第94回高校野球選手権大会予想振り返り

大会前に予想をしていたので振り返ってみたい。

本命　大阪桐蔭（大阪）ー優勝

対抗　天理（奈良）ーベスト８　浦添商（沖縄）ー3回戦敗退　盛岡大付（岩手）ー初戦敗退

注目　札幌第一（北海道）ー初戦敗退

選抜の予想結果がひどかっただけに、まずまず当たったかなという印象だ。近年の大会は優勝候補に挙げられたチームが順当に勝ち上がることが増えているように感じる。今大会の決勝は、史上初めて選抜と全く同じカードとなった。春夏連覇を達成した大阪桐蔭はもちろん素晴らしいのだが、３季連続決勝進出を果たした光星学院も素晴らしい。

大阪桐蔭は、危なげなく勝ち上がって、決勝でも光星学院を返り討ちにしてみせた。近年多くのスタープレーヤーをプロ野球界に輩出している大阪桐蔭だが、チームとしても素晴らしいチームを作り上げてきた。
驚いたのは、エースの藤浪の成長である。春の段階でも予想以上に安定感があると感じたが、今大会でのピッチングはストレート、変化球ともにプロで即戦力が期待できるほどの出来だったのではないだろうか？準決勝、決勝の連続完封には度肝を抜かれた。今シーズン高卒１年目から結果を残している釜田（楽天）武田（ソフトバンク）を見ていると藤浪も１年目からの活躍が期待できそうである。
野手陣では、キャッチャーの森が目立っていた。２年生ながら藤浪のプロ級のボールを受け続け、打っても１番バッターとして素晴らしいバッティングを見せてくれた。春の段階では小柄な体格もあり、いきなりプロ入りというタイプには感じなかったのだが、今大会で個人的な評価は格段に上がった。中々現れないタイプの３拍子も４拍子も揃った天才キャッチャーなのかもしれない。同じ２年生ではセンバツでも印象に残った笠松が甲子園ではしっかり結果を残してくれた。懐の深いバッティングはどんな球にも柔軟に対応できそうな雰囲気がある。今後の大阪桐蔭にも要注目していきたい。

天理は、センバツであっさり初戦敗退してしまったのだが、今大会は、エース中谷が怪我から復調し、全国で戦えるチームに仕上げて来ていた。大阪桐蔭との差は大きかったが、実力を発揮できたのではないだろうか？特に中谷は流石に下級生時から注目されていただけあってキレの良いボールを投げ込んでいた。
野手陣は、早田、東原、古田など主力に２年生が多く、大阪桐蔭同様来季も注目して見ていきたい。

浦添商は、桐光学園松井の前に最後は抑え込まれてしまったが、最近の沖縄県のチームらしく身体能力に優れた野球を見せてくれた。初戦では、プロ注目の左腕濱田を擁し優勝候補の一角に挙げられていた愛工大名電を相手に序盤から優位に試合を進め、そのまま逃げ切って見せた。注目していた宮里、照屋の両右腕はまだまだ粗削りな印象だったが、身体の強さを感じた。将来性を買ってのドラフト指名もあるだろうか？

盛岡大付、札幌第一は残念ながら初戦敗退となってしまった。盛岡大付属の初戦敗退は意外だった。注目の左腕出口は常時球が上ずり苦しい投球となってしまった。それでも二橋、佐藤などの打球の鋭さに個々の能力の高さを感じた。しかしチームとして少し物足りない印象も残った。個々の能力では上回っていたのに負けてしまった。ここら辺を改善できれば甲子園初勝利が見えてくるはずである。
札幌第一は、エース知久に注目していたのだが、制球が定まらなかった。スライダーのキレは注目されていただけあって素晴らしかったが、これだけストライクが入らないと即プロは厳しい印象である。

今大会の個人的に印象に残った選手を挙げてみたい。自分がテレビで見れた選手だけを挙げるので偏りはあると思いますが…

投手　藤浪（大阪桐蔭）先ほども書いたので省きますが、プロで即戦力が期待できると感じました。大谷との立場を逆転させた印象も。
　　
　　　澤田（大阪桐蔭）腕の角度こそ違うもののフォームが館山（ヤクルト）そっくりだった。見た感じ少し太りやすい体質なのかな？と感じたが、大学でも頑張ってもらいたい。

　　　西　（倉敷商）　シンカーの軌道が物凄かった。この投手の球筋はあまりお目にかかれないものだった。４年後ドラフト候補にあがるような投手に成長してほしい。今大会で個人的には最も印象に残った投手だった。

　　　黒萩（遊学館）　初戦で光星学院に負けてしまったのだが、背番号３を背負った左腕は、フォームの綺麗さと柔らかな腕の振りが強く印象に残った。今後も野球を続けてもらいたい。

　　　福永（明徳義塾）　将来性という意味でこの投手を挙げさせてもらう。明徳義塾のサイドハンドというと吉川、高橋一正（ともに元ヤクルト）、松下（西武）など印象に残る投手を輩出している。これらの選手に比べると未完成な印象が強かったが、大阪桐蔭打線を相手に堂々とした投球を見せてくれた。

　　　松井（桐光学園）　スター誕生である。見ていてワクワクする投球をしてくれる。伸びのあるストレートと消えるスライダー。何度でも見てみたい奪三振王子である。

野手　森（大阪桐蔭）　　先ほども書いた通り、天才捕手。

　　笠松（大阪桐蔭）　　先ほども書いた通り、今後に期待のスラッガー。

　　北条（光星学院）　　センバツでも印象に残ったのだが、今大会でのバックスクリーンへのホームランはどれも素晴らしいものだった。良く比べられる坂本（巨人）の高校時代に本当によく似ている気がする。ドラフトでどんな評価をされるか楽しみにして見たい。

　　篠原（作新学院）　　この選手の打球も高校生離れをしていた。がっちりした体格から打ち込まれる鋭い打球は非常に印象に残った。全くマークしていなかっただけに驚いた。

時間がないのでかなり絞ってみました。他にも渡辺（東海大甲府）や小川（佐久長聖）などの２年生は将来有望に感じた。センバツ時にも書いたのだが、昨今の高校野球のレベルは非常に高くなっていると感じる。面白い大会だったと思う。

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