「髙藤直寿」という柔道家をご存じだろうか?今年のリオの世界選手権を制し、先日のグランドスラム東京大会も制すなど、今現在60㎏以下級で世界一の称号を持っている20歳の柔道家である。柔道は日本のお家芸であり、若くして世界一に輝く選手も少なくないが、この髙藤に関しては、日本人では珍しい変則的な柔道で注目を集めてきた。
いわゆる昔からの日本柔道ファンから見れば賛否分かれそうな柔道スタイルなのだが、その技のキレは素晴らしい。「そこから一本を取るのか?」という体勢から技を決めてくる。私のような素人から見ると非常に面白い柔道を見せてくれる。
しかしルール改正があり、立ち技の際、帯から下を掴んで攻撃することが反則となってしまった。これはいわゆるジャケットレスリング化してしまった柔道を以前の形に戻そうとする動きであり、基本的には日本人柔道家にとっては有利となるルール変更なのだが、この髙藤は、しっかり組まなくても技を掛けられる選手だったためスタイルの変更を余儀なくされた。このルール改正によって私の中では髙藤選手への興味は薄れていたのだが、いつの間にかルール改正に対応していた。自分が得意としていた柔道が反則となってしまっても髙藤らしさは失わず、豪快に一本を取る柔道は変わらなかった。
今回のグランドスラム東京を制したことによって国際大会7連勝と言うことである。60㎏以下級と言えば何と言っても五輪3連覇を達成した野村忠弘の階級なのだが、野村とはスタイルが違いすぎるため比べることは出来ない。何となくではあるのだが、野村に比べて研究されてしまうと脆さが出て来るような気がするし、相手によっては相性が悪い選手が出てきてしまうような気がするのだが、それでも日本人でこういったスタイルの選手が登場したことに意味があると思う。
最近色々とマイナスな話題が多かった柔道界だが、こういう選手が育ってきたことについては非常に興味深いことである。(育てたのか自分で育ったのかは分からないが…)
石井慧が出て来た時と違った衝撃がある。柔道家というよりはプロの格闘家の雰囲気を漂わせている。私の中では「山本KID徳郁」の雰囲気に似ているなあといった印象を持っている。
P.S 最近の若手スポーツ選手は凄いですね。水泳の萩野、瀬戸、山口。陸上の山縣、桐生。体操の白井。野球の藤浪、大谷。サッカーでは挙げられないくらいの若手が出てきている。女子でもバドミントンの山口など魅力的な選手が次々と現れている。日本人の常識を覆すような選手が多く2020年の東京オリンピックに向けてこの若手選手達の活躍は明るい話題ではないだろうか?
「ゆとり教育。ゆとり教育。」と散々揶揄されてきているが、スポーツ選手を育成するという意味では意外と良い教育だったのではないだろうか?などと思ってしまう。
浅はかな考えで申し訳ありません。
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