田口で負けたら仕方ない

ヤクルト１－２ｘ中日（延長10回）

小川、小笠原の両先発投手による投げ合いとなり、1－0というスコアで試合は推移した。8連勝の勢いもあり、こういった展開でも勝ててしまうのかな？と感じていたのだが、8回に追い付かれると10回に今野が招いたピンチで火消しを任された田口が三ツ俣にサヨナラヒットを浴びてしまった。タイトルの通りであり、「田口が打たれたら仕方ない。」というチーム状況を作れていることをプラスに捉えたい所である。終わってみれば中日ペースの試合に引きずり込まれていたようにも感じるのだが、小川の好投もあり、決して悪くない敗戦だったように感じる。

先発の小川の投球内容は「ほぼ言うことなし。」というような素晴らしいものだった。もちろん１－０でそのまま逃げ切ってくれるのが理想的ではあったのだが、9回を投げて、被安打２，与四死球１の1失点という数字は完璧に近い数字である。ストレートも変化球もキレていたし、コントロールも良かった。無理やりケチを付けるのであれば、唯一の与四球が失点に繋がってしまったことくらいだろうか？それでも失点した場面においても0アウト1，3塁から代打溝脇をダブルプレーに仕留めた間に奪われた1点であり、悪い印象は全く残らなかった。ピッチャーズパークであるバンテリンドームナゴヤでの中日戦ということで、どうしても先発投手へのハードルは高くなるのだが、今日の小川のピッチングはそのハードルをしっかり超えてくるような素晴らしいものだったと思う。

１－１というスコアになりはしたのだが、今のチーム状況であれば、負けるイメージもあまり湧かなかったのだが、継投に入った10回に今野が掴まってしまった。コロナで開幕直前に離脱したものの復帰してからは徐々に状態を上げ好投を続けていたのだが、ここの所、ボールのキレが少し落ちている印象がある。今野の一番の武器であるストレートを各打者に対応されてしまう場面が目立ってきている。今日も1つのアウトを奪うのに苦労した印象がある。結局2アウト満塁のピンチでマウンドを田口に譲ることになったのだが、ここまでこういったピンチをことごとく凌いできた田口が今日も何だかんだ抑えてくれるであろうという期待感はあった。しかし今日は、カウント１－２からのストレートが多少甘くなったところを代打三ツ俣に捉えられてしまった。今日も田口はいつもと変わらず、フルスロットルで1つのアウトを取りに行ったのだが、サヨナラ打を打たれてしまった。逆に言うと打たれたからこそ、これまでの火消しの凄さが改めて浮かび上がってきたということも言えるかもしれない。田口に関しては、次回以降の登板が大事になってくると思われる。

打線は3回にオスナのソロホームランで先制点を奪ったのだが、全体的には中日先発小笠原の前に抑え込まれてしまった。バンテリンドームでの中日戦は、ロースコアのゲームになることが多いのだが、投手戦という印象のゲームもあれば、打線の低調さばかり目立つゲームもある印象である。今日は小川、小笠原による投手戦だったと思う。それ程までに小笠原の出来も良かったように感じる。高校時代からストレートに威力があり、変化球も器用に投げることが出来、総合力の高さを感じさせてくれるサウスポーだったのだが、昨年、今年の投球は、また一段階段を上った印象がある。私自身は小笠原に関しては、スライダーのイメージが強いのだが、今はスライダー以外にもチェンジアップ、ナックルカーブも使い、打者を抑え込むにあたって非常にバランスの良い球種を投げ分けている印象である。どのボールもある程度コースに投げ込めることが出来るため、調子の良い日は捉えるのが難しい投手である。オスナのホームラン以降は、チャンスらしいチャンスを作らせてもらえなかった。

もちろん打線にはもう少し何とかしてもらいたかったという気持ちもなくはないのだが、今日の小笠原の状態からすると仕方かったと諦めやすいゲームでもあった。明日以降に引きずる必要はないゲームだったように感じる。

P．S　大型連勝中は、ファンも何となく「もう負けないのではないか？」という錯覚に陥ってしまうことがあるのですが、長丁場のシーズンで全く負けないということは基本的にはあり得ないことですからね。また明日から出直しですよね。


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