真っ向勝負で寄り切る

ヤクルト5-0巨人(ヤクルト3勝0敗)

高橋ー菅野の先発で始まった試合は、ヤクルトが力勝負を制する形となった。高橋が初回のピンチを切り抜けたことで、その後は吹っ切れたように見事な投球を披露してくれた。打線は明らかに本調子ではない中4日で先発マウンドに上がった菅野の前に中々得点を奪えなかったのだが、6回に崩して、勝負を決してみせた。巨人相手に真っ向勝負で寄り切れたという事実にリーグチャンピオンチームらしい強さを感じさせてくれた。

先発の高橋は、初回から全力で飛ばしてみせた。しかしそれが力みにもつながったようで、初回はボールが暴れており、自分自身で制御できない状況に陥っていた。廣岡に2ベースを浴びた後に坂本、ウィーラーの四球を与えて、2アウト満塁とピンチを広げてしまったのだが、このピンチで中島を三振に斬って取り、何とか無失点で立ち上がることに成功した。相手投手が菅野であることを考えると初回の失点はゲームの流れを大きく左右してしまう可能性が高かっただけにここを無失点で切り抜けられたことは大きかった。CSのプレッシャー、相手先発菅野のプレッシャー、初回だけで31球を要してしまった疲労などもあったと思うのだが、2回以降はキレのあるストレートと変化球で巨人打線を抑え込んでいった。正直5回くらいから疲れが目立ち始め、球速も落ちてきているように感じたのだが、4回~6回までは巨人打線をパーフェクトに抑え込んでみせた。大崩れしてもおかしくなかった初回を無失点で切り抜けたこと、球数が嵩む中で疲れを感じ始めていたであろう4回~6回をパーフェクトで抑え込んだ部分に高橋の投手としての成長を感じることが出来た。中4日で本調子ではなかったとはいえ、巨人だけでなく球界を代表するエースの菅野相手にCSの大舞台で投げ勝てたことは高橋の今後のプロ野球人生に繋がる出来事になったのではないだろうか?
精密機械のような投球でゲームを支配する奥川とは違って、ボールのキレで打者をねじ伏せるスタンスの高橋のピッチングも魅力に溢れている。20歳の奥川と24歳の高橋左右の若きエース候補が大舞台で大仕事を果たしてくれた。
7回からは、スアレスー清水ーマクガフと1イニングずつ繋いでみせた。シーズン終盤の今野の投球内容を見ていると、不安要素も大きかったため、ポストシーズンは基本的には7,8,9回をスアレス、清水、マクガフで1イニングずつ任せることになりそうである。5点のリードがある余裕のある状況で1回CSの舞台で投げられたことが明日以降に繋がってきそうである。

打線は2回に村上のヒットからチャンスを作り、四球も絡んだ中で西浦の犠牲フライで先制したのだが、その後はチャンスを活かせず、明らかに本調子ではない菅野の前に5回までこの1点しか奪うことが出来ていなかった。今シーズン菅野にはほぼ完璧に抑え込まれてしまっていたのだが、その際は菅野の調子が良く、打てる雰囲気の無いゲームが多かったと記憶している。しかし今日はボールの走りが悪く、力でねじ伏せることが出来ないため、コントロールにも支障が出ていたように感じる。そんな菅野相手に5回まで1点しか奪えなかったため、もし負けてしまえば野手陣の責任は大きくなりそうだと感じながら観戦していたのだが、重苦しい雰囲気を6回に吹き飛ばしてくれた。村上の2ベースからチャンスメイクし、相手のエラーも重なる中で2アウト満塁のチャンスを作ると、ここでヤクルトベンチは代打の切り札川端を起用し、勝負に出た。菅野も気持ちの入った投球を見せ、簡単にカウント0-2と追い込まれてしまったのだが、ここから川端がカウントを整え、フルカウントまで持っていくと、最後は菅野のストレートが外角に大きく外れる四球となり、押し出しで1点を追加してみせた。代打川端の見事な仕事ぶりとなった。
続くチャンスでは、塩見が左中間を真っ二つに破る走者一掃のタイムリー3ベースを放ち、試合の大勢を決してみせた。こういったプレッシャーの掛かる場面でも自分のスイングが出来るところに塩見の野球人としての成長を感じることが出来た。
6回裏の攻撃に関しては、2アウト2,3塁打者西浦という場面で巨人ベンチは西浦と勝負せず、敢えて代打川端と勝負する選択をした。勝負師原監督らしいハイリスクハイリターンの采配だったと思うのだが、疲れが限界に達していた菅野と川端とでは若干川端に分があったようである。この場面でしっかり得点が奪えたことで、その後の試合展開はだいぶ楽になった。

奥川、高橋という若手投手2人で連勝し、日本シリーズ進出へ王手をかけるという、ヤクルトファンにとってはたまらない展開となっている。この勢いのままに明日の先発原で日本シリーズ進出を決めてもらいたい。とにかく目の前の試合に集中である。
やはり初回の攻防と四球、エラー、ホームランという部分がポイントになってきそうである。

P.S 塩見にしろ高橋にしろ潜在能力の高さは評価されながらも中々安定して結果を残すことが出来なかったのですが、ここに来て高い能力が結果に結びつくようになって来ましたね。ヒーローインタビューでの受け答えにも良い意味での余裕のようなものが感じられ、選手としてだけではなく、人間としての成長も感じることが出来ます。プロ野球という特殊な世界にあっても、一社会人としての成長を促そうとする姿勢が高津監督には感じられます。いいリーダーのもとで成長してきているように感じます。

にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村








コメント

タイトルとURLをコピーしました