高見盛引退。日馬富士全勝優勝

元小結で東十両12枚目の高見盛(36)(本名加藤精彦、東関部屋)が27日、現役引退を表明し、年寄「振分」襲名が承認された。(読売新聞引用)

今は相撲を見ることはほとんどなくなったのだが、小さい頃は祖母の影響で毎場所テレビ観戦をしていた。今日は、初めて相撲を取り上げてみたい。
私が小学生の頃に若貴フィーバーが起こり大相撲は物凄い人気を博していた。その前には大横綱の千代の富士がおり、その他にも弟弟子の北勝海や大乃国、旭富士などの個性的な横綱。巨体を活かした押し相撲の小錦。筋骨隆々の霧島、回転の早いつっぱりで人気力士だった寺尾、F1相撲の琴錦など今でも覚えている力士は沢山いる。

そして若花田、貴花田の台頭とともに曙や武蔵丸のハワイ勢、つい最近まで現役だった魁皇、変則相撲の貴ノ浪、技のデパート舞の海、気迫を前面に押し出す貴闘力、強烈な張り手が印象的な旭道山、平成の怪物武双山、成松先生こと智乃花など本当に個性的な力士が数多く登場した時代だった。

その後時代の流れもあってか大相撲人気は下降していくこととなる。正直今でもその下降線は止まっていないと見る。近年は、八百長問題など数多くの大きな問題が頻発してしまったこともあり、大相撲は窮地に立たされている。そんな時代より少し前に(といってもすでに大相撲人気は下火だった)登場したのが高見盛だった。

アマチュア時代から学生横綱に輝くなど実績を積み、幕下付け出しデビューを果たすとトントン拍子で番付を駆け上がった。土俵上で気合を入れる姿がユーモラスでたちまち人気者となっていた。
そして本人のキャラクターもかなり変わっていた。今までの日本人力士、日本人スポーツ選手にはいないタイプのどこまでも不器用で愚直な性格の持ち主であった。それでもこの厳しい大相撲の世界で関取を勤め上げたのだから素晴らしい。様々な人に勇気を与える存在でもあったのではないだろうか?
相撲の取り口も不器用で愚直。右を差して胸を合わせて寄る。自分の形になれば横綱、大関陣も倒すだけの力があった。しかし負けるときはあっさり負けてしまうことも多く、本当に不器用な力士だな。という印象が残っている。
普段相撲は見ないため、今場所高見盛が引退の危機と聞いて驚いた。もうすでに身体はボロボロだったようだ。それでも最後まで諦めずに相撲を取り続けた姿には感動した。記録より記憶に残る力士である。

そして今場所は日馬富士が15戦全勝で幕内優勝を飾った。モンゴル勢の恐るべき強さである。技のデパートモンゴル支店と言われた旭鷲山、昨年の5月場所を制した旭天鵬らが切り開いた道に土俵内外で良くも悪くも話題を振りまき続けた朝青龍、すでに大横綱の風格が漂っている白鵬、そして軽量ながら正攻法の相撲で横綱になった日馬富士と魅力的な力士を輩出し続けている。
相撲人気は衰えても上記のモンゴル勢の相撲は若貴ブームの頃の力士と比べても全く遜色のないものだと思う。もう少し面白いライバル力士が現れれば少しは人気回復の兆しが見え始めるのではないか?現実には難しそうだが…
正直日馬富士は、好きなタイプの力士ではあるが、ここまでの力士になるとは思っていなかったので驚いている。今後の白鵬との優勝争いは相撲ファンにとっては楽しみなのではないだろうか。

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