ソフトバンクとも互角に渡り合える

ヤクルト３－１ソフトバンク

交流戦がスタートして以降、パリーグが実力を見せ付けるシーズンが続いていたのだが、ある意味ではパリーグの強さと言うよりもソフトバンクの強さを感じる交流戦が多かったように記憶している。ヤクルトもソフトバンクの前に完全に力負けしてしまうことが多く、勝ち越せれば万々歳という状況が長らく続いていた。しかし昨年の交流戦ではソフトバンク相手にPayPayドームで3連勝することが出来、一時の実力差はなくなっていることを感じることが出来た。投打ともにほぼ隙の無かった時代に比べれば、十分戦えると感じていた。今日は相手先発がエースの千賀だったが、ヤクルトもエースの小川ということで、試合前から劣勢を予想したヤクルトファンはそこまで多くなかったのではないだろうか？初回に先制点を奪い、小川が打たれながらも粘り、村上、山田のホームランで勝利した今日のゲームは、ある意味では王道の勝ち方だったのではないだろうか？

ヤクルト先発の小川は、初回から積極的にスイングを掛けてくるソフトバンク打線に苦しんだ。味方打線が初回に1点を先制した後でマウンドに上がったのだが、周東、牧原に連打を許し、いきなり0アウト1，3塁のピンチを招いてしまった。続く柳田をセカンドゴロダブルプレーに打ち取るのだが、この間に同点に追い付かれてしまった。2回、3回も2本ずつヒットを許し、ピンチの連続だったのだが、この2イニングを何とか凌いだことで、徐々に小川のペースに持ち込むことが出来た。
6回には2アウトから中村、グラシアルの連打で2，3塁のピンチを作ってしまったのだが、三森を三振に仕留め、リードを保ってみせた。小川は結局7回を被安打９、無四球の1失点で抑え、千賀に投げ勝って勝ち星を手に入れてみせた。
正直序盤は開幕戦のように大量失点してしまっても不思議ではない出来だったのだが、何とか踏みとどまってくれた。9安打を打たれたということは調子自体は良くなかったと思うのだが、その中で7回1失点でまとめられるのが、小川の強みである。
昨日は8回コール、9回今野で1点差のゲームを逃げ切ったのだが、今日は8回清水、9回マクガフの王道パターンで逃げ切りを図った。清水に関しては、柳田、デスパイネに連続四球を与えてしまい、ヒヤリとしたのだが、後続をきっちり抑えてみせた。打順の巡り的に8回が勝負になると感じていたのだが、清水が冷静に無失点で切り抜けてくれた。
9回は、マクガフが下位打線を危なげなく三者凡退で抑え、交流戦優勝に向けてまた一歩前進してみせた。

打線は、初回に2アウトから山田の死球、村上のヒットでチャンスを作ると、今日は5番レフトでスタメン出場を果たした坂口が千賀の155キロのストレートをセンターに弾き返す先制タイムリーヒットを放ってみせた。今シーズンの坂口はずっと2軍暮らしとなっており、中々出場機会が与えられなかったのだが、前日の古巣オリックス戦で今シーズン初出場で初ヒットを放つと、今日はタイムリーヒットを放ってみせた。しかも千賀相手に初回に先制タイムリーということで、価値の高い仕事をしてくれた。身体がフレッシュなのか思いのほかバットが振れているし、足も動いているように感じる。5番起用に応えてみせた。
千賀のボール自体は走っているように感じたため、簡単には得点できない雰囲気だったのだが、そんな中でも結果を残してくれたのは、4番村上のバットだった。4回に先頭打者として打席に入ると千賀の157キロのストレートをレフトスタンドへ運ぶ勝ち越しホームランを放ってみせた。カウント３－０からストレートを1球ファールにした後の低めのストレートを捉えたのだが、千賀の力を込めたストレートにしっかり反応し、レフトのテラス席を超え、スタンドにまで届く一撃は、やはりインパクト抜群のホームランとなった。相手バッテリーからしたら恐怖心を感じるホームランになったのではないだろうか？
そして8回に貴重な追加点を奪ったのは、3番山田のバットからだった。山田に関しては、今シーズンも一進一退の状態が続いており、打率も上がってきていないのだが、今日は好調の藤井相手にストレートを完全に狙い打ってみせた。完璧に捉えたように感じた打球がレフトスタンドまでは届かず、テラス席へのホームランとなった辺りにやはり状態自体は良くないのかな？とも感じたのだが、経験値の高さを活かした読みで打ったテクニカルなホームランとなった。

投手では小川が粘り、清水、マクガフがきっちり締める。
打線では、立ち上がりに千賀を崩し、主軸の村上と山田のホームランで得点を重ねるという王道パターンでの勝利となった。


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