6回裏と8回裏

2023試合結果


ヤクルト4-8巨人

今日は巨人の先発山崎伊の状態が非常に良く、難しいゲームになると感じたのだが、ヤクルト先発の小澤が粘りの投球を見せると、6回表に一挙4点を上げ、逆転に成功するというヤクルトにとっては理想的な展開にも持ち込めたのだが、勝負を掛けた6回裏と1点リードを保ったまま清水を投入する形を作れた8回裏に踏ん張り切れなかった。一度は勝てる展開に持ち込めていただけに痛い逆転負けとなった。

前回の登板で4本のホームランを浴びるなど、毎回失点を重ねてしまった小澤は、今日は長打力のある巨人打線相手にヒッターズパークである東京ドームで投げなければならないということで、いつも以上にプレッシャーが掛かった中での登板になったのではないだろうか?初回からコースを丁寧に狙って投げている様子が伺えたのだが、その分ボール球も増え、常に苦しい投球になっているようにも見えたのだが、それでも大崩れせずに投げれる辺りは、小澤の先発投手としての適性を感じさせてくれる。3回に2アウトランナーなしから吉川に2ベースを浴びると、坂本にタイムリーヒットを許し、先制点を許してしまったのだが、その後も粘りのピッチングで5回まで1失点で抑えると、6回表には、味方打線が4点を援護し、小澤に勝ち投手の権利が転がり込んできた。6回も四球とヒットでピンチを招きながらも何とか2アウトまでこぎつけたのだが、ここで降板となってしまった。5回2/3で96球を投げ、被安打7、与四死球1ということで、打たれながらもよく粘ってくれたのではないだろうか?
もちろん先発投手として、ここで大城を抑えて、6回1失点で抑えきれるような投手になってくれればありがたいのだが、大城との相性や今日の対戦時の雰囲気からすると、ここでのスイッチは致し方ないように映った。
2アウトまでこぎつけていたため、ヤクルト側としては、何とかこの回を無失点で抑えたい場面だった。そこでサウスポーの山本を投入し、大城を抑えにいった。今シーズンここまで大城には2打数2安打と打ち込まれていたようだが、個人的には、この場面で小澤から山本にスイッチしたことは当然の策だと感じていたし、山本はこういう場面を抑えてこその立場の投手だと思っている。しかし山本はここで大城にセンター前にタイムリーヒットを許すと、山崎の送球が本塁へ生還した丸に当たり、ボールが不運にも一塁側ベンチに飛び込んでしまい、一塁走者のブリンソンも生還する形となり、思わぬ形で2点を失ってしまった。
この場面は勝負の分かれ目の一つだった。今シーズンは、大城を中々抑え込めないのだが、今日も大事な場面でヒットを許してしまった。また山崎の返球に関しては、問題なかったと思うのだが、丸のスライディングと送球が丁度重なってしまったのは不運としか言いようがなかった(おそらく中村も前に出て捕球することは難しかったのでは…)。
無失点で抑えにかかった場面で、2点を奪われてしまったのは間違いなく痛かった。
7回は石山が何とか無失点で切り抜け、1点リードのまま清水ー田口のリレーで逃げ切る形は作れていたのだが、8回に登板した清水が今日は打ち込まれてしまった。1アウト後に丸に同点ホームラン、ブリンソンに逆転ホームランを浴びてしまった。どちらも清水の生命線であるフォークを捉えられてしまった。この所清水はボールのキレが落ちているのか、相手打者に対応されてしまう場面が目立っている。ストレートが走っていないため、ごまかしながら抑えにかかる投球になってしまっているだろうか?ブリンソンに逆転弾を浴びた後もアウトが取れず、結局ピンチを招いて降板となってしまった。代わった大西も吉川に走者一掃のタイムリー3ベースを浴びてしまい、これで勝負ありとなってしまった。

打線は、今日から村上が復帰し、1番センター山崎、2番キャッチャー中村、3番セカンド山田、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番ファーストオスナ、7番レフト澤井、8番ショート長岡、9番ピッチャー小澤という先発オーダーとなった。オーダーとしては、本来のオーダーに近付いてきたのだが、今日は、相手先発山崎伊の状態が非常に良かった。
初回からストレートがキレており、同じ投球フォームから投げ込まれるカットボール、スライダー、シュート、フォークも満遍なく投げ込んでくるため、各打者が狙いを絞れないでいる姿が見られた。多少甘いコースにボールが来ても、内外角、高低に様々な球種を散らされてしまうため、捉えられない場面があり、正直得点を取れる雰囲気がなかったのだが、6回に長岡のヒットと山崎のヒットで1アウト1,3塁のチャンスを作ると、中村の打席の初球にセーフティスクイズを敢行し、この作戦が見事に成功し、同点に追い付くと、2アウト満塁からサンタナが2点タイムリー、続くオスナにもタイムリーが飛び出し、この回一挙に4点を奪うことに成功した。ワンチャンスを見事に活かしてくれた。
中村のセーフティスクイズに関しては、今日の山崎伊の出来からすると「あり得る。」と感じたヤクルトファンは多いと思うのだが、ある意味では相手にも警戒されていることは、見え見えの場面であり、それでも敢行し、決めきってみせたのは見事だった。スクイズはあまりにもリスクが大きかったため、セーフティスクイズを選択したと思うのだが、中村も1球でしっかり仕留めたし、長岡も判断よくホームを陥れてみせた。中村のスクイズ、セーフティスクイズは、どうしても1点が欲しい場面でのヤクルトの1つの武器となっている。相手が警戒していても防げないような名人芸になってきているのではないだろうか?このセーフティスクイズから山崎伊を崩して4点を奪った場面は見事だった。
このまま勝ち切るゲームが多かったのが、21年シーズン、22年シーズンだったのだが、今年は、こういった展開に持ち込めても勝ち切れないゲームが目立っている。だからこそ5位に低迷しているということになるのだろう。

P.S 今日はもし勝っていれば中村のスクイズや石山の牽制に焦点をあてて「ハイレベルなかくし芸、裏技」というタイトルで記事を書いて見たかったのだが、叶わなかった。そんなタイトルでブログ記事を書ける日がいつか来るのだろうか?




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コメント

  1. sabo より:

    今年はドラフトで吉村を獲得、助っ人で新たにピーターズとロドリゲスが加わり比較的先発が揃った中でここにきてリリーフが崩れてきましたね
    思い出すのは17年ですね。あの時は珍しく先発の数は比較的揃った一方でリリーフが足りなくて七夕の悲劇が起きたりしました
    まあ今年は塩見をはじめ野手の離脱も多かったものの流石に17年の惨状には程遠いですけど、リリーフ陣の調子がそのままチーム成績に繋がっている気がしますね
    ちょっとリリーフ陣を建て直さないといけませんね

    • fiys より:

      saboさんへ
      開幕直後は、リリーフ陣も上手くローテーションしながら使っていたのですが、先発陣が長いイニングを投げられない中で疲弊してしまいましたよね。私は、高津監督初年度の2020年シーズンと重ねてみることが多いです。

  2. 超匿名 より:

     左腕リリーフの戦力化が課題の一つでしょうから、左打者が続く場面での山本への交代は理解できます。一方で村上が病み上がりで調子がわからない状態で、ポイントゲッターのサンタナを六回でベンチに下げてしまったのは、巨人打線の攻撃力を思えば早かったのではないでしょうか。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      サンタナの交代に関しては、確かに交代した時点ではまだ3-1というスコアでしたからね(直後に4点目を奪いましたが…)。しかしビジターでの巨人戦ということで、勝つとしたら、3点のリードを逃げ切ろうと考えるのが最もベターであるとも感じます。サンタナは守備面でもコンディション面でも不安がある選手なので、難しい判断が求められますよね。

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