小川ー山本哲で連敗脱出

ヤクルト２－１オリックス

６連敗を阻止したのはルーキー小川だった。オリックスの先発がエース金子だったこともあり、苦戦が予想されたが、相手が強ければ強いほど燃える男、小川の気迫がチームを勝利に導いた。素晴らしいルーキーである。

初回は両投手ともに三者凡退で仕留める静かな立ち上がりとなったのだが、２回にヤクルトは先頭のバレンティンが２ベースで出塁すると２アウト３塁から岩村はピッチャーゴロに打ち取られる。しかしファーストイ・デホのカバーが遅れ、タイムリー内野安打となり１点を先制する。
そして５回には今日９番セカンドでスタメン出場となった田中浩、１番で起用となったミレッジの連打で０アウト１，３塁のチャンスを作る。しかし続く森岡のセカンドゴロで田中浩がホームを狙い、アウトとなると３塁を狙ったミレッジもアウトとなってしまい、２アウト２塁とチャンスはしぼんでしまう。それでも今日３番センターで起用された武内がタイムリー２ベースを放ち、追加点を奪う。
２回も５回も素直に誉められるような点の取り方ではなかったが、終わってみれば非常に大きな２点だった。

２回と５回に１点ずつの援護をもらった小川は、初回以降も多彩な球種を駆使してオリックス打線を抑え込んでいく。オリックスのエース金子相手に互角以上に渡り合ってみせる。今日も試合を見れていないのだが、一球速報で追っていくとフォークと時々投げるカーブを有効に使っていた印象だ。力のあるストレートと多彩な球種に安定したコントロール。似た特徴を持つ両投手の投げ合いは見応えがあったのではないだろうか？小川はまだまだ試合ごとの波はあるが、多彩な球種を満遍なく使って相手打線を抑え込んでいく様は見事である。キャッチャーの中村は、どんな気持ちでリードしていたのだろうか？リードしやすい投手なのか？それともリードに高いレベルが要求されるタイプの投手なのか？何はともあれ７回までは無失点投球を継続する。
しかし８回、１アウトからイ・デホに１２球粘られ、四球を与えてしまう。（イ・デホのバッティング技術は素晴らしいですね。バッティングの引き出しの多さを感じる。）糸井にはヒットで繋がれ、山本には死球を与えてしまい、１アウト満塁とこの試合最大のピンチを招いてしまう。この時点で球数は１２４球を数えていたが、このピンチを任せられるリリーフ陣が皆無なヤクルトは、ルーキー小川にこの場面を託す。後藤の犠牲フライで１点は失ったものの続く伊藤をセカンドゴロに打ち取り、このピンチを最少失点で切り抜けて見せる。
結局小川は、８回１２９球を投げ、被安打７与四死球４の１失点と勝ち投手の権利を得たままマウンドを降りる。チーム状態が悪い中、またしびれるような接戦のゲーム展開の中でこれだけ安定した力が発揮できる精神面の強さに脱帽である。

そしてもう一人拍手を送りたいのは、９回を任された山本哲である。セーブが付く場面での登板は久々であり、今日は１点差というしびれる場面での登板となったが、きっちり三者凡退で仕留め、チームの勝利に貢献した。チーム状況、ゲーム展開を考えるとかなりプレッシャーの掛かる場面での登板だったと思うが、完璧なリリーフとなった。もちろんクローザーという存在は「抑えて当たり前！」というレベルを期待したいのだが、今の山本哲にそこまでの期待は掛けられない。今日のような投球を続けながらいつか抑えるのが当たり前の投手へと成長していってほしい。今日はナイスピッチングである。

小川に関しては今日で６勝２敗となり、交流戦では３勝１敗という成績となった。交流戦で挙げた３勝は、相手の先発が成瀬、摂津、金子と各チームのエース級ばかりだったことを考えると非常に価値のある勝利だったと思う。（西武岸との投げ合いも見応え十分だった。）

打線は、今日は山田を外してセカンド田中浩、ショート森岡をスタメンに持ってきた。チームの勝利を優先するのであれば仕方ないことかと思う。山田はとにかく守備面が向上しなければ中々使い辛いのは事実である。特に今日のような試合展開では怖くて見ていられないだろう。（後１試合のみだが、DH起用もなくはないと思うのだが…どうだろう。）
打線に関してはまだまだ試行錯誤が続いていくだろう。それにしてもバレンティンが好調なうちに何とか勝利を積み重ねていきたい。

明日の先発はラルーと西である。何とか今日のような展開に持ち込みたいところだ。「終わりよければ全て良し」とは言えない状況なのだが、絶対に勝ってほしい一戦である。


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