サイスニードの「緩」

ヤクルト１２－４中日

両チームの先発がサイスニードー大野雄ということで、試合前から苦戦が予想されていたのだが、打線が序盤から得点を重ねる予想外の展開となり、最終的には１２－４というスコアでの大勝となった。バンテリンドームでの中日戦、相手先発が大野雄ということを考えると意外な結果となった。5番塩見が機能したり、オスナが4安打1ホームラン、4打点と大当たりしたり、1番ライトで起用された太田が猛打賞の活躍をしたり、村上に特大の一発が飛び出したりと、打線の爆発で勝利したゲームではあるのだが、個人的にはサイスニードの投球が気になったので、まずはサイスニードの投球から触れてみたい。

初回に塩見の2点タイムリー2ベースが飛び出し、2点のリードという状況でマウンドに上ったサイスニードは前回の広島戦と同様に、ストライク先行の投球で中日打線を抑え込んでいった。サイスニードは来日前からどちらかというとパワー型の先発投手という触れ込みであり、威力のあるストレート、カットボールを武器にした投手と言われていたのだが、来日後の投球を見ていると、そこまでストレート、カットボールに依存している印象はなく、個人的にはどちらかというと緩急の「緩」のボールを上手く操れれば、投球の幅が広がり、組み立てが楽になると感じていた。
今日のゲームではその「緩」のボールの制球が安定していたため、古賀もリードしやすかったのではないだろうか？ナックルカーブ、スライダー、チェンジアップといった抜いた球を効果的に使えていたため、ストレート、カットボールというファストボール系のボールに中日打線が差し込まれたり、振り遅れたりする場面が目立ったように感じる。昨シーズンからサイスニードの投球を見てきているのだが、やはり緩いボールの制球が安定している時には、ある程度試合を作れる印象がある。今シーズン初登板となった神宮での中日戦では、まだ調整不足なのではないか？という印象があったのだが、今日の投球内容は良かったように感じる。しかし欲を言えば、味方打線の大量リードもあったため、最悪でも7回までは投げ切ってもらいたかった気持ちがある。
先発投手では高橋、リリーフ投手では清水が登録抹消となってしまい、投手の台所事情は厳しくなっている。今日のサイスニードはゲーム中盤まで球数少なく投げることが出来ていたため、もう少し踏ん張ってもらいたかった。

打線は、大野雄の状態が良くなかったということもあったと思うのだが、久々に爆発してくれた。初回に2アウトランナーなしから山田、村上が四球を選ぶとこの日も5番に入った塩見に2点タイムリー2ベースが飛び出し、先制してみせた。2アウトランナーなしから奪った2点は、このゲームの流れを掴む大きな2点となった。この2点で大野雄のリズムが崩れたという部分もあったのではないだろうか？3回には相手のミスも絡んで1点を追加し、4回には下位打線でチャンスを作ると太田、山田にタイムリーが飛び出し、3点を追加し、大野雄を4回でKOしてみせた。完全に主導権を握ると、その後もオスナの3ランホームラン、村上の2ランホームラン、オスナのタイムリーで追加点を奪い、今季最多となる16安打、12得点を重ねてみせた。
やはり今のメンバーで戦う場合、5番に塩見を置く方が繋がりが出るように感じる。今日に関しては、先発が大野雄だったため、もしかすると塩見を1番に戻して、5番に濱田を入れる可能性もあるかな？と思っていたのだが、塩見は5番のままで、1番に太田を起用してきた。正直サウスポーが得意な印象がない太田を1番で起用したことについては、意外だったのだが、その起用に太田が猛打賞で応えてみせた。決していい当たりの3安打という訳ではなかったのだが、結果が出たことを自信にしてもらいたい。オスナもホームランを含む4安打と固め打ちで打率も上げてきたため、もうしばらく5番塩見、7番オスナという並びは続けても良いのではないだろうか？チーム状態は悪いと思っていたため、バンテリンドームでの打線の爆発は想定外だった。

P．S　そんなゲームで蚊帳の外となってしまったのが、長岡だった。徐々に打率も落ちてきており、首脳陣もどこまで我慢できるか？ギリギリのところに差し掛かっているかもしれない。ここでひと踏ん張りできるだろうか？


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