俺が小川だ!

ヤクルト1-0西武

小川が投打のヒーローとなったゲームである。投げては8回を無失点。打っては、決勝点となるソロホームランを放ってみせた。小川と言えばルーキーイヤーからクレバーな投球を披露してくれていたのだが、その一方で熱い気持ちを内に秘めて戦う姿が印象に残っていた。その姿はマウンドだけでなく、時には打席でも発揮され、バットでも名場面を作ってきた過去がある。今日のゲームでの小川の活躍を見て、これこそが本来の小川の姿であることを思い出させてくれた。

投手小川に関しては、ここの所ストレートの威力も戻り、長いイニングを安定して投げることが出来ていたため、今の西武打線であればある程度抑えてくれるのではないか?という期待感はあった。その期待に応えるように西武打線を抑え込んでいった。初回、2回とランナーは許したのだが、どちらもダブルプレーで切り抜けると、5回まで打者15人で抑え込む理想的な投球を見せてくれた。その裏に自らのホームランで先制すると、6回以降もこの1点を自身でしっかり守り切り、8回で95球を投げ、被安打3、与四死球1の無失点で勝ち投手となってみせた。
やはりストレートが走っている時の小川は安定して数字を残してくれる。チェンジアップ、スライダー、カットボールなどの変化球も上手く駆使して投げることが出来たのではないだろうか?
9回はマクガフに任せることになったのだが、そのマクガフも栗山、若林、愛斗を三者連続三振で仕留め、1-0というロースコアの接戦を拾ってみせた。マクガフもチームの絶対的クローザーとしてインパクトのある投球を披露してくれた。

打線は西武先発の高橋を攻めあぐねていたのだが、そこで力を発揮したのは投手小川のバットだった。5回裏の先頭打者として打席に入った小川は、カウント2-2からの明らかにボール球である高めのストレートを強振すると、打球はそのままレフトスタンドに飛び込む先制ソロホームランとなった。明らかにボール球であり、普通は空振りかポップフライになるボールだと思うのだが、小川が豪快なスイングでレフトスタンドまで運んでみせた。もちろんいわゆる「出会い頭の一発」というニュアンスが一番近いホームランだとは思うのだが、小川は打席でもしっかり自分の役割を果たそうとする姿が見えるのが素晴らしい。こういう姿はルーキーイヤーから変わらない。ルーキーイヤーのインパクトが強く、その後の成績はどうしても伸び悩んでいるようにも見えてしまう人もいるのかもしれないが、毎年コンスタントに先発として数字を残す小川は、やはりヤクルトのエースである。コンディショニング、コンスタントさ、メンタルコントロールなど若手の見本になる部分を多く持っている投手が小川という投手なのだと思う。これからもヤクルト投手陣を引っ張っていってもらいたい。

P.S 今日はルーキーの丸山和が先発出場を果たし、プロ入り初安打も放ちましたね。打撃はまだまだこれからの選手ではあるのだが、青木が離脱しているうちに少しでも結果を残してもらいたい。

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コメント

  1. sabo より:

    解説の館山がしきりに「遅いチェンジアップ」と言っていた110キロ台のチェンジアップが効いた試合でした
    しかし小川のチェンジアップってここまで遅かったかな?
    これまでは小川のチェンジアップは110キロから130キロでばらけていて平均して120キロというイメージでしたけど今日はほぼ完全に110キロ台に定まってました
    もしも今までより10キロ遅くした110キロ台のチェンジアップが小川の新しい球種ならまだまだ小川は成長するんじゃないでしょうか
    チェンジアップが遅いために同じ落ちる球で球速のあるフォークとストレートの見極めがしにくくなるし投球の幅も広がったように感じます

    ただ神宮で遅い球を要求するのは勇気がいりますからね。リードした中村は凄い胆力でした。

    小川のホームランには驚かされましたね!
    ドカベンの岩鬼を思い出すような悪球打ちでした(笑
    通算3HRは大谷を除けば藤浪に並んで現役投手通算本塁打タイ記録だそうです。
    ホームラン自体は出会いがしらですけど、あの打席はファールで粘って粘って打ったホームランなので、粘る姿勢や集中力が生んだホームランですね。若い選手もそういうところを手本にしてほしいです

    丸山も早速スタメンに起用されたのは驚きでしたが初ヒットでて良かったです
    バント出来てれば完璧でしたがまぁこれからですね

    山崎の出番が急に減ったのがどこか痛めてないか心配です

  2. 超匿名 より:

     解説者絶賛のバッテリーの妙技を堪能する一夜でしたね。小川は変化球の制球が良かった。ここまで二勝しかしてない投手というのが信じられない出来でした。ハーラートップを争っていると言われても驚きませんね。私は本文で書かれている、ルーキーイヤーの輝きが忘れられないタイプのファンですが、最近の登板は安定感が増してきており、以前FIYSさんがタイトルにした、菅野の背中を追いかけるというのも現実的に思えます。
     一方で打撃陣の不甲斐なさが目立ちました。最小得点勝利試合は最近あったばかりですし、やはり今季は投高打低ですね。

  3. FIYS より:

    saboさんへ

    ハイライトしか見ていないので、分からないのですが、小川は器用な投手であり、これまでも球種は増やしてきているので、緩いチェンジアップを新たに取得した可能性もありますかね?

  4. FIYS より:

    超匿名さんへ

    小川ー中村のバッテリーは若い時から長年コンビを組んでいますからね。素晴らしい同級生バッテリーだと思います。

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