西純矢の夜

ヤクルト１－８阪神

昨日の劇的なサヨナラ勝ちは、今日に繋がると思っていた。ヤクルトの先発は好調の高橋ということで、試合前から心理的にも優位に立てるゲームになると見立てていたのだが、終わってみれば、嘘のような大敗を喫してしまった。昨年プロ初勝利を献上してしまった西純矢に今日は、プロ初完投とプロ初ホームランを献上してしまった。今日は「西純矢の夜」だったと切り替えるしかないだろう。

ヤクルト先発の高橋は、今日もボールにキレを感じさせてくれた。3回で6つの三振を奪ったことがその証拠になるのではないだろうか？しかしである。残したスタッツはと言うと3回で被安打４（被本塁打３）、与四死球１の6失点（自責点４）という散々な数字になってしまった。投げるボールは一級品でも結果が付いてこなかった過去の高橋の姿を見るような数字になってしまった。しかし今日の投球が今後に悪影響を与えることはないと思っている。初回から気持ちの入ったボールを投げてくれていたと思う。今日の結果は気にせずに次回もう一度自分の投球を立て直してもらいたい。
正直マルテの先制ホームラン、西純の2ランホームランについては、打った方を褒めるべきホームランだったと思う。マルテはインコースのストレートに対してコンパクトなスイングでレフトスタンドに運んだ技ありの一発だったし、西純のホームランについても並の打者ならあれだけ完璧に捉えられるボールではなかったと思う。流石に8番で起用されるだけはあるバッティングセンスである。西純に関しては、高校時代から打撃の評価も高く、Uー１８ワールドカップでは、木製バットにしっかり順応することが出来ていたため、打者西純としての印象も強く残っている。今日のホームランは、おそらく初球のストレートにヤマを張っていたと思うのだが、ヤマを張っていたからと言って高橋の150キロのストレートは簡単に捉えられるものではない。そのストレートを捉えてしまうのだからやはり西純を褒めるべきなのだと思う。
結局高橋は、3回には大山に3ランホームランを浴びてしまい、まさかの3被弾6失点でKOされてしまった。大山の3ランに関しては、完全に投げミスであり、高橋自身の責任ではあるのだが、この辺りは今後の課題として大いに反省してもらいたい。

3回表終了時点で０－６というスコアになってしまったのだが、これで西純が更にノッテきてしまった。150キロを超えるストレートに縦変化のスライダー、フォークのコンビネーションにヤクルト打線は沈黙してしまった。西純に関しても高橋同様1球1球のボールの質は高品質だと感じる。しかしまだ自分のピッチングを確立できていない部分があり、如何にも粗削りだと感じるのだが、それでも抑えてしまう所に魅力を感じる。まだまだ付け入る隙はあると見ているのだが、今日は楽な展開になってしまったこともあり、伸び伸びと投げられてしまった。山田がホームランを放ち、何とか一矢報うことは出来たのだが、最後の最後までボールの質は衰えなかった。佐々木朗、奥川、宮城辺りの同期がプロの世界でも主役級の活躍を見せていることから多少影が薄くなっていたのだが、西純矢のポテンシャルも相当高いものがある。

西純矢の快投、快打、マルテ、佐藤輝、大山のクリーンアップ揃い踏みと阪神ファンにとってはたまらないゲームになったのではないだろうか？


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