陸上の世界選手権(8月10日開幕、モスクワ)の代表選考を兼ねた織田幹雄記念国際大会は最終日の29日、広島市のエディオンスタジアム広島で行われ、男子100メートル予選で桐生祥秀(よしひで)=洛南高3年=が、ジュニア世界記録に並ぶ日本歴代2位の10秒01(追い風0.9メートル)をマークした。桐生は決勝でも10秒03(追い風参考)で優勝した。ロンドン五輪代表の山県亮太(慶大)は10秒04で2位だった。
(毎日新聞引用)
水泳界では萩野公介、山口観弘というスーパースター候補が現れたが、陸上短距離界にもスーパースター候補が現れた。その名は「桐生祥秀」。昨年10秒21、10秒19というジュニア(20歳以下)日本記録、ユース(18歳以下)世界記録を達成していたため知名度はあったのだが、今日の10秒01という記録には度肝を抜かれた。皆さんご存じの通り、日本人選手で9秒台を出した選手は一人もいない。日本記録は伊東浩二氏が持つ10秒00、9秒台まで後一歩というところまで来ながら、長年足踏み状態が続いているのが、現在の日本短距離界である。伊東も朝原も末續も塚原も果たせなかった9秒台に一気に迫ってきたのが17歳の高校生というところに強いワクワク感を感じている。
陸上の短距離種目は、とにかく速く走るというシンプルな競技なのだがその分奥が深い。若くして好記録を出してもその後鳴かず飛ばずの状態になってしまう選手も少なくない。それだけに今回の桐生選手についてもどこか心配な部分もあるのだが、インタビューでのしっかりとした受け答えや周りの方々の努力家との評があるためこのまま一気に記録突破の期待も高まる。本当に楽しみな高校生が出てきた。
そしてあまり目立っていないのだが、ロンドンオリンピックでも活躍した山県亮太(慶大)も決勝で追い風参考ながらも10秒04の記録を残している。この山県も最近好記録を連発している。10秒の壁を破れそうなそうな選手が複数現れたことの意味は大きい。17歳の桐生と20歳の山県、良いライバル関係になりそうだ。これはひょっとすると近い将来日本人初の9秒台が見られるかもしれない。
追記
日本陸連は14日、男子100メートルで桐生祥秀(京都・洛南高)が出した10秒01が、ルールで定められた風向風速計を使用していなかったため、国際陸連からジュニア世界記録として公認されなかったと発表した。13日付で通知があった。タイム自体は有効で、国際陸連のランキングにも記載されるという。桐生は4月29日の織田記念国際の予選で、追い風0・9メートルの条件でジュニア世界記録に並ぶタイムを出した。
(共同通信引用)
少し残念にも感じるのだが、これは仕方ないだろう。ただその後の走りを見ていてもやはり桐生は只者ではなさそうだ。いわゆる一発屋の類の選手ではないだろう。高校生にしてコンスタントに10秒前半で走ることが出来ている。この桐生に山県、200mを得意とする飯塚と面白い若手が次々と現れて来ている。今年の世界陸上は男子短距離に注目してみたい。
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