リーグ連覇なる!最後はルーキー丸山和郁!

ヤクルト1xー0DeNA

7月9日のコロナクラスター発生以降、チームは失速し、その後は苦しいシーズンとなった。しかし8月末のDeNAとの3連戦含め、勝負所で何とか粘り切り、今日のゲームでもDeNA先発の今永の状態が非常に良かった中でも投手陣がDeNA打線に得点を与えず、9回裏のルーキー丸山和による劇的な優勝決定サヨナラタイムリーに繋げてみせた。リーグ連覇となると92年、93年のいわゆるヤクルト黄金期と呼ばれる時代の連覇以来である。それから19年が経過し、野球そのものもNPBが置かれている状況も様変わりしている部分もあるのだが、その中での連覇達成は「お見事」という他ない。ヤクルトファンの一人として連覇の記事をブログに記せることに喜びを感じている。
過去記事はこちらから→「6年ぶりのセリーグ制覇は、141試合目で達成。

先発の小川は、ここ2試合安定した投球を披露してくれていた。チームの先発陣が崩れる中で、コンスタントに投げてくれる小川の存在は非常に心強かったのだが、今日も相手先発の今永が絶好調という中でも、小川らしく、いつも通りの投球を披露してくれた。DeNA打線の粘りもあり、初回から球数自体は増えてしまったのだが、それよりも今日はとにかく先制点を与えないことが大事だった。2回、5回、6回と四球やヒットでランナーを許してしまったのだが、1点も与えたくない展開が続く中で、中村含めて冷静な投球を披露してくれたと思う。四球に関しても雑になって長打を喰らうよりは、丁寧に投げて四球でもOKという投球をしているように感じ、意図を持った中で投げていることが良く伝わってきた。今永に比べれば、見劣りしたかもしれないが、ヤクルトのエースとして大事なゲームでしっかり仕事をしてくれた。
小川が6回まで投げ切ったことで、7回からは、石山ー清水ーマクガフという今のリリーフ陣の状況からみて、最も基本となる継投に持ち込むことが出来た。石山は、前半戦に比べて間違いなくボールが走るようになってきているし、清水、マクガフはもう百戦錬磨の投手である。どの投手もリーグ優勝、日本一を経験しており、こういった大舞台でも自分の力を発揮できるだけの経験を積んできている。DeNA打線は、強力であり、1点を争う展開の中でプレッシャーも大きかったと思うのだが、3投手ともにDeNA打線をきっちり抑え込んでみせた。こういうゲーム展開でも勝ちを拾えたのが、前半戦のヤクルトだったのだが、優勝決定試合でそういった展開に持ち込んでみせた。

打線は、DeNA今永の前に苦しんだが、今日の今永の出来は非常に良かったため、打てなくても打線を責めるようなゲームではなかった感じる。今永のストレートは球威もキレもコントロールも抜群で、正直付け入る隙がなかったように感じている。ストレートであれだけ空振りを奪える先発投手はそうそういないものである。ヤクルト打線は、その今永相手に空振りしても積極的にスイングを掛けていった。これがヤクルト打線の好投手に対するアプローチの仕方である。いわゆる好球必打で、スイングを掛けながら、相手バッテリーにプレッシャーを掛け、考えさせるという戦略である。上手くいかなければ、先発投手にそのまま長いイニングを投げられてしまうリスクはあるのだが、味方投手陣が踏ん張ることが出来れば、この作戦が徐々に効いてくることもある。今日も0-0というスコアで推移する中で7回に球数が100球を超えた今永から中村、サンタナのヒットと今日から1軍に復帰した代打青木の四球で2アウト満塁のチャンスを作ってみせた。山崎は打ち取られてしまったが、好投手を攻略するお手本のようなゲームを見せてくれたように感じる(もちろん味方投手陣の踏ん張りがあればこそではあるが。)。
今永が降板した後にチャンスが巡ってくると感じていたのだが、8回はDeNA野手陣の好守もあり、伊勢に抑え込まれてしまう。しかし9回に代わったエスコバーを攻め、オスナの内野安打と中村の送りバントで1アウト2塁と一打サヨナラのチャンスを作ると、ここでサンタナのアクシデントによって8回途中からライトの守備についた丸山和に打席が回る。個人的には使えるのであれば、1アウト2塁という場面を作ってから丸山和の場面で塩見を代打に出すことがあるかな?と考えていたのだが、塩見はオスナに代わって代走として出場し、丸山和はそのまま打席に入った。まだベンチ入りの野手は残っていたため、川端という切り札を使っても良いし、キブレハンや内山壮などを起用するという手もあったのだが、高津監督はそのまま丸山和に任せる決断をした。その丸山和は、カウント1-0からの2球目のストレートにしっかり合わせると、打球は左中間を破る優勝決定サヨナラタイムリー2ベースとなった。ルーキーによる優勝決定サヨナラ打は史上初とのことで、歴史に名を刻むこととなった。
今シーズンは、野手では長岡や内山壮が台頭したのだが、丸山和もルーキーながら1軍で役割を与えられ、地味ながらも自分の役割をこなしてきたのだが、最後の最後に本当に美味しいところを持っていってみせた。こういう一打が丸山和自身の成長に繋がることを願っている。

昨シーズンの141試合目でのリーグ優勝も喜びは大きかったのだが、今シーズンの苦しんでのリーグ2連覇も嬉しい気持ちでいっぱいである。リーグ優勝すること、そして連覇を果たすことというのは、非常に難しいことはファンでも理解しているつもりです。その快挙を達成してしまうのだから、今のヤクルトは「強いチーム」になってきているのだと思う。今シーズンも大きなアクシデントがあり、決して簡単なシーズンではなかったのだが、高津監督のマネジメントと最強の4番打者村上を中心に勝利を重ねてみせた。本当に見事な優勝だったと思う。
そして30年以上ヤクルトファンを続け、10年以上ヤクルトファンとしてブログを書いている身からすると、高津監督の優勝監督インタビューでの「全国のヤクルトスワローズファンのみなさん、セ・リーグ優勝おめでとうございます。みなさんもチームスワローズの一人です。みなさんも優勝の立役者です。本当に1年間、セ・リーグを盛り上げていただき、そしてスワローズの一員として頑張っていただき、ありがとうございました。」という言葉にはグッとくるものがあった。私は私なりに今後もチームスワローズの一人としてチームを支えていきたいと感じることが出来た。
高津監督へ
「こんな素敵なヤクルトスワローズを作り上げてくれて、本当にありがとうございます。選手時代もコーチ時代もそして監督になって以降もいつもヤクルトファンを大切にしてくれる姿が大好きです。これからもヤクルトスワローズをよろしくお願いします。リーグ連覇達成本当におめでとうございます。」


P.S 山田の涙も感動しましたね。苦しみながらも弱音を吐かずにプレーし続ける姿は、野球少年の見本になるものだと思います。NPBで図抜けた存在だった頃の山田は頼りになったし、もちろん大好きだったのだが、今の姿も嫌いではない。ミスタースワローズと呼ぶにふさわしい選手だと思う。
「村上の胸で涙する山田」というシーンは、女性ファンも惹きつけるものがあったのではないでしょうか?

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コメント

  1. sabo より:

    現地で観戦できました。負ける気はしないけど勝てる気もしない。まさに投手戦。小川石山清水マクガフですけどここ一番で結果を出す、素晴らしかったです

    打つのは難しかったですけどDeNAは守備も堅かった。今年一番仕上がってたんじゃないかというくらい強かった

    高津監督がインタビューで丸山を打席に送ったのは延長を踏まえてと答えてましたが私も延長覚悟でした(笑)
    でも丸山がやってくれましたね!2015同様のサヨナラ勝ち。ですけどあの時は延長で阪神が勝ちパターンではない(確か)能見でヤクルトは雄平という事で勝てる雰囲気でしたが、丸山は相手がエスコバーだし正直厳しいと思ってました。でも何が起こるか分からないのが野球なんですね。丸山の背中を「男になってこい」と押したのが大松コーチという記事も出てますが大松コーチ有能説結構出てますね

    去年より今年の方が辛いペナント優勝だったなぁと感じながら、去年のことを思い出すと……よくよく思い出すと去年の方が辛かったですねw

    前半調子良かった今年と後半調子良かった去年でどうしても去年の方が良いイメージがあるんですよね。
    イメージ的にも優勝したいという欲望丸出しでこれを逃したら次のチャンスは何年後なんだというキリキリ感がありました。

    一方今年は開幕時にはそこまで優勝候補では無かった空気だと思います。ただ交流戦優勝しマジック点灯。イケイケドンドンまでは良かった。コロナ大量離脱からは耐えに耐え、7月は仕方ない。8月DeNA戦、乾坤一擲3タテで勝負ありと思いきや、9月投手炎上打線凍結。優勝確率99%と言われながら「まさか」が起きないことを祈るファンは結構いたんじゃないでしょうか。

    ただチーム状況が悪い中で連覇を成し遂げたのは高津監督が言っていた通り、去年の日本シリーズ制覇の経験が活きていたと感じてます
    まだ常勝チームではないと思いますが前年覇者というのは少し違いますね。貯金20でのリーグ優勝。お見事でした

    とはいえ私には「今のスワローズ」が強いとも思えません。先発陣再建はもちろん、打線も残りの試合を上手く使いながらCSに合わせて復活を期待します

  2. 超匿名 より:

     まずはFIYSさん、ブログ読者の皆さん優勝おめでとうございます。
     球界の盟主を自認する巨人がいるセリーグで、優勝は勿論のこと連覇するのは大変だと思います。二度目を目にすることができた幸せを感じています。
     振り返ると序盤の正捕手不在や数か月に渡るサンタナの離脱、次期エースと目される奥川のシーズン丸ごと棒に振ることなってしまった故障がありました。特に奥川は廣岡氏が十勝だか彼で貯金十だかをヤクルト連覇の条件に挙げていたこともあり、開幕早々に姿を消したことで、やはり日本一翌年は低迷する運命にあるのではと思いが頭に浮かびました。よく優勝まで辿りつけたと思います。
     ヤクルトの優勝は選手をかき集める手法で巨大戦力の巨人や、圧倒的な層の厚さを擁した少し前のソフトバンクといった、投打共にリーグ最強の布陣で成し遂げるのではなくて、核となる選手がいながらも、90年代の野村再生工場や弱者の兵法、選手を上手く使ったりする高津マネイジメントといったやりくりをして、チーム全体の総合力で勝ち取ったものなのでしょう。去年は二桁投手と三割打者がおらず、今年も現時点で二桁投手はいないものの、得点数リーグトップという数字が総合力を表していると思います。こうした味がある手法をヤクルトスタイルとでも呼びたくなります。選手各個人の個の力や打線の迫力は巨人が、投手力は中日や阪神に、そして走力も阪神に上回られているでしょう。明確に他球団に勝っているのは四番打者の村上とセットアッパーの清水くらいだったのではないでしょうか。
     これで日本一回数に加えてリーグ優勝回数も中日や広島と並んでリーグ二位となりました。巨人とは開きがあっても誇りに思います。ファンでいて良かった。
     打のヒーローとなった丸山は、正直剛球左腕リリーフからの安打は期待していませんでした。新人で優勝決定打を放つという球界初の偉業を達成してしまった以上は、大成を義務づけられた様なものだと思いますので、必死になって数年以内に外野のレギュラーを勝ち取るくらいにならないとダメでしょう。
     試合後のビールかけは楽しそうでしたね。完全な下戸の私でも参加してみたいと見ていて思いました。やっぱりヤクルトは良いですね。
     今日は長文失礼しました。

  3. FIYS より:

    saboさんへ

    最高の現地観戦になりましたね。おめでとうございます。

    よくよく考えると昨シーズンの方が辛かったはずなんですよね。昨シーズンの優勝決定試合で、今永にこの日のような投球を披露されてしまっていたら…と想像するとゾッとしますからね。

    私も今のヤクルトは強くないと思っているので、CSに向けて消化試合を有意義に使ってもらいたいと考えています。

  4. FIYS より:

    超匿名さんへ

    超匿名さんも優勝おめでとうございます。

    村上の存在が非常に大きかったシーズンではあるのですが、やはり高津監督のマネジメントも見逃せないですよね。シーズンの戦い方として、選手のコンディションを重視する戦い方は、今後のトレンドになっていくでしょうね。

    丸山和は、今後の成長が楽しみですよね。ナイスバッティングでした。

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