ヤクルト7-3広島
小川ー野村という玄人好みのしそうな両投手の先発となったこの試合、一旦は広島野村に軍配が上がったかに思われたが、8回にヤクルト打線が繋がり、鮮やかな逆転勝利を飾った。これで小川は11勝目を上げた。ナイスゲーム!
試合は初回から動く。ミレッジの先制ホームランでヤクルトが幸先良く立ち上がったと思ったのも束の間、何といきなりバレンティンに代打武内が送られた。腰の張りで大事を取ったようだが、小川が投げる試合に打ちまくるバレンティンがいきなりいなくなり、嫌な予感が漂い始める。
しかし小川はそんな嫌な雰囲気を忘れさせるようにいつもと変わらぬ冷静な投球を披露する。夏場の厳しい時期に差し掛かっても威力あるストレートはそのままに多彩な変化球も意のままに操り、広島打線を翻弄していく。しかし相手は野村である。野村も初回にミレッジに一発を浴びた以降は、ランナーを出しながらも丁寧な投球で得点は許さず、5回には自らの好フィールディング2連発で流れを引き寄せようとする。
小川と野村いかにも投手としての偏差値が高そうな者同士の投げ合いは、ついに6回に動く。初回の1点を守っていた小川だが、6回裏に先頭のルイスにヒットを許すと、菊池に送られた後に丸にタイムリーを許し、同点に追いつかれてしまう。すると続くキラには勝ち越し2ランホームランを浴びてしまう。この回逆転を許すまでに投じた球数はわずか5球である。広島の好球必打の速効にあっという間に逆転を許してしまった。こうなると流れは完全に広島であり、勝負あったかなと思ったのだが、8回にヤクルト打線が意地を見せる。
球数が100球に達した野村を攻め、森岡、中村の連打で0アウト2,3塁のチャンスを作ると、小川の代打岩村がタイムリーを放ち、まず1点。続く山田の所にも代打田中浩を起用すると、その田中浩はボテボテのピッチャーゴロに打ち取られるものの飛んだコースが幸いしてラッキーな内野安打となり同点に追いつく。
この後1アウト満塁とチャンスを広げるものの武内は打ち取られ、2アウトとなる。しかしここで川端が今シーズンの鬱憤を晴らすような素晴らしい勝ち越し満塁ホームランを放ち、7-3と一気にゲームをひっくり返す。
8回、9回は石山、山本哲が締め、そのまま7-3で逆転勝ちに成功した。
小川に関しては、オールスター明けどうかな?と心配していたのだが、その心配を吹き飛ばすような投球を見せてくれた。バント失敗とキラへのホームランを打たれた場面で珍しく表情を崩したが、それでも野村相手に2連勝と言うのは素晴らしいし、投球自体はストレートも走っており、前半戦と大きな違いは見られなかったのではないだろうか?中村のリードも小川の多彩な球種を活かせており、非常に好感が持てるバッテリーである。6回にあっという間に逆転された場面は若さが出たかもしれないが、それでも7回111球を投げて、被安打6与四死球1の3失点と言う内容は充分に合格点を与えられる。
そんな小川を打線が最後の最後に援護した。バレンティンを欠いた中で野村の前にミレッジの一発以降は抑え込まれていたのだが、8回の集中打は見事だった。正直2-3としてなおも0アウト1,3塁の場面で山田に代打の田中浩を送るという采配は、私の中では「ない」采配なのだが、田中浩が執念で内野安打を放ってくれた。当たりはともかくベンチスタートでも必死にプレーする姿は、チームにも良い影響を与えると思う。
正直チームが最下位に沈んでおり、起爆剤と成り得る若手の山田にこの場面で代打を出すという采配は私の中では「?」なのだが、田中浩が結果オーライな当たりではあるもののタイムリーを放ったということは、小川采配的中ということで良いだろう。
そして驚いたのが川端の今季第1号となるグランドスラムである。同点止まりで終わってしまえば昨日の試合の事もあり、まだまだ嫌な流れが続くような場面で飛び出した満塁ホームランは非常に価値の高いものだった。川端自体は今シーズンも怪我で苦しんだが、やはり素晴らしいバッティングセンスの持ち主だと感じる一発だった。どんなボールにも対応できそうな自然な構えで、ボールに逆らわない非常にシンプルなバッティングを見せてくれている。今日のホームランは美しい一発だった。前半戦の分をどんどん取り返していってもらいたい。
今日負けるとまたダメージが残るゲームだっただけにファンとしてはホッとする1勝となった。小川はこれで6連勝となり、通算成績も11勝2敗とハーラーダービー単独トップを突っ走っている。このまま行けるところまで突っ走ってもらいたい。
P.S バレンティンの状態も気になるのですが、今日は、広島の4番キラも気になった。打席での雰囲気が良く、スイングはちょっとホワイトセルっぽい感じでしょうか?今年はどのチームも外国人選手の活躍が目立ちますが、このキラも侮れない存在になりそうですね。
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