ヤクルト打線の底力！こういう勝ち方も出来るんですね！

ヤクルト２－１オリックス

好投手西相手に素晴らしい攻撃を見せてくれたと思う。ヒットが出なくとも点を獲るお手本のような攻撃だった。もちろん石川の好投が勝利への絶対条件のゲームではあったのだが…素晴らしいゲームだったと思う。

石川は相手の先発が西ということでプレッシャーもあったと思うのだが、素晴らしい投球を見せてくれた。８回２/３を被安打５（被本塁打１）与四死球１の１失点という数字が石川の好投を物語っている。ダイジェスト映像しか見ていないため何とも言えない部分もあるのだが、三振を８つ奪っているところを見てもストレートのキレが本来の状態に戻ってきているのだと思う。一球速報を追っていくとオリックスは結構早打ちをしてきた印象なのだが、それでも三振を８つ奪った所に今日の石川の調子の良さを感じることが出来た。T-岡田に一発こそ浴びたものの今シーズン１のピッチングを見せてくれたと思う。相手の先発が西の時にこのようなピッチングを披露してくれたところに価値を感じる。

驚いたのは最後の最後９回２アウトランナー１塁、打者ペーニャの場面で秋吉にスイッチしたことだ。この投手交代に関しては結果論で語ることしか出来ない。秋吉がペーニャの代打原拓をきっちり打ち取って見せたのだから、ベンチワークの勝利と言っても良いゲームになったと思う。この継投に関しては、敢えて名采配と言っておきたいと思う。もちろんしびれる場面で登板し、しっかり仕事をした秋吉を讃えることも忘れてはいけないが…
試合をリアルタイムで見ていないので分からない部分もあるのだが、９回２アウトからの両軍ベンチの読み合いは中々面白いものだったのではないだろうか？９回２アウトまで好投してきた元エースの石川、一発出れば逆転サヨナラ負けという場面でバッターは現時点でパリーグホームラン王のペーニャ、私の頭の中にはこのシチュエーションでの投手交代の選択肢はなかった。ヤクルトファンの方々の中でこの場面で秋吉投入を予想または推奨したファンの方はどれくらいいるのだろう？おそらく少数だったのではないだろうか？
そして秋吉にスイッチしたことでオリックスがペーニャに代打を送ると予想した方はどれほどいたのだろうか？普段オリックスの試合を見ないため分からないのだが、この森脇監督の采配にオリックスファンは納得したのだろうか？（ペーニャは左投手が得意というのは分かるのだが…右の変則サイドスローはかなり苦手なのでしょうか？）
この駆け引きの中で勝利を手にしたのはヤクルトだった。小川監督をはじめとしたヤクルトベンチはペーニャに代打が出るところまで読んで秋吉を投入したのだろうか？そこまで読んでいたとすると中々凄い采配だと思う。
まあ先程も書いたようにこの継投は結果論で語ることしか出来ないと思う。すなわち素晴らしい継投だった。

打線は西の前にヒットは４本しか打てなかったが、自ら仕掛けて少ないチャンスを作り出し、その少ないチャンスを見事に得点に結び付けてみせた。こういう攻撃ができることを見せつけてくれた。
２回は雄平が相手のエラーで出塁すると続く畠山の場面で盗塁を決めてみせた。そして畠山が進塁打を放ち、ランナーを三塁まで進めると今日スタメン起用された森岡がきっちり犠牲フライを打ち上げ、ノーヒットで先制点を奪ってみせた。雄平の盗塁も見事だったし、畠山の進塁打も状況に応じてのもので高く評価できるものだと思う。そして森岡も低めの難しいボールを上手く拾ってみせた。雄平、畠山、森岡という面々でこういう攻撃が出来たことが嬉しい。
そして同点に追いつかれた後の５回には先頭の森岡が２ベースで出ると中村が進塁打を放ち、石川が初球スクイズを決めてみせた。下位打線で奪ったこの攻撃も見事だった。石川のスクイズはおそらくセーフティースクイズだったと思うのだが、小川監督もよく初球に仕掛けたと思う。西がしっかり処理していればアウトになった可能性もあるが、好投手を崩すために積極的に仕掛けた部分を高く評価したいと思う。
相手が好投手西ということをしっかり意識して選手とベンチが一体となって攻撃することが出来ていた。これまでヤクルトの強力打線がクローズアップされてきたが、こういった機動力も織り交ぜた攻撃も出来ることが今日の試合で分かったと思う。相手チームは一段と戦い辛い打線だと感じるのではないだろうか？（もちろんこういう攻撃は投手陣の好投があって初めて出来る攻撃パターンではあるのだが…）
個人的には今シーズンの勝ちゲームの中でも最も好きな勝ち方かもしれない。内容のあるゲームだったと思う。


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