ヤクルト0-0阪神
前日の大敗、完全アウェーの甲子園、追われるチームの難しさなど首位と言えども厳しいシチュエーションのゲームだったし、試合展開的にも両チーム無得点でゲームが進む、ビジター球団にとっては特に重苦しさを感じるゲームとなったのだが、高橋ー清水ーマクガフが阪神打線に得点を与えず、0-0のスコアレスドローで凌いでみせた。0-0ではあるのだが、「逃げ切った。」という表現を使いたくなるようなゲームだった。目に見えた強さを感じさせるゲームではなかったのだが、こういった展開でも引き分けられる所が今年のヤクルトの強さなのだと思う。苦しみながらも歩みを進めてみせた。
今日のゲームはまずは先発の高橋である。中10日での先発起用となったのだが、立ち上がりからボールのキレは抜群だった。前日の大敗直後のゲームであり、相手の勢いに飲まれないようにしなければならないシチュエーションだったのだが、高橋はボールのキレで阪神打線を圧倒してみせた。3回まではパーフェクト、4回まではノーヒットと言う素晴らしい投球となった。
しかし味方打線の援護がない中で、5回に糸原、大山に連打を浴び、ついに0アウト1,2塁というピンチを招いてしまった。ガタガタっと崩れてもおかしくない場面だったのだが、バスターを仕掛けてきた小野寺を打ち取ると坂本、ガンケルもしっかり打ち取り、ピンチを防いでみせた。おそらく阪神ベンチは、8番坂本、9番ガンケルという打順の巡りも考えた中で小野寺にバスターを指示したと思うのだが、結果としてヤクルト側が助かる形となった。終わってみればこの回を無失点で切り抜けたことが非常に大きかった。
結局高橋は、7回を被安打4、与死球1の無失点で先発の役割を果たしてくれた。これまでの高橋は素晴らしいボールを投げることは出来るが、結果に結びつかないということが続いていた。高津監督は2軍時代からこの高橋を指導し、昨シーズンは開幕投手候補の1人としてこの高橋の名前を挙げていた。それくらい高橋の高いポテンシャルに期待をしていたのだと思う。しかし高橋自身は、昨シーズンは思うような結果を残せず、今シーズンも前半戦は完全に出遅れてしまい、思うような結果を残せないでいた。しかし1軍での登板機会を得てからは、以前よりも逞しくなった姿を見せてくれている。試合ごと、イニングごとの波が小さくなり、大崩れせずに粘ることが出来始めている。今日の投球はまさにそういった投球になったのではないだろうか?97年シーズンに石井一久が追いすがる横浜ベイスターズを相手に敵地横浜スタジアムでノーヒットノーランを達成し、シーズンの流れを決定付けたゲームがあったのだが、今日の高橋の快投はその時の石井一久の姿と重なるものもあった。石井のように後世に語り継がれるようなインパクトまではなかったかもしれないが、緊迫したシチュエーションでこれだけの投球が出来たのだから立派である。成長した姿を見ることが出来た。
正直高橋の球数はまだ80球であったため、このまま8回も続投するのでは?と思っていたのだが、高津監督は、8回は清水、9回はマクガフとオーソドックスな継投で阪神打線を抑えにかかった。清水、マクガフ共に今まで以上にプレッシャーを感じる場面での登板となったのだが、きっちり阪神打線を抑え、引き分けに持ち込んでみせた。疲れが溜まる最終盤でのこの投球は見事である。
打線は昨日に続いて阪神投手陣を打ち崩せず、この2連戦は無得点に終わってしまった。しかしそれでもマジックを減らすことに成功したことをポジティブに捉えた方が良いのではないだろうか?明日以降神宮に戻ってもう一度作り直してもらいたい。塩見や山田などどこまでコンディションが整っているか分からないのだが、リーグ優勝に向けて最後の力を振り絞ってもらいたい。
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コメント
打ち切り制度に助けられましたよ。12回制なら延長で力尽きていたことでしょう。チームの勢いが止まっても、ペナント制覇へのツキはまだ残っていたと見えます。大敗に続いてサヨナラ負けだとV逸が現実味を帯びていたと思います。
引き分けを引き寄せた投手陣は素晴らしく、特に前の試合で活気づいた阪神打線を相手に、少ない球数で長いイニングを投げた高橋が光っています。来季は二桁勝って堂々と左腕エースと呼ばれる存在になってもらいたい。
残り試合はCS進出の可能性を残していて、勝利への意欲が高いチームとの対戦が殆どなので、自力で三勝するのも楽ではなさそうです。最終戦近くでの決着になるんでしょうかね。
超匿名さんへ
9回引き分けというルールはヤクルトにとってプラスに働いていますよね。真中満氏のように延長12回まであった方がヤクルトにとってはプラスになるという考えの方もいるようですけどね。
最後の最後まで分からない展開になってきましたね。