ヤクルト4-0阪神
昨年の開幕シリーズはホーム神宮で阪神相手に3連敗を喫したのだが、今年はビジターである京セラドームでの開幕シリーズで同じ阪神相手に3連勝を飾ってみせた。開幕戦での大逆転勝ちによって、ヤクルトが精神的に優位に立ち、阪神には焦りのようなものが生まれたのかもしれない。それにしても見事なスタートダッシュとなった。
ヤクルト先発の高梨は、良くも悪くも「らしい」投球となった。初回から適度にボールが荒れており、2回、6回以外は、毎回複数のランナーを許す不安定な投球となった。それでも適度な荒れ球を活かしつつ、阪神打線に決定打は許さなかった。正直私自身は、高梨の投球スタイルには不安を感じており、ヤクルトの先発ローテ投手、候補の投手の中では、信頼しきれない部分がある投手なのだが、それでも試合をまとめる辺りは、これまでの経験がなせる業なのだろうか?高低と緩急を使った投球、適度な荒れ球が、高梨の武器であるのだが、その武器を如何なく発揮してくれたのではないだろうか?それでも一歩間違えば大量失点に繋がってしまう可能性もあったため、今後も長いイニングを投げ切ることは難しいかもしれないと感じさせる投球だった。
逆にリリーフ陣は、4点のリードを活かし、石山ー大西ー梅野と攻めの投球で阪神打線を抑え込んでみせた。いわゆる勝ちパターン以外の投手での継投となったのだが、隙を与えなかった。この辺りは今後に繋がりそうである。
今日は松本直がスタメンマスクを被ったのだが、古賀、内山壮に負けじとゲームセットまでマスクを被り、完封勝ちに貢献してみせた。昨年は、1軍での出場機会に恵まれなかったのだが、今シーズンは開幕シリーズから出場を果たし、しっかり結果を残してみせた。捕手の評価というものは素人には難しいのだが、この開幕シリーズで最も不安要素が大きかったポジションは捕手だっただけに古賀、内山壮、松本直と三者三様の活躍で3連勝出来たことに大きな意味があると考えられる。余計なストレスを抱えることなく、神宮での開幕シリーズに臨めるのではないだろうか?古田臨時コーチがどのような評価をしているのか聞いてみたいものである。
打線は、阪神先発桐敷の前に苦しみながらもサンタナの先制ホームラン、山田、村上のタイムリー、塩見のランニングホームランと主力のバットで効果的に得点を重ねてみせた。
サンタナのホームランについては、桐敷が投じたクロスファイアのストレートをレフトスタンドに運ぶ一発だったのだが、このホームランにサンタナの状態の良さとクレバーさを感じることが出来た。サンタナと言えば、どちらかというと長いリーチを上手く使って外角のボールや低めのボールをセンターからライト方向に弾き返すことが出来る打者というイメージがあるのだが、時折、今日のようなインコースのボールをレフトスタンドに運ぶホームランを放つことがある。ホームベースから離れて打席に立っており、おそらくインコースのボールは得意ではないと思うのだが、今日のようなホームランもあるため、相手バッテリーは攻め辛くなる部分があるはずである。おそらくサンタナはシチュエーションごとにヤマを張るようなこともしていると思うのだが、この辺りの駆け引きが出来る選手のようである。パワーだけで結果を残すタイプの選手ではないことが徐々に分かってきたような気がする。
その後は桐敷の前に中々追加点を上げることが出来なかったのだが、6回に塩見、青木が出塁しチャンスを作ると山田、村上の連続タイムリーで2点を追加することに成功した。欲しい所で一本出してくれた山田、村上の見事な仕事ぶりだった。
7回には塩見が右中間を破るランニングソロホームランを放ってみせた。ランニングホームランについては、様々なシチュエーションが重なって初めて飛び出すプレーなのだが、物凄いスピードでベースランニングを行う塩見の姿に興奮を覚えた。おそらく現地観戦していたファンからするとその疾走感は、野球の醍醐味を感じるに十分だったのではないだろうか?塩見の魅力が詰まったワンプレーとなった。
ディフェンディングチャンピオンとして、迎えた開幕シリーズだったのだが、昨シーズン開幕3連敗を喫した阪神相手に昨年のお返しをすることが出来た。幸先の良いスタートとなった。この勢いを神宮での巨人戦に繋げてもらいたい。
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