葛西紀明7度目の五輪へ

オリンピック

ノルディックスキー・ジャンプ男子のベテラン葛西紀明(41=土屋ホーム)が、冬季五輪で日本最多となる7大会連続の代表入りを果たした。

2月のソチ五輪開幕1カ月前の7日、全日本スキー連盟(SAJ)が同競技のソチ五輪代表を発表した。金字塔を打ち立てた「レジェンド」が、7大会連続の五輪出場で悲願の金メダルに挑む。
(日刊スポーツ引用)

ソチオリンピックが目の前まで迫ってきたのだが、今回私が最も注目しているのはジャンプの葛西紀明選手である。私が小学生の頃から世界の舞台で戦っている天才ジャンパーである。昔から大好きな選手だったのだが、ここまで息の長い選手になるとは思ってもみなかった。

若くしてその才能を発揮し「天才」と呼ばれたスポーツ選手がこれだけ長い間活躍し続ける事例は日本ではかなり珍しいのではないだろうか?正直そんなスポーツ選手をパッと思いつかない。

この葛西選手の全盛期はいつだったのだろう?と聞かれれば皆さん意見は分かれると思うのだが、私はリレハンメルオリンピックが行われた93/94シーズンだったように感じている。92年のアルベールビルオリンピックからジャンプ界はV字ジャンプが主流となり、葛西選手もスキー板を揃えて飛ぶクラシカルスタイルからV字ジャンプに転向した。調べてみるとアルベールビルオリンピックの時には、本人はV字ジャンプに変更することを反対していたようで、スムーズに変更することができず惨敗に終わってしまったようだ。
アルベールビルオリンピックのこともうっすらと覚えているのだが、この時の葛西選手のことは全く記憶にない。おそらくはっきりと葛西選手のファンになったのはその後のシーズンの事だと思う。テレビでジャンプの中継を見ると素人の小学生である私が見ても明らかに1人だけ全く違う飛行曲線を描いている選手がいた。それが葛西選手だった。
当時の日本ジャンプ陣は勢いがあり、世界とも十分に戦える選手がいたのだが、その選手達と比べても頭一つ抜けた存在になっていたと思う。リレハンメルオリンピックのジャンプ競技は釘付けになって見た覚えがあるのだが、個人戦では惜しくもメダルを逃し、団体戦では、「世紀の失速」と呼ばれた原田選手の失敗ジャンプによりほぼ手中にしていた金メダルを逃してしまう。葛西選手はこの時まだ21歳であり、この後オリンピックでメダルを取るチャンスはいくらでもあると思っていたのだが…

翌シーズン2度の転倒によって骨折しシーズンを棒に振ってしまうと以前のような圧倒的な強さは影を潜めることになる。もちろん私の中で「思い出補正」というものがかかっているのかもしれないが、この怪我をする前の葛西選手が一番強かった時期だったのではないかと今でも思っている。(ヨーロッパで「カミカゼ」と呼ばれた。深い前傾姿勢の空中姿勢は特徴的であり、とにかくカッコ良かった。)

その後のオリンピックでも代表に選ばれるもののメダルを手にすることは出来なかった。長野オリンピックではノーマルヒルのみの出場となり、金メダルを獲得した団体戦のメンバーからは外れてしまった。(個人的にはファンだったため残念だったが、当時の実力的に言うと斉藤選手がメンバー入りしたことに異論はなかった。)

そんな葛西選手にリレハンメルオリンピック以降最大チャンスが訪れている。今シーズンのワールドカップでは安定して上位に顔を出しており、ワールドカップ最年長表彰台も経験している。これほど安定した成績を残す葛西選手はいつ以来だろうか?

リレハンメル、長野の頃と比べるとまだまだ「日の丸飛行隊復活。」とは言えないかもしれないが、その中でもメダルを狙える状況には持ってこれたのではないだろうか?もし葛西選手が41歳でメダルを獲得するようなことがあれば…そんなに甘いものではないかもしれないが、いままでの波乱万丈の選手生活を考えると是非メダルを獲らせてあげたいと思ってしまうような選手である。天才ジャンパーと呼ばれた時代、V字ジャンプへの移行時代、圧倒的なジャンプでファンを沸かせた時代、怪我に苦しんだ時代、低迷する日本ジャンプ陣を支えた時代、そして現在の円熟期と言っても良いような時代と本当に中身の濃い選手生活を送っている。今回のソチオリンピックで葛西選手に天が味方することを願っている。

P.S 葛西選手のヨーロッパでの知名度は高いのでしょうか?ヨーロッパのスキー競技の人気は高いと聞きますが香川選手、長友選手、本田選手などのサッカー選手と比べればやはり知名度は低いのでしょうかね?よく分からないのですが、実はこの葛西選手も意外と外国人のファンが多いのかなあ?などと感じることがあります。長年世界の舞台で戦っていること、そして「カミカゼ」というニックネームが付いていることを考えるとやはり結構人気がありそうですよね!

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