2021年の大谷翔平

大谷翔平の2021年シーズンが幕を閉じた。プロ入り後毎年のように私達野球ファンを驚かせてくれていたのだが、今シーズンの二刀流での活躍ぶりは歴史的な快挙であった。「常識」というものをぶち壊し続ける大谷翔平という選手をリアルタイムで見られることは幸せなことである。アラフォーを迎えている私のような世代にとってはイチローの存在が非常に大きいのだが、二刀流で投打ともにメジャーでトップクラスの実力を示した大谷の衝撃も強烈なものがある。
過去記事はこちらから→「大谷翔平メジャー挑戦表明」、「大谷翔平がア・リーグ新人王獲得

2021年シーズン投手成績
23試合 130回1/3 9勝2敗 防御率3.18
2021年シーズン打者成績
155試合 537打数138安打 打率.257 46本塁打 100打点 26盗塁

上記の数字を同一シーズンで叩き出したのである。アンビリーバブルである。投手としては、2018年シーズンに右肘側副靱帯を損傷し、その後トミージョン手術を行い、野手として出場を続けながら投手としてのリハビリも両立してきた経過がある。決して万全ではない状態でも野手として結果を残してきたのだが、投手としては昨シーズンの時点では本調子には程遠い姿を見せていた。今シーズンも春先はボールが暴れ気味であり、自然と球数も増えてしまい、先発投手としての役割を果たせない姿も見られたのだが、後半戦になるとストレート、変化球ともにコントロールが安定し、それとともに勝ち星も増やしてみせた。おそらくまだ靱帯を損傷する前との感覚の違いを修正しながら投球している段階だと思うのだが、その中で試合を作れるようになっているのが、大谷の凄さである。100マイルを超えるストレートを投げるだけの投手であれば、メジャーには何人も存在すると思うのだが、大谷は只速いだけの投手ではない。変化球のキレも良く、指先感覚も優れている。メカニック的な部分への探求心も強く、しっかり相手打者のことを考えて投球が出来るクレバーさも持ち合わせている。だからこそ、これだけの数字が残せるのだと思う。もちろん見栄え的には10勝を上げた方が良いのだが、そんなことは些細な問題だと感じさせてくれる程に素晴らしいものを見させてもらった。

そして打者としては、NPB、MLB通じてキャリアハイの成績を収めてみせた。年々身体を大きくし、着実にパワーアップを図っていたのだが、今シーズンの大谷は明らかに打撃スタイルも変更したように感じた。これまでは柔らかなスイングから広角に強い打球を放つところに特徴があったと思うのだが、今シーズンはとにかく強く振って、打球を飛ばすことを意識しているように感じられた。いわゆるホームランの打ち損じがヒットになるというスタイルだったのではないだろうか?しっかりとしたデータは見ずに書いているのだが、ライト方向への強い打球が増えた印象を持っている。46本塁打という数字は打撃スタイルを変えたからこその成果ではないだろうか?その反面三振に倒れる打席も増えたのだが、この部分は今後の伸びしろになると感じさせてくれる程、打者としてもメジャー屈指の存在になってくれた。また盗塁も26個を記録し、投げて、打って、走るという野球というスポーツの魅力、醍醐味を一人で表現してみせた。こんなプロ野球選手は今までに見たことがないのである。27歳という現時点ですでにレジェンドの仲間入りを果たしたと言っても過言ではないだろう。二刀流でシーズン通してプレーを継続し、数字を残したことで2021年の大谷翔平は伝説となった。スポーツにはアクシデントや怪我が付き物であるため、いつまで今シーズンのような二刀流が見られるか分からないのだが、これからも間違いなく大谷翔平のことは追い続けるのだと思う。本当の意味での規格外の選手に出会えたことに感謝したい。

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コメント

  1. sabo より:

    大谷は数字ももちろん凄い。アンタッチャブルレコードとなるに違いない(もしも大谷を超える二刀流が現れたとしたら本当に野球界はとんでもないことになる)。でも何よりロマン(夢)を叶えてしまうのが凄い。子供に憧れられる選手ですね

    イチローも凄かったですけど私は野茂と比較したい。野茂がメジャー挑戦に成功した年は瞬間最大風速はイチロー以上の人気だったと思います。もともとあのフォームがカッコ良すぎた上にバンバン三振とってMLB見るためにそこらじゅうでBSが売られたり、変な曲がヒットしたりと子供の頃の記憶ですが野球界以外も含めて凄い熱気があったように感じます。
    今は娯楽も多くて野球ファン以外はもしかしたら大谷旋風にそこまでは熱狂していないかもしれませんが、、、毎日ニュースで大谷が打ったか抑えたか流れるしやっぱり大谷は格別です

  2. FIYS より:

    saboさんへ

    私も同じ考えです。数字も凄いですが、何より子どもに夢を与えられる選手という部分に大きな魅力を感じています。

    オリンピックが近付いても盛り上がらない時期に、海の向こうから毎日飛び込んでくる大谷の活躍ぶりには胸が高鳴りました。

  3. 超匿名 より:

     以前に比べれば大リーグのレベルは下がってきていると聞いたことがあります。それでも日本人選手がホームラン王を獲りかかったことに驚きました。打者に専念していたらどうなっていたのでしょうね。

  4. FIYS より:

    超匿名さんへ

    私はメジャーリーグをしっかり追っていないのでレベルのことについては分かりませんが、近年はデータの収集、分析が進み、野球というものの考え方が変わってきている印象があります。大谷もホームランを打つための打撃を貫き通したシーズンだったように感じます。旧来の日本的な考え方に縛られない打撃を見せてくれたからこその46本塁打だったのではないでしょうか?

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