用して、コミッショナーにより「出場停止選手」として公示されていたが、20日をもって処分解除となるという。
中田は今月4日に行われたエキシビションマッチDeNA戦(函館)の開始前、同僚選手に対して暴力行為を行ったことが判明。事態を重く見た球団は、試合中に同選手へ球場からの退場と自宅謹慎を命じるとともに、詳細な調査の結果、1、2軍すべての試合の出場停止処分としていた。
腰痛に悩まされた今季は打率1割9分3厘、4本塁打。栗山英樹監督(60)が16日、「正直、このチームでは難しいかなっていうのは思っていて」とした上で「何とか、何とか、何とかもう1回、再生するチャンスをもらった中で野球をやらせてやりたい」と、他球団へ放出の可能性をにおわせていた。
(日刊スポーツ引用)
衝撃的なトレード劇である。近年はSNSの発展もあり、様々な不祥事が表に出ると、そこから大炎上し、スポーツ選手や芸能人などの著名人が仕事に復帰できない事案が多くなっている印象がある。正直中田に関しても今シーズンは、このまま出場出来ず、シーズンオフに日本ハムから放出となる可能性が高いのかな?などと勝手に想像していたのだが、事態は電撃的に動いた。すでに報道がなされているが、日本ハムの栗山監督が直接巨人の原監督に連絡を入れ、今回のトレード話がまとまってきた経過があるようである。
私はプロ野球を見始めてから30年以上が経過しており、過去に何度も巨人の選手獲得について不信感を感じてきたことがあるのだが、私自身は今回のトレード劇に関しては、不信感は感じていない。今回中田が日本ハムの選手にどのような暴力行為を行ったのか詳細は分からないのだが、最近の世間の流れというものを考えると中田が野球から離れざるを得なくなる可能性もなくはなかったと思うし、日本ハム以外のNPBの球団が暴力行為により球団から出場停止処分を受けている選手の獲得に向かうこと自体に大きなリスクが存在していることは明らかだった。そんな状況でも栗山監督の相談を受けて、自チームに迎え入れようとした原監督の判断は、1人の野球選手の選手生命を救うという意味ではこれ以上ない英断だったのではないか?と感じている。
日本ハムのチームの雰囲気がどうなっているのかは分からないし、こういう状況を作ってしまった栗山監督にはもちろん責任はあると思うのだが、才能のある野球人である中田翔の野球人生をここで終わらせてはならないと考えたからこその原監督への相談だったのだと思う。栗山監督のことも責める気にはなれないのである。
おそらく今回の件で中田自身は大いに反省し、野球に取り組み始めるはずである。そして中田を獲得した原監督、巨人球団も厳しい目で中田のことを見ていくはずである。今シーズンは不調が続いている中田ではあるのだが、昨シーズンは短いシーズンでありながら31本のホームランを放ち、108打点で打点王に輝いている。まだまだ野球選手としての力が球界トップクラスにあることを示している。今シーズンは精神的にも腐った状態で野球に取り組んでいたのかもしれないが、本人が反省し、気持ちを新たに野球に取り組むのであれば、他球団にとって中田の存在は脅威になる。ヤクルトもここまで阪神、巨人に何とか喰らい付いているのだが、終盤戦に向けて真剣に中田対策をしていかなければならない。巨人の中田翔は相手チームにとって非常に怖い存在になりそうである。
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