ヤクルト7-2巨人
サンタナが戦線から離脱した中で、塩見もスタメンを外れることとなってしまったのだが、それでも菅野相手に勝利を掴むことが出来た。各選手が自分の役割に徹してくれたことが大きかったのだが、選手が働きやすい環境を作っているのは間違いなく高津監督のマネジメントによる部分が大きいと思う。
2020年シーズン、2021年シーズンにも高津監督のマネジメントに着目して書いた記事があるので、再度貼り付けておきたい。→「高津カラー」、「高津監督のチームマネジメント能力」
最下位に沈んでしまった2020年シーズンから高津監督の色というものは出してくれていた印象が残っている。私の中では、①選手の体調管理、②積極的な機動力の活用、③選手へメッセージを送るような起用法と采配、④若手の抜擢という4点を挙げさせてもらっている。②については、チーム事情によって変わってきている部分もあるのかもしれないが、それ以外の項目に関しては、今シーズンも継続しているように感じる。高津監督のマネジメントの軸になる部分ではないだろうか?今日のゲームでも「そう来るかあ。」と個人的には感心するような起用法があったため、箇条書き形式にまとめてみたい。
①先発原
・これは、今日のゲームに限った話ではないのだが、4月3日のDeNA戦が雨天中止となり、その後のローテーションをいじったのだが、私だったら、日曜に登板予定だった高梨を水、もしくは木の中日戦で起用し、原も水もしくは木の中日戦で起用し、今日の対菅野には開幕投手の小川をぶつけ、石川はリリーフを起用しやすい日曜日に先発させるというローテを考えるのだが、高津監督をはじめとする首脳陣は、原の登板日をずらしてきた。
この辺りについては、単純な話ではなく、様々な要素が絡んだ中でこういった判断に至ったと思うのだが、ビジター東京ドームでの首位巨人戦、相手先発が苦手の菅野ということを考えると原にかかるプレッシャーも大きかったと思う。そのプレッシャーを乗り越えての勝利は大きなものになったと思われる。
②1番センター太田、5番ライト宮本、8番キャッチャー内山壮
・おそらく塩見は何らかのアクシデントがあったと思うのだが(単なる休養日でこのオーダーを組んだのであれば「あっぱれ」である。)、その中で思い切った選手起用に踏み切った。
太田は元々内野手であり、外野守備に関しても決して上手い部類とは言えない。しかしイースタンで経験を積み、徐々に力が付いてきているように感じる。バッティングについては、昨シーズンイースタンで首位打者を獲得したように2軍でやることはなくなってきている選手である。その太田が今日は攻守に活躍してみせた。4回の守備ではポランコの大飛球をフェンスに激突しながらジャンピングキャッチで捕球し、原を救うと直後の打席でヒットを放ち、チームの追加点をお膳立てしてみせた。
守備も走塁も塩見には及ばないのだが、4回裏のジャンピングキャッチに関しては、もしかすると塩見では捕球出来なかった打球だったかもしれない。自身の身長も活かした好プレーだった。菅野からの2安打も太田にとって自信になったのではないだろうか?
5番宮本という起用法も驚きだった。オープン戦で負傷し、開幕は2軍スタートとなったのだが、昨シーズンは貴重なユーティリティープレーヤーとしてチームのリーグ優勝、日本一に貢献した使い勝手の良いプレーヤーである。てっきり5番にはオスナか塩見を配置するのかな?と思っていたのだが、高津監督の判断は、宮本を昇格即5番スタメンで起用してきた。2回の第1打席で送りバントを成功させたように、あくまでも宮本の特徴を活かすような起用法だったのだが、その起用に見事に応えた宮本も素晴らしかった。
スタメンマスクを内山壮に任せたことも個人的には意外だった。前々日、前日と松本直がスタメンマスクを被り、2試合連続ホームランを放つなどアピールしていたため、今日もその勢いを買って松本直をスタメンで起用するか、安定感のある古賀を起用するものだと思っていた。しかしスタメンは内山壮だった。この起用に関しては、サンタナ、塩見が欠ける中でバッティングでも期待できる内山壮に任せるという判断をしたということではないだろうか?打率は上がっていないが、打撃では古賀、松本直よりも内山壮の方が力があると首脳陣が判断したのではないだろうか?今日もヒットは放てなかったが2つの四球を選ぶなど打席で雰囲気を感じさせてくれる選手である。
③捕手の起用法
・上記の続きとなるのだが、今日のゲームでは内山壮がスタメンマスクを被り、8回から古賀がマスクを被った。中村が不在の中で今シーズンが開幕したのだが、古賀の特性と内山壮の特性を考えながら、ゲーム展開に応じて試合中に捕手をスイッチする光景もよく見られている。ざっくり言ってしまえば「打撃の内山壮、守備の古賀」ということになるだろうか?古賀がスタメンマスクを被っても追いかける展開となれば、途中で内山壮を起用することがあり、内山壮がスタメンマスクを被ってもリードを奪っており、逃げ切りたい時には、今日のように抑えの捕手という形で古賀を起用することがある。前々日、前日にマスクを被った松本直の起用含め、上手く対応しているように感じる。
④火消し役の田口
・ランナーが溜まった緊迫した場面での登板を任されているのが田口である。この日も5-2と追い上げられ、尚も1アウト1,2塁という厳しい場面での登板だったのだが、しっかり準備することが出来ており、第1球目からしっかり腕を振りつつボールをコントロールすることが出来ていた。田口の気持ちの強さと器用さには驚かされるのだが、このポジションに田口を配置したこと自体が高津監督をはじめとする首脳陣のヒットではないだろうか?
⑤長岡のスタメン起用
・バットで結果を残しているとは言え、ここまでスタメンを継続することになるとは思ってもみなかった。今日も積極的な打撃で菅野からタイムリー2ベースを放つなど、今できることをしっかり遂行している印象がある。守備面でもスムーズな足の運びと送球の強さに心強さを感じさせてくれる。高津監督はどこまで我慢し続けられるだろうか?また長岡もどこまで高津監督が我慢し続け荒れるような結果を残し続けられるだろうか?
※石山の降板
・これは、イレギュラーな項目なのだが、田口の前にピンチで起用された石山が大城にタイムリーヒットを浴びた場面、打球が石山の頭部を直撃するアクシデントがあった。石山は「投げられる。」という意思表示を行っているように見えたが、高津監督は降板させることを決断した。リリーフ陣の負担の大きさが気になっている部分もあり、本来であればまだ石山に投げてもらいたい気持ちはあったはずである。しかし頭部へのダメージというものは怪我のリスクだけでなく、生命という意味でもリスクがあるため、選手を守ることを第一に考えて降板させたという判断は、間違っていなかったと思う。もし後を継いだ田口が打ち込まれ、試合を逆転されることになったとしても、石山を交代させたことは良い判断だったと思う。
いつもとは違ったテイストの記事になったのだが、やはり私の中では、①選手の体調管理、②積極的な機動力の活用、③選手へメッセージを送るような起用法と采配、④若手の抜擢という4点が高津監督のカラーだと思っている。素晴らしい監督だと感じる。
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コメント
勝負事はわからないものですね。ドームでの首位巨人戦で相手が大エースの菅野と聞けば、苦戦必至だと思いました。原は良く投げ勝ってくれたと思いますし、監督の手練手管も見事だったと思います。スタメン落ちの塩見の状態が、抹消するほどでなければ良いんですがね。
この日一番印象的だったのは、太田のナイスキャッチと言いたかったのですが、岡本の神宮なら余裕で場外に消えたであろう一発でした。あそこまで飛ばさなくてもと思うような、助っ人外国人顔負けのホームランでしたね。
超匿名さんへ
塩見は大事ではなかったようですね。
岡本和のホームランは高めのボール球であり決して簡単なボールではなかったと思うのですが、完璧に捉えられてしまいましたよね。
ローテーションは意外でしたね
原樹理が上手く投げてくれたので正解でしたね
太田が好守で魅せてくれたり、昇格即5番に応えた宮本丈と良い感じに戦力が厚くなっていたのを感じますね
太田がセンターをしっかり守れるなら山崎や渡邊より攻撃力のある太田が第二センター扱いになりそう。正直塩見はちょっとスぺなのでかなりチャンスありそうです
内山のスタメンマスクでちゃんと締めた守りで勝ったのは凄いですね
内山はまずは打撃でアピールかなと思いましたが守備も良いのでしょうかね。キャッチングはちょっと甘いかなと感じるときがありますけどリードなんかはセンスあるかもしれません
saboさんへ
これだけ1軍で使える選手が増えてきたと言うのは、やはり高津監督のマネジメントあってこそのことだと思います。捕手の起用法など興味深いですよね。